為替レポート

07月18日~07月22日週

【為替の動向】
ドル/円(24時間)
07/18(月)07/19(火)07/20(水)07/21(木)07/22(金)
OPEN138.340138.138138.183138.241137.378
HIGH138.585138.393138.376138.877137.956
LOW137.888137.378137.901137.290135.559
CLOSE138.137138.174138.245137.361136.080

先週のドル円レンジ:135.55円~138.88円

07月19日 IMM通貨(円)先物動向
円:59225枚の売り越し 前週比773枚の売越減

 先週は、新型コロナ(オミクロン変異種)の感染拡大が欧米でさらに日本で再拡大している。パンデミックは終わっていない。ウクライナ戦争の長期化に起因するインフレにより世界経済の景気減速懸念が再燃。インフレ対応を目的とするECB利上げに注目が集まっていた。一方、インフレによる実体経済の影響が指数に表れ始め、ドル高の修正および株式・商品相場の下落が見られた。また世界中の熱波が報道されており、今後その影響が穀物生産減少になりそうだ。
 17日『IMF、世界成長率予測を「大幅に」下方修正へ-今月見直し』
 
『中央銀行のインフレ対策、政府が台無しにする恐れ-IMF専務理事』
 
『勢い止まらぬドル高でリスク増大、アジア株から710億ドル流出』
 
18日『米IBM、第2四半期売上高が予想上回る 為替による打撃警告』
 
景気減速とドル高に対する影響の記事が見られた。円ドルはやや頭打ちとなった。米国利上げの国際社会への影響はこれからである。
 18日『米7月住宅建設業指数、2年2カ月ぶり低水準 NYサービス業活動大幅減速』
 
19日『米住宅着工件数、6月は昨年9月以来の低水準-需要減が鮮明に』
 
20日『米中古住宅販売は5カ月連続減少、2年ぶり低水準-金利上昇響く』
 
『ユーロ圏消費者信頼感指数、7月は-27.0に悪化 過去最低』
 
21『米7月フィラデルフィア連銀業況指数、2カ月連続のマイナス圏』
 
『米新規失業保険申請、25.1万件に増加 8カ月ぶり高水準』
 
22日『独PMI7月速報値、製造業・サービス業とも50割れ』
 
『仏PMI7月速報値、製造業50割れ サービス業も悪化』
 
『ユーロ圏PMI、7月は総合・製造業が50割れ インフレが重し』
 
『米総合PMI、7月は47.5に急低下 約2年ぶりに50割れ』
 
19日以降経済指標の発表で経済減速が目に言えるようになるとドル高修正、円ドルも調整された。円ドルは135円台を付けた。今後も継続すると予想される。
 21日『日銀が現行緩和維持、円安でも独自路線-22年度物価見通し2%超』
 
同日『ECB11年ぶり利上げ、幅0.5%でマイナス金利脱却 市場安定措置も』
 
中央銀行による金利報道があった。ユーロについては18日以降0.25%の利上げ幅の前報道があり相場の転換が見られた。現実には0.5%としたがその後の経済指標に見られる景気減速が確認されておりこのまま継続するのはむつかしいのではなかろうか。
 19日『プーチン氏、イラン訪問 最高指導者らやトルコ大統領と会談』
 
『石油精製能力不足が問題、ロシアは重要なパートナー=サウジ外相』
 
21日『プーチン氏がサウジ皇太子と電話会談、OPECプラス協力強化など協議』
 
22日『米、ロシアに穀物輸出再開の合意履行を要請 中国の備蓄も非難』
 
『メキシコ大統領、エネルギー政策巡る米政府の苦情に反論』
 
政治面で見ると、G20 で食糧危機が問題視されその対応に苦慮する米国の焦りが見られる。一方でエネルギー問題ではロシア・中国・中東・アフリカ。南米の結束が明確になりつつあり、米国主導の限界が見られる。
 20日『ウクライナ、ユーロ債元利払いを24カ月間延期へ』
 
21日『ウクライナ、債務負担軽減策を主要国際金融機関と協議』
 
ウクライナの経済を無視した戦争継続に対する甘えが見られる。国際社会の非難はない。
 世界最大の新型コロナウイルス感染国米国(22年7月22日時点で感染者数9036万7064人、死亡者数102万6883人)となっている。WTI原油先物は95.110ドル台となり、ドルインデックスは106.5472、円ドルは136.08円で取引を終えた。

今週の予想

今週のドル円予想レンジ:133.00円~139.00円
ピボット分析(日足ベース):133.99円~138.78


以下参考記事を掲載する。

IMF、世界成長率予測を「大幅に」下方修正へ-今月見直し
2022年7月17日 14:55 JST
国際通貨基金(IMF)のパザルバシオグル戦略政策審査局長は16日、世界経済成長率見通しを今月予定する見直しの際に「大幅に」下方修正すると述べた。パザルバシオグル氏はインドネシアのバリ島で開かれたパネル討論会で、食品やエネルギーの価格高騰や新興国への資本フロー鈍化、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の持続、中国の景気減速で政策当局者の「困難さが大きく増した」と指摘。「相次ぐ衝撃が世界経済に実際に打撃を与えている」と述べた。
 16日に閉幕した20カ国・地域(GG20)財務相・中央銀行総裁会議は、共同声明をまとめられず、物価高やリセッション(景気後退)懸念への対応で国際協調の難しさを浮き彫りにした。
 IMFは既に4月の報告書で、今年の世界経済成長率予想を3.6%と、ウクライナでの戦争前の4.4%から下方修正している。(ブルームバーグ)
中央銀行のインフレ対策、政府が台無しにする恐れ-IMF専務理事
2022年7月17日 10:46 JST
的を絞らない支援、物価圧力を高めかねず-ゲオルギエワ専務理事
G20財務相・中銀総裁会議、共同声明を採択せず閉幕
国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は16日、中央銀行によるインフレ対策の取り組みを台無しにしないよう、各国政府は最も脆弱(ぜいじゃく)な層への生活費支援に集中する必要があるとの見解を示した。
 ゲオルギエワ専務理事はインドネシアのバリ島で20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議閉幕後にインタビューに応じ、「支援の的をうまく絞らなければ、対象を定めない形での国民支援が物価上昇圧力を高めかねない」と指摘。「金融政策は引き締められつつあるが、財政政策は意図せずに逆行する可能性がある」と述べた。
 G20会議で当局者らは、世界経済の苦境を巡ってロシアを真正面から非難。イエレン米財務長官は米国のインフレの約半分はエネルギー価格が要因だとし、ロシアには戦争行為を通じてエネルギー価格高騰の直接的な責任があると批判した。他国の代表らもそれぞれ、ロシアを非難したが、前回会合時とは異なり、ロシア当局者の発言時に他の国・地域の代表者らが退席することはなかったと出席者は明かした。
 今回の会合では、閉幕時に共同声明は採択することができず、その代わりに食料安全保障の強化や国債デフォルト(債務不履行)リスクの警鐘などコンセンサスが形成され得る分野に重点が置かれた。(ブルームバーグ)
勢い止まらぬドル高でリスク増大、アジア株から710億ドル流出
2022年7月17日 17:51 JST
アジア通貨の指数は2年ぶり安値、為替と相関高い株式に不吉な兆候
韓国と台湾の株式市場、外国人投資家の資金引き揚げ目立つ
ドルの絶え間ない上昇がアジアの新興国株式市場からの資金流出に拍車をかける恐れがあり、年後半の回復期待を後退させている。
 アジア通貨の指数は約2年ぶりの安値に沈み、為替相場の動向と強い相関を持つ株式に不吉な兆候が見えている。MSCIの日本を除いたアジア株の指数は年初来で20%下落。中国以外のアジア新興国からの外国人投資家による資金引き揚げは、今年はこれまでに710億ドル(約9兆8400億円)と、既に2021年の2倍の流出額だ
ドルは米金融当局による積極的利上げの観測を追い風に、このところ外国為替市場で圧倒的な強さを見せている。ドル高はリスク選好度の低下シグナルとなり、アジア株には不吉な兆候である上、ドル建てでの輸入に依存する国が多い新興国の経済成長にはマイナス要因とされる。
 BNPパリバ・アセット・マネジメントのアジア株式責任者、陳志凱氏は「成長ではなくリスク回避ムードがあるため、ドルは上昇している」とし、アジア資産には「良い組み合わせではない」と指摘した。
 韓国や台湾といったアジアのハイテク株の比重が大きい市場は特に打撃を受けやすいようだ。世界的な債券利回り上昇や景気後退の逆風で、バリュエーションや需要見通しが悪化している。韓国と台湾の株価指標は今年のアジア株指数の中で不振が目立っており、外国人投資家による売り越しは計500億ドルに上っている。(ブルームバーグ)
米7月住宅建設業指数、2年2カ月ぶり低水準 NYサービス業活動大幅減速
[18日 ロイター]
全米住宅建設業者協会(NAHB)が18日に発表した7月のNAHB/ウェルズ・ファーゴ住宅建設業者指数は55と、2020年5月以来、2年2カ月ぶりの低水準となった。前月比で12ポイント下がり、低下幅は1985年の調査開始以降で2番目の大きさ。低下は7カ月連続。6月は67だった。
全米住宅建設業者協会(NAHB)が18日に発表した7月のNAHB/ウェルズ・ファーゴ住宅建設業者指数は55と、2020年5月以来、2年2カ月ぶりの低水準となった。
米IBM、第2四半期売上高が予想上回る 為替による打撃警告
[18日 ロイター]
米IBMが18日発表した第2・四半期決算は、売上高が市場予想を上回った。ただ、ドル高の影響により為替に関する年間の打撃が約35億ドルに達すると警告した。
米IBMが18日発表した第2・四半期決算は、売上高が市場予想を上回った。
ジェームズ・カバノー最高財務責任者(CFO)は、為替の影響は年間で売上高の約6%に達すると予想。従来は3-4%を見込んでいた。第2・四半期の売上高はドル高により9億ドル減少したと指摘。これまでにないペースでドル高が進んだと説明した。
ロシア産ガス供給停止、中欧で深刻な景気後退招く=IMF
[ワシントン 19日 ロイター]
国際通貨基金(IMF)は19日、ロシアが天然ガスの供給を停止した場合、各国が一段と協力して代替燃料を共有しなければ、ハンガリー、スロバキア、チェコ共和国、イタリアで深刻なリセッション(景気後退)を引き起こすとの予測を発表した。
ブログで、ロシア産ガスの供給が完全に断たれた場合、一部の国では通常のガス消費量の最大40%が不足する可能性があると指摘。液化天然ガス(LNG)を含む代替燃料の供給が妨げられ、必要な場所に供給が行き届かない場合、ロシア産ガスの供給停止によってハンガリーは国内総生産(GDP)で6%超、スロバキア、チェコ共和国、イタリアのGDPは5%縮小する可能性があるとした。
米住宅着工件数、6月は昨年9月以来の低水準-需要減が鮮明に
2022年7月19日 21:38 JST 更新日時 2022年7月19日 22:58 JST
6月の米住宅着工件数は昨年9月以来の水準に減少した。一戸建て住宅の着工件数減少が主因で、需要の陰りを浮き彫りにしている。5月も大きく減少していた。一戸建て住宅の着工件数と着工許可件数が2年ぶりの低水準となり、住宅市場の先行きが一段と暗くなっていることを示唆した。住宅ローン金利の急上昇やインフレに対応するための急激な利上げが値ごろ感を弱め、需要を抑制している。その結果、住宅在庫が増加し、売買契約が減少、一部の売り手は値引きに動いている。一戸建て住宅の着工件数は8.1%減の年率換算98万2000戸。一方、変動の大きい集合住宅の着工件数は10%余り増加した。建設許可は得たが未着工の一戸建て住宅は、今年の最低水準に減少した。(ブルームバーグ)
米中古住宅販売は5カ月連続減少、2年ぶり低水準-金利上昇響く
2022年7月20日 23:04 JST 更新日時 2022年7月21日 0:26 JST
6月の販売件数は前月比5.4%減の512万戸-市場予想535万戸
中古住宅価格は前年同月比13.4%上昇、41万6000ドル-過去最高更新
全米不動産業者協会(NAR)が発表した6月の中古住宅販売件数は、2年ぶりの低水準に落ち込んだ。借り入れコストの急上昇を背景に物件を購入しづらい状況が続いた。中古住宅販売はこれで5カ月連続の減少と、2013年以降で最悪の減少局面となった。米金融当局が積極的な利上げを行う中、住宅市場の落ち込みは今後も深まりそうだ。住宅ローン金利が08年以来の高水準近辺となっていることを背景に需要が抑制され、購入契約解除の比率も増えている。NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「住宅を購入しづらい状況が引き続き潜在的な買い手に影響を及ぼしている」と発表資料で指摘。「住宅ローン金利と物件価格は短期間にあまりに急激に上昇した」と説明した。6月の中古住宅販売在庫は126万戸と、昨年9月以来の高水準。販売に対する在庫比率は3カ月となり、5カ月連続で上昇した。中古住宅価格(季節調整前、中央値)は前年同月比13.4%上昇し、41万6000ドル(約5750万円)と過去最高を更新した。(ブルームバーグ)
ユーロ圏消費者信頼感指数、7月は-27.0に悪化 過去最低
[20日 ロイター]
欧州連合(EU)統計局が20日発表した
7月のユーロ圏消費者信頼感指数(速値)はマイナス27.0と、前月のマイナス23.8(改訂値)から悪化し、過去最低となった。ロイターがまとめたエコノミスト予想はマイナス24.9だった。
全体の消費者信頼感指数もマイナス27.3と、前月から3.0ポイント低下した。(ロイター)
プーチン氏、イラン訪問 最高指導者らやトルコ大統領と会談
[ロンドン/ドバイ 19日 ロイター]
ロシアのプーチン大統領は19日、イランを訪問し、最高指導者ハメネイ師やライシ大統領と会談した。2月にウクライナへの侵攻を開始して以来、プーチン氏にとっては初の旧ソ連圏外への外遊となった。
トルコのエルドアン大統領が加わった3カ国協議では、シリア情勢を巡る協議が行われた。さらに、プーチン大統領とエルドアン大統領によるウクライナ侵攻後初の直接会談では、ウクライナに滞留する穀物の輸出再開などを巡り協議した。
イラン国営テレビによると、ハメネイ師はプーチン大統領にイランとロシアの長期的な協力を呼びかけ、両国が「西側の偽り」を警戒する必要があると語った。ハメネイ師は、プーチン大統領がロシアの米国からの「独立維持」を確実にしたとし、貿易で自国通貨の利用を目指す国に支持を表明。「米ドルは世界貿易から段階的に排除されるべき」と述べた。
ウクライナ情勢については、プーチン大統領が「イニシアチブを取っていなければ、相手(西側)が戦争を起こしただろう」とし、ロシア政府には他に手段はなかったという考えを示した。
ライシ大統領もプーチン大統領との会談後、「両国はテロ対策に優れた経験を持ち、これが安全をもたらしてきた」とし、プーチン大統領の訪問が「独立した両国の協力を拡大させることを願う」と述べた。
プーチン大統領のイラン入りに先立ち、イラン国営石油(NIOC)とロシアのガス生産会社ガスプロムは、エネルギー協力に関する約400億ドル規模の了解覚書に調印した。
また、ウクライナからの穀物輸出再開に向け、ロシア、ウクライナ、トルコ、国連の各代表団が今週末にも合意書に署名する見通しについて、プーチン大統領はエルドアン大統領との会談後、「エルドアン氏の仲介によって前進した」と謝意を示し、ロシアとトルコが先週イスタンブールで開かれた4者協議の結果に「満足している」と語った。
プーチン大統領はさらに、ロシア、イラン、トルコの3カ国が内戦の続くシリアの「正常化」に向けた努力を続けることにコミットしているとした。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー報道官は、プーチン大統領のイラン訪問について、ウクライナ侵攻後、ロシアがいかに孤立しているかを示していると語った。さらに、イランがロシアにドローン(無人機)を供与した兆候は確認していないと述べた。(ロイター)
石油精製能力不足が問題、ロシアは重要なパートナー=サウジ外相
[東京 19日 ロイター]
訪日しているサウジアラビアのファイサル外相は19日、記者団に対し、市場で石油は不足していないものの、石油精製能力が不足しているため関連投資を増やす必要があると述べた。
サウジとロシアの関係について尋ねられると、ロシアは特に石油市場の安定に関して重要なパートナーであり続けていると回答。「ロシアは(有力産油国で構成される)『石油輸出国機構(OPEC)プラス』に不可欠な存在であり、OPECプラスでの協力なくして、国際市場への十分な石油供給を適切に確保することは不可能だろう」と述べた。(ロイター)
プーチン氏がサウジ皇太子と電話会談、OPECプラス協力強化など協議
[ロンドン 21日 ロイター]
ロシアのプーチン大統領は21日、サウジアラビアのムハンマド皇太子と電話会談し、石油輸出国機構(OPEC)およびロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」の枠組みにおける協力強化の重要性を巡り討議したと、ロシア政府が発表した。
ロシア政府は、会談では「世界の石油市場の現状を精査し、OPECプラスの枠組みにおいて協力を深めることが重要であると明確にした」とし、「OPECプラス参加国が世界のエネルギー市場に必要な均衡と安定を維持するために一貫してその義務を果たしている」ことも確認されたとした。
また、プーチン大統領とムハンマド皇太子は貿易や経済関係の拡大について協議したほか、シリア情勢についても意見交換を行ったという。
バイデン米大統領も先週サウジを訪問し、ムハンマド皇太子と会談しており、ロシアのウクライナ侵攻によって世界のエネルギー市場が混乱する中、サウジが米・ロシア両国にとって重要な位置付けにあることが浮き彫りとなった。
OPECプラスは6月の会合で追加増産を決定。関係筋によると、米国の要求を受けて増産の根回しを進めていたサウジがロシアの同意を確保するため積極的な働きかけをしていたというサウジによる「陰の外交努力」があったという。(ロイター)
ウクライナ、ユーロ債元利払いを24カ月間延期へ
[キーウ(キエフ)20日 ロイター]
ウクライナ政府は20日、ユーロ債の元利払いを8月1日から24カ月延期する方針を示した。
政府は財務省に対し8月15日までに債権者と交渉するよう指示。返済遅延分に追加の利子を支払う方針を示した。
GDP連動ワラント債の支払いも2023年5月から2024年8月に延期する。
2022-33年に償還日を迎える総額195億ドルのユーロ債の期日が24-35年に延期される。
9月には570億フリブナ(19億3000万ドル)近い対外債務が返済期日を迎える。政府の歳入では国の資金ニーズの3分の1しか満たせない状況だ。
同国では戦争のため、歳出が大幅に増えて歳入が減っており、政府が海外諸国に金融支援の増額を求めている。(ロイター)
ウクライナ、債務負担軽減策を主要国際金融機関と協議
[キーウ(キエフ) 21日 ロイター]
ウクライナの公的債務管理担当政府コミッショナー、ユリイ・ブツァ氏は21日、近い将来の債務負担軽減策について、主要な国際金融機関と協議していることを明らかにした。
ウクライナは20日、各国の債権者に対し国債利払いなど債務の支払いを2年間凍結するよう要請した。財源をロシアとの戦いに集中させることが狙い。主要債権国、ウクライナに融資している大手ファンドいずれも要請を支持した。
ブツァ氏はイベントで「国際金融機関とも話している。法的アプローチは異なる可能性がある」と述べた。
2022年にウクライナが国際通貨基金(IMF)に支払う金額は、受け取る金額よりも多くなることが決まっていると指摘。IMFの新たなプログラムの取り決めは現状では不可能と語った。「われわれはIMFや他のパートナーと解決策について話し合っている。これらの資金流出を補うためにIMFからの流動性が必要だ」と述べた。(ロイター)
日銀が現行緩和維持、円安でも独自路線-22年度物価見通し2%超
2022年7月21日 12:05 JST 更新日時 2022年7月21日 13:09 JST
GDPは2.4%増に下方修正、当面は下振れリスクの方が大きい
「円安対応としての政策修正の確率は極めて低い」と野村証・美和氏
日本銀行は21日の金融政策決定会合で、現行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和の維持を賛成多数で決めた。他の主要中央銀行がインフレ抑制のため金融引き締めに動き、24年ぶりの円安が物価を押し上げる中、緩和を続ける日銀の独自路線が際立っている。
新たな経済・物価情勢の展望(展望リポート)によると、2022年度の消費者物価(生鮮食品除くコアCPI)は前年度比2.3%上昇(従来は1.9%上昇)に上方修正され、日銀が目標とする2%を上回った。23、24年度も引き上げられたが、1%前半にとどまっている。先行きは当面、上振れリスクの方が大きいとしている。予想物価上昇率は、上昇しているに判断を上方修正した。
22年度の実質国内総生産(GDP)は同2.4%増(同2.9%増)に引き下げられ、当面は下振れリスクの方が大きいとしている。足元の景気判断は、新型コロナウイルスの影響が和らぐ下で持ち直しているに引き上げた。需給ギャップは22年度後半ごろにはプラスに転じるとみている。為替変動や国際商品市況の動向により、物価には上振れ・下振れ双方のリスクがあると指摘した。為替は急激な変動が見られるとし、物価に及ぼす影響について十分注意して見ていく必要があるとした。
金融緩和策が現状維持となったことを受け、東京外国為替市場のドル・円相場はいったん円売り優勢となった。その後は円が買い戻され、1ドル=138円台前半を中心に上下する展開となった。
野村証券の美和卓チーフエコノミストは発表後の取材に「円安対応としての政策修正の確率は依然として極めて低い」と述べた。世論や政治家の間で円安は問題化しつつあるものの、岸田政権が何らかの政策対応を日銀に求めるような「機運は出ていない」と指摘した。
岡三証券の会田卓司チーフエコノミストは、参院選を経てマーケットが金融緩和の枠組み継続との考え方に傾いたことから「前回のように日銀を試すような市場の動きがなかった」と指摘。この意味で、政府・日銀は「マーケットとのコミュニケーションには成功していた」と述べた。(ブルームバーグ)
メキシコ大統領、エネルギー政策巡る米政府の苦情に反論
[メキシコ市 20日 ロイター]
メキシコの左派ロペスオブラドール大統領は20日の定例記者会見で、政府が推進するエネルギー政策に米国が苦情を申し立てていることについて、「メキシコ政府は何も悪いことはしていない」と反論した。
米通商代表部(USTR)はメキシコ政府に対し、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に基づく紛争解決のための協議を要請。メキシコの国営電力会社CFEと国営石油ペメックスに対する優遇措置で米企業が痛手を受けている点を問題視している。カナダも米国の要請を支持すると表明している。
これに対しロペスオブラドール氏は、自身のエネルギー政策はUSMCAに違反していないと主張。米国の不満には「論点ごとに」回答していくと約束しつつも「われわれは公益に沿って行動しており、(富を)盗むことが得意で貪欲な企業から国民を守っている」と語った。
ロペスオブラドール氏のエネルギー政策を巡っては、民間投資家を犠牲にする形で国営企業の力を強化しているとの懸念が海外から出ている。メキシコ政府の講じてきた措置は消費者のためになっているというのがロペスオブラドール氏の言い分だが、コスト増や投資抑制などの弊害を招いているとの批判も聞かれる。
ロペスオブラドール氏はUSTRの協議要請について、米国側にとっての懸念というよりも、メキシコ国内の(反左派である)反対勢力の言い分という面が実際には大きいと主張。「今回の件も、今まで盗みや略奪がお手の物だった超保守派に関する事案と言える。彼らは自分たちが国を所有していると考えていたからだ」と批判した。
ロペスオブラドー氏と対立する勢力は再生可能エネルギー事業の強化も提唱しており、政府のペメックスとCFE優遇によって再生可能エネルギー企業が不利益を受けていると訴えている。これについても同氏は、「クリーンエネルギーを利用して自らの汚いビジネスに役立てようとする理屈は成り立たない」と述べた。(ロイター)
欧州のロシア産軽油輸入、7月に急増 消費量の大部分を依存
[ロンドン 20日 ロイター]
石油分析会社ボルテクサのデータによると、欧州がロシアから輸入するディーゼル燃料(軽油)が今月急増し、3月以来の高水準となった。消費量の大部分をロシア産に依存する状況が続いている。
ロシアからのディーゼル燃料は7月1-19日の期間に日量82万5000バレルとなり、6月から24%増え、全体の輸入量の60%近くを占めた。
ボルテクサはロシア以外の国・地域からの輸入が7月に日量66万バレルに達すると予想している。
7月のロシア産を合わせた輸入量は141万バレルと、6月から14%増え、4月以来の高水準に達する見込み。
欧州連合(EU)は5月にロシア産原油について、年末までに輸入の9割を停止することで合意した。景気後退(リセッション)は他の石油製品よりもディーゼルに影響を与える傾向がある。(ロイター)
ECB11年ぶり利上げ、幅0.5%でマイナス金利脱却 市場安定措置も
[フランクフルト 21日 ロイター]
欧州中央銀行(ECB)は21日、主要政策金利を0.5%ポイント引き上げた。利上げは2011年以来11年ぶり。ロシアのウクライナ侵攻を背景に、ロシア産ガス供給不安による景気への影響が懸念されるものの、高進するインフレへの対応をより重視し、引き上げ幅は前回の理事会で示唆した0.25%ポイントの倍にした。
ECBは声明で「今後の政策理事会で一段の金利の正常化が適切になる」と表明。「今日の決定でマイナス金利を脱し、理事会は金利決定について会合ごとのアプローチに移行できる」とした。
ラガルド総裁は理事会後の記者会見で「物価上昇圧力はより幅広い部門に広がっている」とし、食品やエネルギー価格、賃金の上昇などを指摘。「インフレは当面、好ましくないほど高水準にとどまる」という見通しを示した。
その上で「われわれはあらゆる点から見て、マイナス金利からの脱却に向けてより大きな一歩を踏み出すことが適切だと判断した」と述べた。
とりわけウクライナの戦争が長引き、エネルギー価格が長期間高止まりする可能性があるため、インフレ見通しに対するリスクは上向きかつ、強まったと警告した。ただ、利上げペースが加速しても、ターミナルレート(利上げの最終地点)に変更はないとした。
ロイターのまとめた調査では、エコノミストは0.25%ポインの利上げを見込みつつも、0.5%ポイントの引き上げが必要という向きが大勢だった。今回の決定を受け、リファイナンス金利が0.50%、中銀預金金利がゼロ%、限界貸出金利は0.75%に引き上げられた。
今後の金利の道筋については、早ければ9月8日の会合で追加利上げを実施する見通しを示しつつも、明確なガイダンスは示さず、さらなる利上げは適切で、会合ごとに決定されると表明するにとどめた。
また、ECBは市場安定化に向け、多額の債務を抱える南欧の金利が上昇することによる「域内格差」を是正する新たな債券買い入れ措置、伝達保護措置(TPI=Transmission Protection Instrument)」を発表した。
TPIの運用について「買い入れ規模は、政策伝達上のリスクの深刻度による。買い入れに事前の制約はない」とし、「ユーロ圏域内における金融政策スタンスの円滑な波及を確実にする」とした。買い入れの対象は、欧州連合(EU)の財政ルールを遵守し、「深刻なマクロ経済的不均衡」に直面していない国の期間1-10年の公的部門の債券となる見通し。(ロイター)
米7月フィラデルフィア連銀業況指数、2カ月連続のマイナス圏
[21日 ロイター]
米フィラデルフィア地区連銀が21日発表した7月の連銀業況指数はマイナス12.3となり、6月のマイナス3.3から低下した。
マイナス圏となるのは2カ月連続で、2020年5月以来の低水準に落ち込んだ。ロイターがまとめたエコノミストの予想中央値はゼロだった。
今回の調査では、今後数カ月間に経済活動が急激に減速するとの見方が示された。業況6カ月予測はマイナス18.6と、6月のマイナス6.8から一段と低下。1979年12月以来の低水準となった。支払い価格指数は3カ月連続で低下し、21年1月以来の低水準となった。インフレが緩和されつつあることを示している。
米新規失業保険申請、25.1万件に増加 8カ月ぶり高水準
[21日 ロイター]
米労働省が21日発表した7月16日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比7000件増加し、25万1000件だった。増加は3週連続で、8カ月ぶりの高水準となった。金融政策や金融情勢が引き締まる中、労働市場がいくらか冷え込んでいることを示唆した。ロイターがまとめたエコノミスト予想は24万件だった。
過去1年間の雇用は好調で、3月に新規失業保険申請件数は過去最低に近い水準まで減少した。6月以降は23万件前後で推移していたが、7月9日までの1週間の申請件数は2021年11月以来の高水準に増加した。それでも多くのエコノミストが雇用市場や、より広く経済に脅威を与えるとみなす水準よりは依然低い。
金利の影響を受けやすい住宅産業や製造業では解雇が報告されている。勢いは多少失われているものの、雇用は堅調で、6月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が37万2000人増加し、失業率も過去最低水準となっている。
労働需要もかなり強い状況が続いている。5月末の求人件数は1130万件で、失業者1人に対し2件近くの求人がある。
7月9日までの1週間の継続受給件数は、前週比5万1000件増の138万4000件で、4月以来の高水準だった。(ロイター)

独PMI7月速報値、製造業・サービス業とも50割れ
[ベルリン 22日 ロイター]
S&Pグローバルが22日発表したドイツの7月の購買担当者景気指数(PMI)速報値は、予想に反して好不況の分かれ目となる50を下回った。インフレ圧力とサプライチェーンの混乱が重しとなった。
サービス業PMIは49.2と、前月の52.4から低下。製造業PMIも49.2と、前月の52.0から低下した。市場予想はそれぞれ51.2、50.6だった。
製造業とサービス業を合わせた総合PMIは48.0と、過去2年あまりで最低。前月は51.3だった。確報値で確認されれば、昨年12月以来初めて50を下回ることになる。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのエコノミクスディレクター、フィル・スミス氏は「ドイツ経済は新型コロナウイルス関連規制の緩和で成長が押し上げられた後、7月はさまざまな逆風が重なり、今年初めて縮小の領域に入った」と指摘。「民間部門の活動は新型コロナが初めて猛威を振るった2020年春以降で最悪となった」とし、ウクライナ戦争、供給の遅れ、インフレに伴う不透明感やインフレ圧力が原因だとの見方を示した。「企業の期待度が過去2年あまりで初めてマイナスの領域に低下しているのも不思議ではない」としている。
仏PMI7月速報値、製造業50割れ サービス業も悪化
[パリ 22日 ロイター]
S&Pグローバルが22日発表した7月のフランス購買担当者景気指数(PMI)速報値は、製造業PMIが50を割り込み、サービス業PMIも低下した。フランスが景気後退に向かっている可能性が改めて浮き彫りとなった。
製造業PMIは49.6と、2020年11月以来初めて好不況の分かれ目となる50を下回った。市場予想は50.8だった。サービス業PMIは52.1と3カ月連続で低下。前月は53.9、市場予想は52.7だった。民間部門の新規受注は2021年2月以来初めて減少。インフレが個人消費を圧迫した。
S&Pのシニアエコノミスト、ジョー・ヘイズ氏は「7月のPMI速報値では、フランスが景気後退に向かっているとの懸念が一段と強まった」とし「回答者によると、需要の健全性は引き続き低下しており、短期的にトレンドが改善するとは考えにくい」と述べた。(ロイター)
ユーロ圏PMI、7月は総合・製造業が50割れ インフレが重し
[ロンドン 7月22日 ロイター]
S&Pグローバルが22日発表した7月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は予想に反して好不況の分かれ目となる50を下回った。
製造業が一段と縮小したほか、サービス業もほぼ停滞した。コスト急増で消費者が支出を抑制していることが背景。7月の総合PMIは49.4と、前月の52.0から低下し2021年2月以来の低水準。ロイターがまとめた市場予想の51.0を大幅に下回った。
S&Pグローバルのチーフビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「ユーロ圏経済は第3・四半期に縮小しそうだ。7月の企業活動は縮小し、先行指標も今後数カ月の一段の悪化を示唆している」と指摘。「新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン(都市封鎖)の時期を除けば、2013年6月以来初の50割れとなる。ユーロ圏経済は四半期ベースで0.1%のマイナス成長となる」と述べた。
サービス業PMIは50.6と、前月の53.0から低下し、15カ月ぶりの低水準。ロイターがまとめた市場予想の52.0を下回った。生計費の上昇で消費者は慎重になっており、生活費需品以外の支出を切り詰めている。サービス業の新規受注指数は48.4と、前月の51.8から低下、21年2月以来の低水準となった。
製造業PMIは49.6と、前月の52.1から低下し、約2年ぶりに50を下回った。生産指数は46.1と、前月の49.3から低下し、20年5月以来の低水準。ロイターがまとめた製造業PMIの市場予想は51.0だった。製造業の1年先の見通しは楽観から悲観に変わった。先行き生産指数は49.7で、前月の51.5から低下した。
ウィリアムソン氏は「企業の1年先の予想は過去10年であまり例のない水準に落ち込んだ。エネルギー供給とインフレに対する懸念拡大や金融状況の引き締まりなどを背景に、経済見通しに対する懸念が強まっている」と述べた。
米総合PMI、7月は47.5に急低下 約2年ぶりに50割れ
[22日 ロイター]
米S&Pグローバルが22日に発表した7月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は47.5と6月改定値の52.3から低下し、景気拡大・縮小の節目となる50を約2年ぶりに下回った。
製造業が引き続き緩やかに成長する一方でサービス業が急減速し、高インフレや金利上昇、消費者信頼感の悪化などを背景に経済が停滞している状況を示唆した。低下は7月で4カ月連続。サービス業PMIの落ち込みが顕著で、前月の52.7から47.0に低下し、2020年5月以来の低水準となった。一方、製造業PMIは52.7から52.3に低下。節目の50を引き続き上回っているものの、20年7月以来の低水準となった。ロイターがまとめたエコノミスト予想は、サービス業PMIで52.6、製造業PMIで52.0だった。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ事業エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「7月のPMI速報値は景気悪化懸念を示している」と指摘。「パンデミック(世界的大流行)を受けたロックダウン(都市封鎖)時期を除けば、生産は09年の世界金融危機以来見られなかった速度で落ち込んでいる」と述べた。(ロイター)
米企業活動が約2年ぶりに縮小、総合PMIは2020年5月以来の低水準
2022年7月22日 23:55 JST
S&Pグローバルの総合PMI指数、7月速報値は47.5に低下
サービス業PMIは47に低下、製造業は52.3に鈍化
S&Pグローバルが22日発表した米国の製造業・サービス業合わせた7月の総合購買担当者指数(PMI)速報値は、約2年ぶりに活動縮小を示した。需要が振るわずにリセッション(景気後退)懸念が増している状況が浮き彫りになった。 総合PMI指数は前月から4.8ポイント下げて47.5。2020年5月以来の低い水準となった。新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた数カ月を除けば、09年のデータ開始後で最も低い水準だ。同指数は50が活動拡大と縮小の境目。前月に縮小を示していた新規受注の指数は、7月は小幅な拡大を示唆した。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は発表文で「7月のPMI速報値は懸念すべき経済の悪化を示した」と指摘。「製造業は失速し、サービス業もコロナ禍からの回復路線が反転している。繰り越し需要という追い風は、生活費と金利の上昇、景気の先行きに対して募る不安に押し戻された格好だ」と説明した。
サービス業PMIは47と、2020年5月以来の低水準。コロナ禍の時期を除けば、09年までさかのぼるデータ上で最悪の数値となる。ただ雇用は着実なペースで伸びていることが示された。製造業PMIは52.3と、2年ぶりの低水準。新規受注は2カ月連続で縮小し、雇用の伸びは減速したことが示された。輸出受注も縮小。ドル高が影響したほか、世界的な景況感悪化が国外需要を圧迫した。(ブルームバーグ)
米、ロシアに穀物輸出再開の合意履行を要請 中国の備蓄も非難
[国連 22日 ロイター]
米国は22日、ウクライナからの穀物輸出再開に向けた合意を履行する責任はロシアが負うと表明した。さらに、中国が穀物を備蓄していると非難した。
ロシアとウクライナは22日、ウクライナの黒海からの穀物輸出再開に向けた合意文書に署名。仲介役を務めた国連のグテレス事務総長とトルコのエルドアン大統領は、世界的な食料危機緩和への一助になるという認識を示した。
米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は、合意が「ロシアの引き起こした危機を軽減する一助となる」ことに期待を表明。「ロシアが実際に履行するか、注視する」と語った。世界的な食料危機について、オブライエン米国務省制裁調整官は 「中国は非常に積極的に穀物を購入し、何億人もの人々が食料不足という壊滅的な局面に直面する中、穀物を備蓄している」と非難。中国が自国の備蓄から穀物を供給するなど、「大国としての行動を取り、世界に一段の穀物を供給する」ことを確認したいと語った。4月にウクライナから初めて出荷された穀物の40%が中国に向かったとも指摘した。
これに対し、在ワシントン中国大使館の劉鵬之報道官は、中国の農地は世界の9%未満しかない一方、人口は世界の5分の1を占めているため、一定の穀物備蓄を維持する必要があると指摘。中国政府は国連の食糧農業機関(FAO)や世界食糧計画(WFP)と協力し、発展途上国に約3万トンの緊急的かつ人道的な食料支援を実施しているとし、「われわれは世界の食料安全保障問題に積極的に貢献している」と述べた。その上で「米国は他国が穀物を買いだめしていると非難し、備蓄の放出を促す一方でエネルギーとして消費する自国の食料を減らすために何も措置を講じず、むしろこの状況を悪用して穀物価格をつり上げ、利己的な利益を求めている。これは極めて無責任だ」と強調した。(ロイター)

≪統括≫
世界経済は、各国中央銀行の金融緩和・政府の補助金等の政策で企業倒産を食い止めており、完全失業者をそれほど出さず、自殺者の急増を防いできた。その中で、コロナによる犠牲者(死亡者)を乗り越え、製造業中心に経済活動が回復してきた。
アメリカの対中国戦略により中国・アジア地区中心のサプライチェーンに亀裂が生じ、物流の根本が揺らいでいる。コロナ対策が起因で生じたインフレ対策処理が終わらない状況で、2月ロシアによるウクライナ侵攻が始まった。その対応策としてロシアへの金融を含めた経済制裁がはじまった。『民主主義・人権擁護』を大義名分として、EC・NATOを巻き込む形でウクライナへの武器供与を進め戦争の長期化が現実のものとなった。同盟国ではないとして、米国の直接関与は避けている。
米国に集中するコンテナの問題はやや終息しつつあるが、燃料費高騰で海運賃は高止まりのまま。当初、金融制裁を基軸に、エネルギー資源(石炭・石油・天然ガス)・食料資源・鉄鋼資源に限定した貿易制裁を起草、ロシア経済の疲弊による政権維持が困難になるとの構想・戦略で進めてきた。しかし、ロシアが世界に供給する資源がエネルギー資源・食料・半導体生産資源・肥料・希少金属等多義に渡っていることが後になって理解された。中国を含め世界の物資のサプライチェーンの枠組みは先進国の欧米中心に組み立てられてきたものであった。制裁開始以降エネルギー以外に各種商品価格の高騰を呼びインフレが世界に広がってしまった。さらに食糧危機問題が発生し、最貧国の政治状況に変化がみられる。また経済救済の枠組みも再考を余儀なくされているが進展はない。コロナ対策インフレ対策で財政的な余力は限られている。他国の面倒を見る余裕はなくなっている。
各国の金利引き上げ競争が始まり、国内の経済維持に警鐘がなり始めており、世界経済のスタグフレーションの状況となりつつある。
世界世論はロシアへの非難に終始している。ロシア・ウクライナとの休戦・停戦交渉は暗礁に乗り上げている。ウクライナのゼレンスキー大統領は、民主主義の基礎となる自国民の安全・安心を確保するという本筋(米国南北戦争後のリンカーン)を忘れて、為政者としてはやってはいけない、自国民の犠牲者が増えていることを無視する形で、西側諸国のマスコミへのお涙頂戴なのか情報提供としてSNS等の手段を駆使、さらに休戦に向けた努力もなく、欧米各国政府への武器供与を呼び掛けているのが現状である。
さらに、戦争拡大を煽るように、4月12日以降、バイデン米政権はウクライナへの約7億5000万ドル(約940億円)相当の軍事支援パッケージを準備し、武器や装備品を供与している。ウクライナへの支援をさらに強化する姿勢を示した。最新兵器であっても、人殺しの道具を供与していることに変わりはない。
さらに、NATOとの結束を進め、G7を巻き込むことで世界のリーダーシップを強調している。しかし、戦後処理に係る費用(100兆円?)はどこから調達するかは不明である。ウクライナにその能力はない。
戦争当事者のウクライナ指導者の先導的なパフォーマンスに迎合し、他人事のように、本当の犠牲者であるウクライナ国民の安全・安心の議論はない。一般国民は、健康で安心・安全で生活できれば良く、映画・音楽・演劇・文化に触れあう環境を望んでいる。戦争(殺し合い)は望んでいない。報道のようなアイデンティティの問題ではない。食料・仕事・教育を含め衣食住の環境を整えるのが『為政者』の基本的な仕事なのだが・・・。専門評論家の言う政治体制は関係ない。儒教(陽明学)に基づく『帝王学』を含め『中庸』の精神で国民目線からの積み上げのバランスある『政治学』が必要である。
各国でインフレが高進しているが、各種の商品値上げで困窮(迷惑)するのはそれぞれの自国民であることを忘れている。政治の基本は国民であって、世界秩序ではない。同じことがコロナ対応でもいえる。
ウクライナの戦後復興費用および負担がどうなるか、G7等の先進国の負担となるようであるが、その原資が税金であることに変わりはない。中国・ロシアを排除したサプライチェーンの再構築に5年で官民合わせて6000億ドルと報じられている。しかし、発展途上国を巻き込むことができるか今後注意が必要である。
エネルギー供給についても備蓄原油放出で何とか凌ぐつもりでも、第二次オイルショック以降の備蓄戦略であったことが忘れられている。その補充するにはOPEC等の石油産出国の協力が必要であるが、補充コストは1バレル100ドルを超えることが予想(一説では130ドル)されており、今後に対する筋書きもない。しかし、ロシア崩壊を狙って、ロシアの豊富な資源の獲得を米国・西欧諸国が画策しているのであれば別である。オイルショック以降、イスラエルを使って中東戦争を起こしたように・・・。
いずれにせよ、インフレの長期化からは逃れられない。これまで、コストについては価格転嫁することでごまかしができたが、各国国民の所得が順調に増えるとは考えられない。
さらに利上げをきっかけに、スリランカのような発展途上国の借り入れ問題から食糧危機・メキシコ危機・アジア危機の再来が予想される。IMFの対応は数か月先のようだ。事実、国際通貨基金(IMF)アジア太平洋局長代理のアンマリー・グルデウルフ氏は26日、債務危機に陥っているスリランカについて、金融引き締め、増税、変動為替相場制への移行といった方策を取るよう促した。さらに、スリランカの支援要請に対して「債務の持続可能性に向けた進展が融資の条件になる」と述べた。他人事のように形式的な対応で終わっている。一方、インドの協力が表明されている。
小麦・パラジューム・アルミ・ニッケル・天然ガス等世界の供給に占める割合の多い資源・食料価格が上昇。コロナによるサプライチェーンの麻痺が解消されない状況でインフレの種を増やす結果となっている。今回の欧米の対応は経済運営上、自分で首を絞める状況となっており、金融政策の足かせとなってきた。ここにきて、ロシア・ウクライナの石油・天然ガス・石炭・小麦・トウモロコシ・飼料・肥料さらに半導体関連の主要原料の供給に関して警鐘がなり始め、欧米諸国のインフレ(物価上昇)の追加要因となった。市場は、サプライチェーンが国家体制(政治要素)とは別に、複雑に絡み合っている現実を認識し始めた。物価が上昇し、国民生活に影響が出ており、コロナも沈静化しているわけではない。
一方で、欧州では懸念の声が上がり始めたが、米国は大丈夫との安心感が前提となって今の相場が形成されている。
米国の人口は3億人、英国・フランス・ドイツ等の西欧諸国の人口はそれぞれ4~5千万人、そのほとんどが移民で構成されている。過去、植民地時代その後の資本主義で潤ってきた国なのだろうか。ロシアでさえ1億数千万人。これに対して人口規模で異なっており、さらに植民地政策で苦汁をなめたインド(英国の植民地)・中国(アヘン戦争・日中戦争)のように10億人台を超える国民の生命・食料・生活を維持するする政治に対する姿勢(国家体制)・主義主張の違いがあってもおかしくはない。第1次・第2次大戦後独立した中東諸国・南米・アフリカ諸国にとっても同じである。既存のグローバルスタンダードの意義が問われている。インフレの一つの原因であるロシア産資源(原油・天然ガス)に対する制裁が完全に尻抜けとなった。ルーブル決済は企業の問題として制裁対象から外すとの判断が、5月16日EUの行政執行機関、欧州委員会から発表された。
さらに、5月17日米財務省当局者がロシア産原油の全面的な輸入禁止措置に代わる措置として、欧州各国に対し関税を課すよう提案すると表明。原油供給量の逼迫を低減する方向に舵を切った。しかし、制裁対象のロシア産原油は、インド・中国が引き受けており総量の調整は不可能となっている。
資金力・技術力に劣る資源を持つ国(ロシア)の主張が始まったと思われ、オイルショック(石油危機)時と同じ背景がそこにある。ただし、相手がロシアという軍事力のある国であることは厄介である。インフレの解決策である中央銀行による利上げが本当に特効薬となるか試されている。世界各国の実体経済の悪影響が出始めており、統計数値を待っている市場参加者が気づいた時、すでに遅いというデフレ・スタグフレーションの可能性は否定できない。欧米でインフレが進み実体経済への影響が統計数値に表れ始めた。企業による価格転嫁による収益確保に対して原材料費・人件費高騰が減益要因となり、最終需要者である消費者にとって不利になり貧富格差の拡大がさらに進む結果となりつつある。さらに、利上げによる副作用である企業倒産・失業対策が必要となる、スタグフレーションの状況となりつつある。ある意味でシンギュラーポイントがどこなのかが試されている。
さらに、ウクライナの戦後処理・再生費用が100兆円規模になりウクライナ大統領は支援を呼び掛けているが、欧米諸国・IMFを含めその余力はない。ロシアにその費用を持たせるには、ロシア本土に攻撃を仕掛けプーチン大統領を敗北に導く以外に方法はない。
一方、ドル基軸通貨の脆弱性・米国軍事力の圧倒的な優位性が失われていること・世界政治経済の指導力に対する警鐘等が露見する結果となりそうである。ニクソンショックが何であったかが問われている。
ウクライナ国民の犠牲者が急増するも徹底抗戦としてロシアへの攻撃を中断することもなく、停戦交渉のテーブルに載っていない。まるで第二次世界大戦時の(沖縄戦・東京大空襲)にも拘わらず、本土防衛・決戦とした日本軍の連合国軍への対応と同じ現象となっている。終戦のための方法について、生物兵器・化学兵器・核爆弾の使用が報道されている。最終的に核爆弾を実施したのは米国であった歴史を忘れてはならない。唯一の被爆国であり、日本の航空域制限等戦後の体制は継続している。第二次大戦後に生まれた、バイデン大統領・ウクライナのゼレンスキー大統領。プーチン大統領等『戦争を知らない子供たち』(北山修作詞)の世代のリーダーが世界を動かしている。
マスク着用問題等において『人間の自由の権利』主張が標榜され、コロナによる感染は個人の自己責任として片づけられてきた。自分を守り隣人(他人)に移さないようにする最善の方法がマスク着用であった。第一次大戦時『スペイン風邪流行』対応はワクチン・治療薬がなかったこともあり、戦争による死亡者よりスペイン風邪による戦意喪失とその犠牲者の方が多く戦争継続が困難となりドイツ軍敗退による戦争終決となった。
各国政府は自由主義・個人主義の名目で経済再生優先としてきた。一方、コロナ対応で中国主要都市でのロックダウン措置導入の動きが報道され、中国経済の弱体化を専門家・マスコミは報道している。コロナ感染拡大によるパンデミックは終わっていない。
サプライチェーン・物流問題の長期化が懸念され始めた。トランプ政権時『自国第一主義』として中国経済制裁の一環で始められた関税はバイデン政権でも継続され米国インフレの一原因となっている。半導体・各種工業製品等の中国サプライチェーンの複雑さが認識され始めたところで、ウクライナ・ロシアにおける食料・資源の重要供給先であったことがウクライナ戦争で浮き彫りになった。5月11日、バイデン米大統領は、ロシアによるウクライナ侵攻が世界的な食料価格の高騰を引き起こしていると非難、対して5月12日、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ紛争を受けて西側諸国がロシアに科した厳格な制裁措置が世界的な経済危機と破滅的なインフレを引き起こしたとして双方責任転嫁している。
しかし、株式市場の下落、プライベートバンク等にみられるファンドの毀損、市場参加者機関の市場撤退による現金化が報じられている。市場が縮小方向にあることに変わりはない。インフレが現実のものとなり、中国関税・NATOを巻き込みウクライナへの武器供与による戦争拡大のきっかけを作った米国バイデン政権の失策であったことが明確になりつつある。
世界経済の枠組みに亀裂が生じ、各国のインフレが国内問題となり、ロシア・中国等の結束を固める形となって政治経済ブロックの鮮明化が問題視され始めた。自由民主主義を守ると称して主導権を発揮した結果であろうか。
さらに主要中央銀行のインフレ対策の利上げが報じられている。
パンデミックが収まらず、サプライチェーン問題も解消されず、ウクライナ戦争が、ロシア対米国(NATO)の対立構造となってきた。さらに中国もその対象としている。
小麦・食用油(トウモロコシ・パーム油)を含めて食糧危機の報道が始まった。異常気象の影響で世界的な穀物の不作が予想されており、綺麗ごとでは済まない古米・古古米の取り合いとなっている。ウクライナの昨年収穫の穀物輸送に注目しているが農地が荒れており、戦争で男手がなく今年の収穫は半分以下となろう。食糧危機が現実のものとなり、先進国もインフレに絡めて、後進国を補助・救済するとしても資金調達に問題が生じ始めている。欧米の大半が赤字国である。国力に限界がある。



2022年07月25日更新


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