為替レポート

07月25日~07月29日週

【為替の動向】
ドル/円(24時間)
07/25(月)07/26(火)07/27(水)07/28(木)07/29(金)
OPEN135.825136.661136.910136.565134.325
HIGH136.790136.970137.465136.590134.677
LOW135.825136.271136.321134.200132.500
CLOSE136.657136.906136.576134.326133.230

先週のドル円レンジ:132.50円~137.47円

07月26日 IMM通貨(円)先物動向
円:61481枚の売り越し 前週比2256枚の売越増

 先週は、新型コロナ(オミクロン変異種)の感染拡大続き、ついに日本の感染者数が世界1位となった。パンデミックは終わっていない。ウクライナ戦争の長期化に起因するインフレにより世界経済の景気減速懸念が再燃。インフレ対応を目的とするECB利上げに注目が集まっていた。一方、インフレによる実体経済の影響が指数に表れ始め、ドル高の修正が見られた。一方、米国経済の減速が見られるものの堅調な米国企業の決算発表、雇用の堅調さを理由として株式は買われた。また世界中の熱波・山火事が報道されており、今後その影響が穀物生産減少になりそうだ。
 『EUの対ロシア制裁は失敗、新たな戦略必要=ハンガリー首相』、NATOの経済制裁に対する見直し発言があった。
 23日『米経済、減速しているが景気後退不可避でない=イエレン財務長官』先々週の米国経済減速を牽制する発言もあり25日は一時調整局面に入った。しかし、ドル高による米国企業の収益の影響が報道されている。
 25日『独IFO業況指数、7月は2年ぶり低水準 製造業中心に見通し悪化』
 
『「強いドル」で米企業の業績悪化、海外事業に悪影響[25日付けFI]』
 
『ウクライナ国営エネ会社、デフォルトの瀬戸際に 26日が最終期限』
 
26日『浅い不況は妄想、スタグフレーションと同時に債務危機も-ルービニ氏』
 
26日『IMF、世界成長率予測を下方修正-リセッションの瀬戸際近いと警告』以降経済減速に関する警戒感が再燃。
 『米CB消費者信頼感、7月は95.7に低下 3カ月連続』、26日『米新築住宅販売、6月は8.1%減 価格・金利上昇で約2年ぶり低水準』、27日『米住宅価格は伸び減速-ローン金利上昇で買い手が様子見姿勢』、27日『米中古住宅仮契約指数、6月は8.6%低下』、『米の財貿易赤字、6月は5.6%減の982億ドル 輸出が急増』、『米耐久財受注、6月は予想外の増加-防衛航空機が80%超の急増』米国経済減速を示す経済指標が続く。こうした中、注目のインフレ対策の利上げの発表があった。
 28日『FRB0.75%利上げ、経済指標弱含み指摘 断続的な利上げ適切と』、『パウエルFRB議長、労働市場は多少軟化も-4~6月GDP統計注視』、楽観視された米GDPは予想に反して悪化、リセッションの議論が進む。頼りとするのは雇用が堅調とする根拠だけのようだ。企業倒産がないこともある。『米GDP、第2四半期は0.9%減 2四半期連続で縮小。米国債利回りが大幅低下、米GDP速報値が予想外の景気縮小示す』、ドル安が進む。
 29日『米雇用コスト、第2四半期は1.3%上昇 強い伸び維持』、『米消費者1年先期待インフレ率、7月は5.2%に鈍化=ミシガン大調査』、『米個人消費支出、6月は1.1%増と予想を上回る インフレ加速』
 
一方、
 
27日『ロシア、国際宇宙ステーションの共同運用から離脱へ-24年で撤退』
 
28日『米中首脳が電話会談、台湾巡り応酬 習氏「火遊び」とけん制』。『焦点:米中首脳会談、台湾巡りエスカレート回避 懸案は両者とも国内経済』、29日『米の半導体法案、世界の半導体供給網歪める=中国商務省』
 
とあるように米国対ロシア・中国の対立構造が明確となる。
 『コラム:マクロデータで分からない米国の「消費格差」』既存の経済統計の不備が指摘されている。ミクロ経済学とマクロ経済学の統合ができていないことが示されている。
 世界最大の新型コロナウイルス感染国米国(22年7月30日時点で感染者数9112万0218人、死亡者数102万9270人)となっている。WTI原油先物は98.310ドル台となり、ドルインデックスは105.8311、円ドルは133.23円で取引を終えた。

今週の予想

今週のドル円予想レンジ:131.00円~135.00円
ピボット分析(日足ベース):131.21円~135.56


以下参考記事を掲載する。

EUの対ロシア制裁は失敗、新たな戦略必要=ハンガリー首相
[ブダペスト 23日 ロイター]
ハンガリーのオルバン首相は23日、欧州連合(EU)の対ロシア制裁は効果が出ておらず、新たな戦略が必要との考えを示した。また、ハンガリーはウクライナ戦争に関与しないと再度表明した。
オルバン氏は以前、EUの禁輸措置やロシア産ガスの輸入制限を支持しないと述べている。ハンガリーは輸入ガスの85%をロシア産に依存しており、輸入を制限すれば国内経済に打撃を与える。オルバン氏は欧米の戦略について、1)北大西洋条約機構(NATO)の武器でウクライナはロシアに勝利できる、2)制裁はロシアを弱体化させて政権指導部を不安定にする、3)制裁の打撃は欧州よりロシアの方が大きい、4)各国が欧州を支持する。4本柱で成り立っていると説明。欧州の政権は「ドミノ倒し」のように倒れ、エネルギーは高騰し、戦略は失敗に終わったとして、新たなやり方が必要と述べた。ロシアの軍事力がウクライナ軍を上回ることを踏まえると、ウクライナがこの戦争に勝つことはないと指摘した。
ロシアとウクライナの間で和平交渉が行われる可能性は低いとし、「ロシアが安全保障を望んでいる以上、この戦争はロシアとアメリカの和平交渉によってのみ終結可能だ」と述べた。(ロイター)
米経済、減速しているが景気後退不可避でない=イエレン財務長官
[ワシントン 24日 ロイター]
イエレン米財務長官は24日、米経済は減速しているとし、リセッション(景気後退)のリスクがあると認めたが不可避ではないとの見解を示した。
NBCの番組で「景気は後退していない。しかし減速している移行期にあり、それは必要で適切なことだ」と語った。またインフレは「高すぎる」と述べ、連邦準備理事会(FRB)の最近の利上げが、高騰する物価の抑制に寄与しているとの認識を示した。バイデン政権も戦略石油備蓄を放出しており、これがすでにガソリン価格押し下げにつながっているとの認識も示した。イエレン氏は「リセッションを絶対に避けられるとは言っていない」とした上で「労働市場の強さを維持しながらインフレを押し下げる道はあると考えている」と述べた。第1・四半期国内総生産(GDP)は年率換算で前期比1.6%減少した。
イエレン氏は第2・四半期もGDPが減少したとしても、雇用市場と需要の強さを考えればリセッションを示唆するものにはならないと指摘。「リセッションは経済が広範囲にわたって弱くなることだ。今のところそれは見られていない」と語った。(ロイター)
独IFO業況指数、7月は2年ぶり低水準 製造業中心に見通し悪化
[ベルリン 25日 ロイター]
独IFO経済研究所が25日発表した7月の業況指数は88.6へと予想以上に悪化し2年あまりぶりの低水準となった。エネルギー価格高騰や、今後予想されるガス不足でドイツがリセッション(景気後退)入りする可能性が高まった。
ロイターがまとめた市場予想は90.2。6月の業況指数は92.2に下方改定された。現況指数は97.7で、6月の99.4から低下。市場予想の98.0を下回った。期待指数も85.5から80.3に低下し、市場予想の83.0を下回った。企業の向こう数カ月の見通しは著しく悪化。悲観的見通しが特に目立つのが製造業で指数は6月の0.0からマイナス7.1に大きく低下した。(ロイター)
ウクライナ国営エネ会社、デフォルトの瀬戸際に 26日が最終期限
[ロンドン/キーウ 25日 ロイター]
ウクライナ国営エネルギー会社ナフトガスは25日、翌日が最終期限となる債務の2年間支払い凍結計画を支持する社債権者が非常に少なく、承認されない見通しだと発表した。デフォルト(債務不履行)の瀬戸際に立たされている。
また、ウクライナ政府に対しても延滞している3億3500万ドルの元本と利息などの肩代わりを要請したが、認められなかったという。社債権者の承認を得るために新たな提案を行う予定だが、債権者の1人は「少なくともしばらくの間はデフォルトになることが避けられないようだ」と述べた。(ロイター)
浅い不況は妄想、スタグフレーションと同時に債務危機も-ルービニ氏
2022年7月26日 13:11 JST
パンデミックに起因する借入比率の歴史的高さにルービニ氏は言及、「70年代や世界的金融危機後より悪い状況になる恐れがある」と指摘
2008年の金融危機を予見したルービニ・マクロ・アソシエーツのヌリエル・ルービニ最高経営責任者(CEO)は、米経済について、金利上昇と債務負担増の下で、深刻なリセッション(景気後退)に向かいつつあると述べ、景気下降が浅いと予想するのは妄想だと警告した。ドクター・ドゥーム(破滅論者)」の異名を取るルービニ氏は25日、ブルームバーグテレビジョンの番組で、「深刻なリセッションと深刻な債務・金融危機にわれわれが直面しようとする多くの理由が存在する。これが短く浅いものになるという見解は全くの妄想だ」と語った。軽度のリセッション見通しは「全くの妄想だ」と話すルービニ氏。
ルービニ氏は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に起因する借入比率の高さに特に言及し、スタグフレーション(景気停滞下の物価上昇)にもかかわらず債務比率が低かった1970年代とは状況が異なるとの認識を示した。スタグフレーションを誘発する負の複合的な供給ショックに加え、借入比率も歴史的高水準にある。これまでのリセッションは過去2回のように大規模な金融緩和と財政拡大があったが、今回は金融政策の引き締めでリセッションに突入しようとしており、財政出動の余裕もない」と同氏は指摘した。ルービニ氏はその上で、「スタグフレーションと深刻な債務危機が同時に発生し、70年代やGFC(世界的金融危機)後より悪くなる恐れがある」と予測した。
IMF、世界成長率予測を下方修正-リセッションの瀬戸際近いと警告
2022年7月26日 22:00 JST
見通しへのリスクは「圧倒的に下振れ方向」-最新世界経済見通し
今年の世界インフレ率は8.3%に加速へ、金融引き締め通じ抑制を
国際通貨基金(IMF)は今年と来年の世界経済成長率見通しを下方修正した。世界経済が近くリセッション(景気後退)入りの瀬戸際に立たされる恐れがあると警告した。26日公表の世界経済見通し(WEO)によると、今年の世界成長率は3.2%に減速する見込み。IMFは4月時点では3.6%、1時点は4.4%と予測していた。23年については、中央銀行がインフレ抑制のため実施した一連の利上げによる「痛手」が予想されるとし、世界成長率が2.9%に減速するとの見通しを示した。IMFはそれでもプラス成長を見込むが、物価上昇の加速で所得や貯蓄、利益が目減りしており、主要国で広がるリセッション入り懸念の沈静化につながりそうにない。IMFチーフエコノミストのピエールオリビエ・グランシャ氏は、「見通しは4月以降、著しく暗くなった。世界は近く、世界的リセッションの瀬戸際に立たされるかもしれない。前回の不況からわずか2年しか経過していない」とブログ投稿でコメントした。消費者物価が予想より速いペースで上昇を続ける中、IMFは食品・エネルギー価格の上昇や長引く需給不均衡を踏まえ、物価高が今年さらに加速すると予想。今年の世界インフレ率を8.3%と、1996年以来の高水準を予測し、4月時点の7.4%予想から上方修正した。IMFは4月のWEOでウクライナでの戦争の悪化やロシア制裁のエスカレート、中国での予想より急激な景気減速、新型コロナウイルス感染の再燃、中銀に利上げを迫るインフレの波などのリスクに言及したが、最新報告ではこうしたリスクの顕在化を指摘。修正後の見通しへのリスクは「圧倒的に下振れ方向だ」とし、欧州向けロシア産ガス輸入の「突然の停止」やインフレの長期化、中国での不動産危機のエスカレートなどの可能性を懸念要因に挙げた。成長率見通しの下方修正は広範な地域に及んだが、米国の予測を最も大幅に修正。年前半の低調な伸びや家計の購買力低下、金融引き締めを理由に今年の米成長率予想を4月時点から1.4ポイント引き下げ2.3%とした。
 また、23年10-12月(第4四半期)の成長率を前年同期比0.6%と予想し、「リセッション回避が一段と困難になる」と予想した。中国の今年の成長率予想は1.1ポイント引き下げ3.3%とした。不動産不況の深刻化に加え、新型コロナ感染抑制策に伴う移動制限が経済活動を妨げ、サプライチェーンに世界的影響が及んでいると分析した。IMFはさらに、政策当局者の最優先事項は金融引き締めを通じたインフレ抑制だとし、それによる「実際の経済へのコストは避けられないが、先送りすれば増幅させるだけだ」と論じた。(ブルームバーグ)
米CB消費者信頼感、7月は95.7に低下 3カ月連続
[ワシントン 26日 ロイター]
コンファレンス・ボード(CB)が26日発表した7月の米消費者信頼感指数は95.7と、前月から2.7ポイント低下した。低下は3カ月連続。インフレと金利上昇への懸念が根強い中、第3・四半期初頭の経済成長鈍化を示唆した。現況指数は141.3と6月の147.2から低下。期待指数も65.8から65.3に低下した。
CBの経済指標担当シニアディレクター、リン・フランコ氏は「インフレに対する懸念、特にガソリンと食品の価格上昇は、引き続き消費者の重荷になっている」と指摘。「インフレと追加利上げが今後6カ月間にわたり個人消費と経済成長に強い逆風を与え続ける可能性が高い」と述べた。(ロイター)
米新築住宅販売、6月は8.1%減 価格・金利上昇で約2年ぶり低水準
[ワシントン 26日 ロイター]
米商務省が26日発表した6月の新築一戸建て住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比8.1%減の59万戸と、予想の66万戸を下回り、2020年4月以来の低水準となった。住宅価格とローン金利の上昇を受けた需要減退が改めて確認された。5月の販売戸数は64万2000戸と、69万6000戸から下方修正された。6月は販売が中西部で増加したものの、北東部、西部、南部で減少した。販売価格中央値は前年同月比7.4%上昇の40万2400ドル。月末時点の在庫は45万7000戸と、前月末の44万7000戸から増加。建設中が67.0%、未着工が24.1%だった。6月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は9.3カ月。前月は8.4カ月だった。(ロイター)
米住宅価格は伸び減速-ローン金利上昇で買い手が様子見姿勢
2022年7月27日 0:04 JST
米国の住宅価格は5月に伸びが減速した。住宅ローン金利の上昇を受け、購入を考えていた人が様子見姿勢に転じ始めたことが背景にある。S&P・コアロジック/ケース・シラーが26日発表した5月の全米ベースの住宅価格指数は、前年同月比19.7%上昇と、前月(20.6%上昇)から伸びが鈍化した。S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズのクレイグ・ラザラ氏は、価格の伸びは「非常に高い」水準から「若干」減速したと指摘した。ラザラ氏は「米利上げの加速により住宅ローンで資金を借り入れるコストが増えている」とした上で、マクロ経済環境は厳しさが増しており、異例ともいえる住宅価格の上昇もあまり長くは続かない可能性がある」と述べた。20都市の住宅価格は5月に前年比20.5%上昇。前月の21.2%上昇から伸びが鈍化した。5月の前年比での価格上昇率が4月を上回ったのは4都市のみ。2月の時点では20都市全てで伸び率が前月を上回っていた。(ブルームバーグ)
ロシア、国際宇宙ステーションの共同運用から離脱へ-24年で撤退
2022年7月27日 13:23 JST
ロシアが日米欧との国際宇宙ステーション(ISS)の共同運用から2024年で撤退する方針を決めたことが、26日明らかになった。
 ロシア国営宇宙開発企業ロスコスモスの社長に今月就任したユーリ・ボリソフ氏が、24年でISSを離脱することが決まったとプーチン大統領に話す会議の様子がテレビ放映された。ロシアのウクライナ侵攻に対し、米国と欧州連合(EU)、日本が制裁を発動する状況を受け、ロシア政府はISS離脱の可能性を警告していた。米航空宇宙局(NASA)のネルソン長官は電子メールで配布した25日の発表資料で、「パートナー国の決定について何も承知していない。NASAは30年までのISSの安全な運用にコミットしている」と説明した。(ブルームバーグ)
[FT]「強いドル」で米企業の業績悪化、海外事業に悪影響
2022年7月27日 13:30 [有料会員限定]
米国企業の4〜6月期の売上高がドル高によって数十億ドル(数千億円)規模で吹き飛び、多くの企業が2022年12月期通期の業績予想を下方修正せざるを得なくなっている。ドル相場が1ユーロ=1ドルを突破する以前から、多くの米企業がドル高について警鐘を鳴らしていた=ロイター
ドルが20年ぶりの高水準まで急騰した今月、IBMや動画配信大手ネットフリックス、医薬品・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、たばこ大手フィリップ・モリス・インターナショナルなどは2022年12月期通期の売上高が数億〜数十億ドル減少する見通しを発表した。米国外での売り上げがかなりの割合を占める米IT(情報技術)大手のアップルやマイクロソフトなども近く発表する四半期決算で同様の見通しを示すとみられる。
経済活動後退の兆しか
高インフレと金融引き締めが企業活動や消費者需要の下押し要因となるなかで、今決算シーズンは世界経済の退潮を示す兆候がみられるのではないかと注目されていたが、それにドル高の衝撃が加わった。経済統計にはインフレで消費者の実質購買力が低下しているといった経済活動の後退の兆しがすでに表れている。英金融大手HSBCのストラテジスト、マックス・ケトナー氏は「仮にドルの上昇が今すぐに止まったとしても、ドル高傾向が過去12カ月間続いたというだけで業績予想を下方修正するには十分だろう」と指摘した。
ドル高を支えてきた米連邦準備理事会(FRB)は、6月に40年ぶりの高水準に達したインフレを抑えようと急速な利上げを進めている。FRBは今週中に追加の大幅利上げを決定し、需要の抑制を目的とした金融引き締め策を継続するとみられる。政策金利は欧州や日本よりはるかに高い水準になる見込みだ。通常、金利上昇は海外投資家を呼び込み、通貨の需要を押し上げる。
だが、海外で大規模な事業を展開する米企業の売上高はドル高によって目減りし、現地企業との競争力を損なう。欧州の景気後退や新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ中国のロックダウン(都市封鎖)による需要の落ち込みも、海外事業の割合が大きい米企業にとっては悩みの種だ。
IBMは先週、ドル高によって4〜6月期の売上高が約9億ドル目減りし、22年12月期通期では35億ドル(約4800億円)減少する可能性があると明らかにした。洗口剤「リステリン」のメーカーであるJ&Jは、急速に進行するドル高の影響で22年通期の売上高予測を40億ドル引き下げた。同様にたばこ大手のフィリップ・モリスは4〜6月期に5億ドル減収、人気ドラマ「ストレンジャー・シングス」などを配信するネットフリックスは4〜6月期に3億3900万ドル減収したとみられると公表した。
マイクロソフトや顧客情報管理のセールスフォース、アイルランド医療機器大手メドトロニックなど多くの企業は、ドル相場が1ユーロ=1ドルとなる「パリティ(等価)」を突破する以前からこの問題について警鐘を鳴らしていた。
「前代未聞の事態」
IBMのジェームズ・カバノー最高財務責任者(CFO)は「ドル高がここ10年来で最も急速に進んでいる」と決算発表で語った。「今年に入り為替ヘッジしている外貨の半数以上が対ドルで10%以上低下した。前代未聞の事態だ」
カバノー氏によれば、IBMは事業展開する100以上の国の通貨のうち約35をヘッジした。米資産運用大手TCWのシニアポートフォリオマネジャー、ダイアン・ジャフィー氏は、一部の投資家がドル高による大幅減益とともにこのヘッジ対応を嫌気したと指摘する。IBMの業績はウォール街のを上回ったものの、株価は決算発表後に5%下落した。
海外事業の割合が大きいハイテク大手はドル高の影響を大きく受けている。米金融大手ゴールドマン・サックスの推計では、S&P500種株価指数を構成するハイテク銘柄は売上高の59%を米国外で稼いでいる。これは米国の大手上場企業の平均を大幅に上回る比率だ。S&P500の構成銘柄全体でみると、21年の総売上高14兆ドルのうち米国外での売上高が占める割合は29%だった。
「一部の企業はドル高により苦しめられている」とTCWのジェフィー氏は述べた。「ハイテク株のバリュエーション(投資尺度)はかなり下がったとはいえ、為替相場の影響が他の業界に比べて大きい点を考慮すればまだまだ慎重にならざるを得ない」
株価の推移をみると、投資家が主に米国内で事業展開する企業を好んでいる様子がうかがえる。ゴールドマン・サックスが算出する海外売上比率の高いS&P500構成米国企業の株価指数は年初来で19.6%下落し、国内中心の米企業が9.1%下げたのと比べて2倍以上落ち込んだ。
今のところ4〜6月期の利益は堅調で、全体では前年同期比10%増となる見込みだ。ただし、欧州金融大手クレディ・スイスの米国株ストラテジー部門トップ、ジョナサン・ゴラブ氏の推計では、ドル高の効果がなければ12%近く増加していた可能性があるという。同氏によれば、ドル指数が8〜10%上昇するごとにS&P500構成銘柄の利益が約1%減少する。
「利益は好調だが、ドルがこれほど強くなければもっと伸びていたはずだ」とゴラブ氏は分析した。
今後の数四半期の利益に影響も
利益に対するドルの影響は実際の相場の動きより遅れて生じがちなため、ドル高の勢いが鈍化したとしても今後の数四半期はその影響が及ぶ可能性がある。決済サービスのコーペイのチーフマーケットストラテジスト、カール・シャモッタ氏はドル高がそろそろ頭打ちになるとみている。米経済が冷え込めばFRBは急速な利上げのペースを抑えざるを得なくなると多くの投資家がみているためだ。「特にユーロや円に対するドルの大幅な上昇が米企業の利益に及ぼす影響は今後の数四半期にわたって続くだろう」とシャモッタ氏は予測した。
(2022年7月25日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 )
米中古住宅仮契約指数、6月は8.6%低下
[ワシントン 27日 ロイター]
全米リアルター協会(NAR)が27日に発表した6月の中古住宅販売仮契約指数は前月比8.6%低下の91.0となった。1.5%低下を見込んだ市場の予想以上に落ち込んだ。住宅ローン金利と住宅価格の上昇で、初めての住宅購入者が手ごろな価格で住宅を手に入れにくい状態が続いている。
地域別では、4地域の全てで減少した。前年同月比では20.0%低下した。
米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)のデータによると、30年固定住宅ローン金利は平均で5.54%。インフレ高進や、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めで、この金利は今年1月から200ベーシスポイント(bp
)超、上がっている。
住宅市場は金利の影響を最も受けやすいセクターの一つだ。先週発表された統計では、6月の中古住宅販売戸数は5カ月連続で減少し、住宅着工と建設許可の件数もさらに減少した。
しかし、需要の軟化で住宅需給が調整され、価格の伸びが鈍化する可能性がある。26日に発表された5月の住宅価格指数は前年比で2桁の上昇率を維持した。(ロイター)
米の財貿易赤字、6月は5.6%減の982億ドル 輸出が急増
[ワシントン 27日 ロイター]
米商務省が27日公表した6月の財(モノ)の貿易収支は赤字額が前月比5.6%減の982億ドルとなった。輸出の急増を背景に大幅に縮小した。2022年第2・四半期に経済が再び縮小するとの懸念が和らぐ可能性がある。財の輸出は44億ドル増の1815億ドル。食料と工業製品の輸出が大きく伸びた一方、資本財、消費財、自動車・部品の輸出が減少した。財の輸入は15億ドル減の2797億ドル。自動車と食料の輸入が減少した一方で、消費財と資本財の輸入が大幅に増加した。貿易赤字の縮小による国内総生産(GDP)への寄与が在庫の押し下げの影響を相殺すると予想される。第2・四半期に個人消費が減速したため、第1・四半期と同じ力強いペースでは企業が在庫を積み増さなかったとみられている。
JPモルガン(ニューヨーク)のエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は「第2・四半期は、貿易赤字の縮小でGDPの伸びが従来予想以上に支援されたと考えている」とし、「在庫による押し下げ効果も従来の予想より小さくなるとみている」と述べた。
ロイターのエコノミスト調査によると、28日に政府が発表する第2・四半期のGDP速報値は年率換算で前期比0.5%増のわずかな回復にとどまると予想されている。第1・四半期は1.6%のマイナス成長だった。経済がほとんど成長していないということは、景気後退が迫っているという懸念を高める。特に金利の影響を受けやすい住宅産業と製造業がここ数カ月で大きく冷え込んでいる。同じく27日に商務省が発表した6月の卸売在庫は1.9%増。小売在庫は2.0%増だった。(ロイター)
米耐久財受注、6月は予想外の増加-防衛航空機が80%超の急増
2022年7月27日 21:39 JST 更新日時 2022年7月27日 22:57 JST
コア資本財の受注は0.5%増、エコノミスト予想の0.2%増を上回る
数値はインフレ未調整、増加は価格上昇を反映した可能性も
6月の米耐久財受注は予想外に増加した。防衛航空機の受注急増に押し上げられた。金利上昇にもかかわらず財の需要が持続していることを示唆した。
FRB0.75%利上げ、経済指標弱含み指摘 断続的な利上げ適切と
[ワシントン 27日 ロイター]
米連邦準備理事会(FRB)は26-27日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を75ベーシスポイント(bp)引き上げ、2.25-2.50%とした。経済減速の兆候が見られるものの、40年ぶりの物価高に対応するため、「断続的な利上げ」は適切という認識を示した。FRBは声明で「インフレは高止まりし、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)に関連する需給不均衡、食品やエネルギー価格の上昇、より広範な物価上昇圧力」を反映し、全会一致での決定とした。さらに、インフレリスクを引き続き注視すると言明した。(ロイター)
パウエルFRB議長、労働市場は多少軟化も 4~6月GDP統計注視
2022年7月28日 6:05 JST
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は27日、労働市場が多少軟化するとの見通しを示すとともに、インフレ率を当局目標の2%に戻す責務を果たすことが「必要だ」と述べた。新規失業保険申請件数の最近の上昇を政策当局者が懸念していないことを示唆した。パウエル議長は記者会見で、雇用創出はやや緩やかだったが、新規失業保険申請件数の増加は単に季節的なものかもしれないと指摘。以前ほど採用が難しくなくなったという企業の声も聞かれており、「調整の始まりに過ぎない」との認識を示した。
議長はまた、米国が現在リセッション(景気後退)入りしているとは考えていないと述べ、国内総生産(GDP)速報値はどちらかと言えばうのみにしないと発言。ただ、4-66月(第2四半期)については減速の兆候があり、注視していくと付け加えた。投資家の間では、このコメントの後半部分とデータ悪化の場合に金融当局が利上げペースを緩めるかもしれない点に一段と注目が集まった様子だ。(ブルームバーグ)
米GDP、第2四半期は0.9%減 2四半期連続で縮小
[ワシントン 28日 ロイター]
米商務省が28日発表した第2・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比0.9%減と、2四半期連続で縮小した。米連邦準備理事会(FRB
)が40年ぶりの物価高に対応するため積極的な利上げを進める中、米経済がすでに景気後退入りした恐れがあるとの懸念をあおる可能性がある。市場予想は0.5%増だったが、2.1%減から2%増まで幅があった。第1・四半期のGDPは1.6%減だった。2四半期連続のマイナス成長は景気後退(リセッション)と見なされる。第2・四半期のマイナス成長は、自動車不足が続いていることで、企業の在庫積み増しペースが緩やかになったことが主な要因だった。米経済活動の3分の2以上を占める個人消費は1.0%増と、前四半期の1.8%増から鈍化し、2020年第2・四半期以来の低い伸びとなった。
米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目するコア個人消費支出(PCE)価格指数は前期比年率4.4%上昇。予想は4.5%上昇だった。FRBは26-27日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で75ベーシスポイント(bp)の利上げを決定。75bpの大幅利上げは2回連続だった。ただ、2期連続のマイナス成長を受け、FRBは積極的な利上げを縮小せざるを得なくなるとの見方も出ている。BMOキャピタル・マーケッツ(トロント)のシニアエコノミスト、サル・グアティエリ氏は「米国が景気後退に陥る公算が極めて大きい」とし、「FRBは9月に再び大幅な利上げを実施することは控える可能性がある」と述べた。
バイデン大統領はGDP統計を受けて発表した声明で、FRBがインフレ抑制への対応を進める中での景気減速は驚くべきことではないと指摘。雇用市場は歴史的に見ても堅調で、個人消費も伸び続けているとし、「われわれは正しい道を進んでいる。この移行期をより強く、より安全に乗り越えていく」との考えを示した。(ロイター)
米国債利回りが大幅低下、米GDP速報値が予想外の景気縮小示す
2022年7月28日 23:02 JST
28日午前の米国債市場では短期債を中心に利回りが大きく低下した。4-6月(第2四半期)の米実質国内総生産(GDP)速報値が弱い数値となったことで、金融引き締め観測が弱まった。2年債から5年債にかけて、利回りの低下幅は一時15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を上回った。10年債利回りは一時13bp下げて2.65%と、4月中旬以来の低水準となった。スワップ市場の動向によると、フェデラルファンド(FF)金利は年末までに3.22%前後でピークを付けるとみられている。(ブルームバーグ)
米中首脳が電話会談、台湾巡り応酬 習氏「火遊び」とけん制
[ワシントン 28日 ロイター]
バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は28日、電話会談を行った。習氏は台湾情勢を巡り「火遊び」という言葉で警告し、ペロシ米下院議長が予定する台湾訪問に強い懸念を示した。
中国外務省によると、習氏は「火遊びをすればやけどするだけだ」とけん制。「米国側がこの点を明確に理解することを願う」と述べた。また「一つの中国」の原則を堅持するよう米政府に求め、中国は台湾の独立と外部の干渉に断固反対すると強調した
ホワイトハウスによると、バイデン氏は台湾に関する米国の政策に変更はなく、現状の変更もしくは台湾海峡の平和と安定を損なうような一方的な動きに強く反対すると伝えた。
両首脳による協議は今回が5回目。会談は約2時間20分行われた。台湾外交部(外務省)は米中首脳の会談後に声明を出し、バイデン氏の台湾への支持に謝意を表明するとともに、安全保障に関する米とのパートナー関係をさらに深化させる考えを示した。米政府高官によると、バイデン、習両氏は初の対面会談の可能性についても議論し、関係者に検討を指示した。高官は記者団に対し、習氏は台湾を巡り以前にも同様の言葉を使ったことがあるとし、双方は40年来の異なる立場を認めたと指摘。「台湾に関する両氏の会話は直接かつ率直だった」と述べた。
バイデン氏は台湾を巡り対話の維持が重要だと強調したほか、気候変動や健康安全保障など協力拡大が可能な分野についても意見を交わしたという。
中国側によると、習氏は台湾問題に加え、米中がマクロ経済政策やサプライチェーン(供給網)、世界の食料・エネルギー安全保障について対話を続ける重要性も強調。戦略物資の中国依存を解消しようとする米国の取り組みに言及し、「デカップリング(分断)や供給網を切り離そうとする取り組みは米経済の利益にならず、世界経済をより脆弱にするだけだ」と述べた。
バイデン政権はインフレ対策として対中関税を一部撤回すべきか検討してきたが、米高官によると、今回の会談で関税引き下げは話題に上らなかった。
一方、ホワイトハウスのジャンピエール報道官は、バイデン氏が中国における大量虐殺や強制労働の問題を取り上げたことを明らかにした。
在ワシントンの台湾代表機関は、バイデン氏が「台湾海峡の平和と安定という共通の利益の重要性を強調したことに感謝している」と述べた。(ロイター)
焦点:米中首脳会談、台湾巡りエスカレート回避 懸案は両者とも国内経済
[ワシントン 28日 ロイター]
バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は28日の電話会談で、台湾を巡るエスカレートした発言をおおむね避けて通った。米中経済がそれぞれ気がかりな状態にある今、両首脳ともに台湾海峡の緊張激化を望んでいない様子が見て取れる。
 バイデン米大統領と中国の習主席は28日の電話会談で、台湾を巡るエスカレートした発言をおおむね避けて通った。習氏は、米側が台湾を巡って「火遊び」をしないよう警告した。これは鮮烈な言葉遣いではあるが、昨年11月のビデオ会談における発言をほぼなぞっている。米ジャーマン・マーシャル財団の中国専門家、ボニー・グレーザー氏は「台湾に関する対話の部分は、前回の会談と酷似していた。習氏の警告はエスカレートしていない」と話す。
記者団に対する米高官の説明によると、2時間余りに及ぶ両首脳の会談は台湾問題のほか、ロシアのウクライナ侵攻、気候変動など米中協力が可能な分野の3部分で構成された。取り沙汰されているペロシ米下院議長の台湾訪問が話題に出たかどうかについて、米高官は明らかにしなかった。その代わり、バイデン氏は米国が「1つの中国」原則を維持していると伝えたと強調した
新アメリカ安全保障センターのインド太平洋安保フェロー、ジェーコブ・ストークス氏は「私見では、両首脳が直接対話したことは、対話しなかった場合に比べて緊張をやや和げる効果があっただろう」とした上で、「両国関係の緊張の構造的原因は変わっていない。ペロシ氏が台湾を訪問する可能性も消えていない」と指摘した。
中国はペロシ氏が台湾を訪問した場合の影響について、これまでより強い警告を発した。民主党のペロシ氏は長年、特に人権問題を巡って中国を批判し続けている。
一部報道では、ペロシ氏は8月にも台湾を訪問する可能性がある。実現すれば米国による台湾への支持を示す劇的な出来事となりそうだ。現職下院議長による訪台は、1997年のギングリッチ氏(共和党)が最後。
一部の専門家は、米中関係が緊張している時に訪台すれば大きな危機を誘発し、不慮の衝突さえ起こりかねないと懸念する。しかしヘリテージ財団の中国専門家、ディーン・チェン氏は「悪夢のような妄想が広がっている。彼らがペロシ議長の乗った飛行機を打ち落とすとか、議長の訪問中に台湾に侵攻するとか。トム・クランシーの小説でもあるまいし勘弁してほしい」と述べ、台湾を巡る一触即発説を退けた。チェン氏によれば、もっと現実味の強い中国の対応は、台湾海峡の中間線上を飛行する軍機の増加、もしくは台湾周辺の航行といった軍事的示威行為だ。ギングリッチ氏が訪台した1997年に比べ、中国は軍事的にも経済的にもはるかに強大になっている。ホワイトハウスによると、政府はペロシ氏の事務所と連絡を取り、「あらゆる前後関係」を踏まえて訪台の是非を判断するよう呼びかけている。
民主主義防衛財団(ワシントン)の中国プログラム担当シニアフェロー、クレイグ・シングルトン氏はメディア向けのノートで、米中はともに経済面で逆風に見舞われているため、バイデン、習両氏に対しては国内から米中関係の安定化を求める声が高まると予想した。「今のところオンラインでも国内メディアでも、中国が現時点でさらに深刻な軍事行動を検討していることをうかがわせる公式声明はほとんど見当たらない。もっとも、この状況が変化する可能性はあるが」とシングルトン氏は記している。(ロイター)
コラム:マクロデータで分からない米国の「消費格差」
[ワシントン 28日 ロイター Breakingviews]
米国は不鮮明な形ながらも景気後退(リセッション)に突入したのかもしれない。7月28日、 米国は不鮮明な形ながらも景気後退(リセッション)に突入したのかもしれない。第2・四半期国内総生産(GDP)速報値は前期比年率0.9%減となり、景気が減速していることを物語っている。一方別のデータは底堅さを示しており、恐らく長期的で幅広い経済の落ち込みだと正式に認定される事態はぎりぎり避けられるだろう。しかし経済をミクロレベルまで掘り下げてみれば、富裕層による「大盤振る舞い」の裏に、低所得層が直面する非常に厳しい状況が隠れていることが分かる。
米経済全体が2期連続のマイナス成長を記録した中で、消費関連ではマイナスとプラスの双方の要素が見て取れる。企業が抱える最終製品と原材料の在庫は前年比で縮小し、成長率を2イント押し下げた。半面、旅行などのサービス支出は4.1%増加。富裕層の寄与を通じてこうした支出活動は新型コロナウイルスのパンデミック発生前の水準に近づいてきた。
もっとも米経済における富裕層の役割が突出して大きいことで、全体像が歪められている。国勢調査局の区分で年間所得20万ドル以上とされる上位10%の所得階層は、実に個人消費に占める比率が約50%に上る。この比率は、年間所得3万ドル未満の下位20%の所得階層では10%に届かず、しかもほとんどの支出は住宅や食料といった必需品に向けられる。
このため、個別企業の声を聞く方がより微妙な現実の姿を映し出してくれる。例えば今週、小売り大手ウォルマートは顧客が生活必需品以外の支出を減らしていると警鐘を鳴らした。通信大手AT&Tは一部顧客の間で料金支払いに遅れが生じていると明かした。ところが同業ベライゾン・コミュニケーションズによると、信用スコアが比較的高い顧客に関しては、パンデミック直前よりも今の方が料金はきちんと支払われているという。
富裕層を主な対象とする企業はインフレ圧力が生み出す逆風ともほぼ無縁だ。メルセデス・ベンツは27日、好調な受注を理由に販売台数と売上高の年間見通しを引き上げた。「ルイ・ヴィトン」や「ティファニー」といったブランドを展開する仏LVMHは、上半期に全部門の売上高が増加し、米国も24%の増収になったと発表した。
GDPを構成するマクロデータは、こうした所得階層間の状況の違いを勘案しない。ルイ・ヴィトンの小さな財布の価格3300ドルは、農務省の統計に基づくと「ほどほどの」消費習慣を持つ成人1人による10カ月分の食費にほぼ等しい。米経済の構造では、所得階層の底辺が最も脆弱に見えるのが今の状況だ。(ロイター)
独GDP、第2四半期は前期比0.0% 予想下回る
[ベルリン 29日 ロイター]
ドイツ連邦統計庁が29日発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)伸び率速報値は調整後で前期比0.0%だった。新型コロナウイルスの流行、サプライチェーンの問題、ウクライナ戦争が響いた。ロイターがまとめた市場予想は0.1%増だった。(ロイター)
米雇用コスト、第2四半期は1.3%上昇 強い伸び維持
[ワシントン 29日 ロイター]
米労働省が29日発表した第2・四半期の雇用コスト指数(ECI)は前期比1.3%上昇した。第1・四半期(1.4%上昇)からわずかに減速したものの、ロイターがまとめたエコノミストの予想(1.2%上昇)を上回り、雇用情勢の強さが引き続き賃金を押し上げていることを示した。前年比では5.1%上昇。第1・四半期(4.5%上昇)を上回り、現行の統計が開始された2001年以降で最大の伸びとなった。ただインフレ調整後では前年比3.6%低下した。
賃金・給与は前期比1.4%上昇と、第1・四半期の1.2%上昇から加速。前年比では5.3%上昇と、現行の統計開始以降で最大の伸びとなった。民間部門の賃金・給与は1.6%上昇と、前期の1.3%から加速。全ての産業で賃金が上昇したが、中でも賃金水準が低い傾向にあるレジャー・接客、小売り業で大きく上昇した。民間部門の賃金・給与は前年比5.7%上昇。現行の統計開始以降で最大の伸びとなった。
オックスフォード・エコノミクス(ニューヨーク)の主席エコノミスト、ナンシー・バンデン・ホーテン氏は「第2・四半期の雇用コスト指数は、賃金上昇が減速していることを示す証拠にはならず、連邦準備理事会(FRB)は9月の会合で再度0.75%ポイントの利上げを決定する公算が大きい」との見方を示した。(ロイター)
ガスプロム、コンデンセート工場を8月1─10日に停止 保守点検で
[モスクワ 29日 ロイター]
ロシア国営ガスプロム子会社のガスプロム・ペレラボトカは29日、スルグトのコンデンセート工場を保守点検のため8月1-10日に停止すると発表した。停止期間中は顧客の要望に沿って備蓄から燃料を供給するという。
同工場では2021年に379万8000トンのガスコンデンセートを処理したほか、ガソリンで117万8000トン、ディーゼルで79万7000トンを生産した。(ロイター)
米消費者1年先期待インフレ率、7月は5.2%に鈍化=ミシガン大調査
[ワシントン 29日 ロイター]
米ミシガン大学が29日発表した7月の消費者信頼感指数調査で、消費者の1年先の期待インフレ率(確定値)は5.2%に鈍化し、2月以来の低水準となった。7月速報値と同じだった。6月の確定値は5.3%だった。7月の5年先の期待インフレ率は2.9%と、6月の3.1%から縮小した。7月の速報値は2.8%だった。 
米連邦準備理事会(FRB)は政策金利を引き上げることで需要を減らし、インフレ率を前年比2%の目標へ引き下げることを狙っている。今回の結果は、物価が長期的にさらに上昇するとの消費者の見方が定着していないことを示すものとしてFRBから前向きに受け止められそうだ。
29日に発表された6月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月より6.8%上昇し、40年5カ月ぶりの大きさとなった。エコノミストやFRB当局者は、一部の主要消費財の価格(特にガソリン価格)が6月に過去最高を記録した後に大幅に下落しているため、7月のインフレ指数が緩和されることに期待を寄せている。米国自動車協会(AAA)によると、ミシガン大の調査にも大きな影響を及ぼしているガソリン価格は6月半ば以降に15%超も下落している。(ロイター)
米個人消費支出、6月は1.1%増と予想を上回る インフレ加速
[ワシントン 29日 ロイター]
米商務省が29日発表した6月の個人消費支出(PCE)は前月より1.1%増加した。市場予想の0.9%増を上回った。商品(モノ)とサービスの両方の支出が増えた。PCE価格指数は1.0%上昇し、2005年9月以来の大きさとなった。
個人消費は米経済活動の3分の2超を占める。6月の消費者支出は、ガソリンやその他のエネルギー製品の価格上昇のほか、医療費や自動車への支出増で押し上げられた。5月は前回発表の0.2%増から0.3%増へ上方改定された。5月のPCE価格指数は前月より0.6%上昇。6月の前年同月比は6.8%上昇し、伸び率は1982年1月以来の大きさとなった。5月は6.3%上昇していた。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は前月比0.6%上昇。5月は0.3%上がっていた。6月の前年同月比は4.8%上昇。5月は4.7%上がっていた。連邦準備理事会(FRB)はインフレ率を目標の2%に引き下げるにあたり、同指数に注目している。
インフレ調整後の個人消費支出は0.1%増。5月の0.3%減から反転したものの、第3・四半期に入るにあたり、個人消費支出の伸びが低調だったことが示された。個人所得は0.5%増。前月は0.6%増加していた。貯蓄率は5.1%と、前月の5.5%から低下した。
ムーディーズ・アナリティクスのエコノミスト、ダンテ・デアントニオ氏は「FRBは景気後退を引き起こさずにインフレを抑制することに、引き続き難しい舵取りを迫られる」とし、「景気全体が弱くなっているものの上昇圧力は明らかに残っているため、賃金と価格上昇に関するデータはFRBにとって有利にはならない」と述べた。
今回のデータは28日に発表された22年第2・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値に含まれていた。第2・四半期のGDPは年率換算で前期比0.9%減少した。第1・四半期には1.6%減だった。物価上昇によってモノ、特に食料品の購入が減少する中、インフレ調整後の個人消費の伸び率はここ2年間で最も小さかったことが示された。(ロイター)
米の半導体法案、世界の半導体供給網歪める=中国商務省
[香港 29日 ロイター]
中国商務省は29日、米議会が可決した半導体関連法案は世界の半導体サプライチェーンを歪め、国際貿易を混乱させると述べた。
米下院は28日、中国に対する競争力向上を目指す国内半導体産業支援法案を賛成多数で可決した。上院はすでに可決しておりバイデン大統領の署名をもって成立する。中国商務省は、同法の進展と施行を見守り、必要に応じて正当な権利を保護するための措置を講じると述べた。(ロイター)


≪統括≫
世界経済は、各国中央銀行の金融緩和・政府の補助金等の政策で企業倒産を食い止めており、完全失業者をそれほど出さず、自殺者の急増を防いできた。その中で、コロナによる犠牲者(死亡者)を乗り越え、製造業中心に経済活動が回復してきた。
アメリカの対中国戦略により中国・アジア地区中心のサプライチェーンに亀裂が生じ、物流の根本が揺らいでいる。コロナ対策が起因で生じたインフレ対策処理が終わらない状況で、2月ロシアによるウクライナ侵攻が始まった。その対応策としてロシアへの金融を含めた経済制裁がはじまった。『民主主義・人権擁護』を大義名分として、EC・NATOを巻き込む形でウクライナへの武器供与を進め戦争の長期化が現実のものとなった。同盟国ではないとして、米国の直接関与は避けている。
米国に集中するコンテナの問題はやや終息しつつあるが、燃料費高騰で海運賃は高止まりのまま。当初、金融制裁を基軸に、エネルギー資源(石炭・石油・天然ガス)・食料資源・鉄鋼資源に限定した貿易制裁を起草、ロシア経済の疲弊による政権維持が困難になるとの構想・戦略で進めてきた。しかし、ロシアが世界に供給する資源がエネルギー資源・食料・半導体生産資源・肥料・希少金属等多義に渡っていることが後になって理解された。中国を含め世界の物資のサプライチェーンの枠組みは先進国の欧米中心に組み立てられてきたものであった。制裁開始以降エネルギー以外に各種商品価格の高騰を呼びインフレが世界に広がってしまった。さらに食糧危機問題が発生し、最貧国の政治状況に変化がみられる。また経済救済の枠組みも再考を余儀なくされているが進展はない。コロナ対策インフレ対策で財政的な余力は限られている。他国の面倒を見る余裕はなくなっている。
各国の金利引き上げ競争が始まり、国内の経済維持に警鐘がなり始めており、世界経済のスタグフレーションの状況となりつつある。
世界世論はロシアへの非難に終始している。ロシア・ウクライナとの休戦・停戦交渉は暗礁に乗り上げている。ウクライナのゼレンスキー大統領は、民主主義の基礎となる自国民の安全・安心を確保するという本筋(米国南北戦争後のリンカーン)を忘れて、為政者としてはやってはいけない、自国民の犠牲者が増えていることを無視する形で、西側諸国のマスコミへのお涙頂戴なのか情報提供としてSNS等の手段を駆使、さらに休戦に向けた努力もなく、欧米各国政府への武器供与を呼び掛けているのが現状である。
さらに、戦争拡大を煽るように、4月12日以降、バイデン米政権はウクライナへの約7億5000万ドル(約940億円)相当の軍事支援パッケージを準備し、武器や装備品を供与している。ウクライナへの支援をさらに強化する姿勢を示した。最新兵器であっても、人殺しの道具を供与していることに変わりはない。
さらに、NATOとの結束を進め、G7を巻き込むことで世界のリーダーシップを強調している。しかし、戦後処理に係る費用(100兆円?)はどこから調達するかは不明である。ウクライナにその能力はない。
戦争当事者のウクライナ指導者の先導的なパフォーマンスに迎合し、他人事のように、本当の犠牲者であるウクライナ国民の安全・安心の議論はない。一般国民は、健康で安心・安全で生活できれば良く、映画・音楽・演劇・文化に触れあう環境を望んでいる。戦争(殺し合い)は望んでいない。報道のようなアイデンティティの問題ではない。食料・仕事・教育を含め衣食住の環境を整えるのが『為政者』の基本的な仕事なのだが・・・。専門評論家の言う政治体制は関係ない。儒教(陽明学)に基づく『帝王学』を含め『中庸』の精神で国民目線からの積み上げのバランスある『政治学』が必要である。
各国でインフレが高進しているが、各種の商品値上げで困窮(迷惑)するのはそれぞれの自国民であることを忘れている。政治の基本は国民であって、世界秩序ではない。同じことがコロナ対応でもいえる。
ウクライナの戦後復興費用および負担がどうなるか、G7等の先進国の負担となるようであるが、その原資が税金であることに変わりはない。中国・ロシアを排除したサプライチェーンの再構築に5年で官民合わせて6000億ドルと報じられている。しかし、発展途上国を巻き込むことができるか今後注意が必要である。
エネルギー供給についても備蓄原油放出で何とか凌ぐつもりでも、第二次オイルショック以降の備蓄戦略であったことが忘れられている。その補充するにはOPEC等の石油産出国の協力が必要であるが、補充コストは1バレル100ドルを超えることが予想(一説では130ドル)されており、今後に対する筋書きもない。しかし、ロシア崩壊を狙って、ロシアの豊富な資源の獲得を米国・西欧諸国が画策しているのであれば別である。オイルショック以降、イスラエルを使って中東戦争を起こしたように・・・。
いずれにせよ、インフレの長期化からは逃れられない。これまで、コストについては価格転嫁することでごまかしができたが、各国国民の所得が順調に増えるとは考えられない。
さらに利上げをきっかけに、スリランカのような発展途上国の借り入れ問題から食糧危機・メキシコ危機・アジア危機の再来が予想される。IMFの対応は数か月先のようだ。事実、国際通貨基金(IMF)アジア太平洋局長代理のアンマリー・グルデウルフ氏は26日、債務危機に陥っているスリランカについて、金融引き締め、増税、変動為替相場制への移行といった方策を取るよう促した。さらに、スリランカの支援要請に対して「債務の持続可能性に向けた進展が融資の条件になる」と述べた。他人事のように形式的な対応で終わっている。一方、インドの協力が表明されている。
小麦・パラジューム・アルミ・ニッケル・天然ガス等世界の供給に占める割合の多い資源・食料価格が上昇。コロナによるサプライチェーンの麻痺が解消されない状況でインフレの種を増やす結果となっている。今回の欧米の対応は経済運営上、自分で首を絞める状況となっており、金融政策の足かせとなってきた。ここにきて、ロシア・ウクライナの石油・天然ガス・石炭・小麦・トウモロコシ・飼料・肥料さらに半導体関連の主要原料の供給に関して警鐘がなり始め、欧米諸国のインフレ(物価上昇)の追加要因となった。市場は、サプライチェーンが国家体制(政治要素)とは別に、複雑に絡み合っている現実を認識し始めた。物価が上昇し、国民生活に影響が出ており、コロナも沈静化しているわけではない。
一方で、欧州では懸念の声が上がり始めたが、米国は大丈夫との安心感が前提となって今の相場が形成されている。
米国の人口は3億人、英国・フランス・ドイツ等の西欧諸国の人口はそれぞれ4~5千万人、そのほとんどが移民で構成されている。過去、植民地時代その後の資本主義で潤ってきた国なのだろうか。ロシアでさえ1億数千万人。これに対して人口規模で異なっており、さらに植民地政策で苦汁をなめたインド(英国の植民地)・中国(アヘン戦争・日中戦争)のように10億人台を超える国民の生命・食料・生活を維持するする政治に対する姿勢(国家体制)・主義主張の違いがあってもおかしくはない。第1次・第2次大戦後独立した中東諸国・南米・アフリカ諸国にとっても同じである。既存のグローバルスタンダードの意義が問われている。インフレの一つの原因であるロシア産資源(原油・天然ガス)に対する制裁が完全に尻抜けとなった。ルーブル決済は企業の問題として制裁対象から外すとの判断が、5月16日EUの行政執行機関、欧州委員会から発表された。
さらに、5月17日米財務省当局者がロシア産原油の全面的な輸入禁止措置に代わる措置として、欧州各国に対し関税を課すよう提案すると表明。原油供給量の逼迫を低減する方向に舵を切った。しかし、制裁対象のロシア産原油は、インド・中国が引き受けており総量の調整は不可能となっている。
資金力・技術力に劣る資源を持つ国(ロシア)の主張が始まったと思われ、オイルショック(石油危機)時と同じ背景がそこにある。ただし、相手がロシアという軍事力のある国であることは厄介である。インフレの解決策である中央銀行による利上げが本当に特効薬となるか試されている。世界各国の実体経済の悪影響が出始めており、統計数値を待っている市場参加者が気づいた時、すでに遅いというデフレ・スタグフレーションの可能性は否定できない。欧米でインフレが進み実体経済への影響が統計数値に表れ始めた。企業による価格転嫁による収益確保に対して原材料費・人件費高騰が減益要因となり、最終需要者である消費者にとって不利になり貧富格差の拡大がさらに進む結果となりつつある。さらに、利上げによる副作用である企業倒産・失業対策が必要となる、スタグフレーションの状況となりつつある。ある意味でシンギュラーポイントがどこなのかが試されている。
さらに、ウクライナの戦後処理・再生費用が100兆円規模になりウクライナ大統領は支援を呼び掛けているが、欧米諸国・IMFを含めその余力はない。ロシアにその費用を持たせるには、ロシア本土に攻撃を仕掛けプーチン大統領を敗北に導く以外に方法はない。
一方、ドル基軸通貨の脆弱性・米国軍事力の圧倒的な優位性が失われていること・世界政治経済の指導力に対する警鐘等が露見する結果となりそうである。ニクソンショックが何であったかが問われている。
ウクライナ国民の犠牲者が急増するも徹底抗戦としてロシアへの攻撃を中断することもなく、停戦交渉のテーブルに載っていない。まるで第二次世界大戦時の(沖縄戦・東京大空襲)にも拘わらず、本土防衛・決戦とした日本軍の連合国軍への対応と同じ現象となっている。終戦のための方法について、生物兵器・化学兵器・核爆弾の使用が報道されている。最終的に核爆弾を実施したのは米国であった歴史を忘れてはならない。唯一の被爆国であり、日本の航空域制限等戦後の体制は継続している。第二次大戦後に生まれた、バイデン大統領・ウクライナのゼレンスキー大統領。プーチン大統領等『戦争を知らない子供たち』(北山修作詞)の世代のリーダーが世界を動かしている。
マスク着用問題等において『人間の自由の権利』主張が標榜され、コロナによる感染は個人の自己責任として片づけられてきた。自分を守り隣人(他人)に移さないようにする最善の方法がマスク着用であった。第一次大戦時『スペイン風邪流行』対応はワクチン・治療薬がなかったこともあり、戦争による死亡者よりスペイン風邪による戦意喪失とその犠牲者の方が多く戦争継続が困難となりドイツ軍敗退による戦争終決となった。
各国政府は自由主義・個人主義の名目で経済再生優先としてきた。一方、コロナ対応で中国主要都市でのロックダウン措置導入の動きが報道され、中国経済の弱体化を専門家・マスコミは報道している。コロナ感染拡大によるパンデミックは終わっていない。
サプライチェーン・物流問題の長期化が懸念され始めた。トランプ政権時『自国第一主義』として中国経済制裁の一環で始められた関税はバイデン政権でも継続され米国インフレの一原因となっている。半導体・各種工業製品等の中国サプライチェーンの複雑さが認識され始めたところで、ウクライナ・ロシアにおける食料・資源の重要供給先であったことがウクライナ戦争で浮き彫りになった。5月11日、バイデン米大統領は、ロシアによるウクライナ侵攻が世界的な食料価格の高騰を引き起こしていると非難、対して5月12日、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ紛争を受けて西側諸国がロシアに科した厳格な制裁措置が世界的な経済危機と破滅的なインフレを引き起こしたとして双方責任転嫁している。
しかし、株式市場の下落、プライベートバンク等にみられるファンドの毀損、市場参加者機関の市場撤退による現金化が報じられている。市場が縮小方向にあることに変わりはない。インフレが現実のものとなり、中国関税・NATOを巻き込みウクライナへの武器供与による戦争拡大のきっかけを作った米国バイデン政権の失策であったことが明確になりつつある。
世界経済の枠組みに亀裂が生じ、各国のインフレが国内問題となり、ロシア・中国等の結束を固める形となって政治経済ブロックの鮮明化が問題視され始めた。自由民主主義を守ると称して主導権を発揮した結果であろうか。
さらに主要中央銀行のインフレ対策の利上げが報じられている。
パンデミックが収まらず、サプライチェーン問題も解消されず、ウクライナ戦争が、ロシア対米国(NATO)の対立構造となってきた。さらに中国もその対象としている。
小麦・食用油(トウモロコシ・パーム油)を含めて食糧危機の報道が始まった。異常気象の影響で世界的な穀物の不作が予想されており、綺麗ごとでは済まない古米・古古米の取り合いとなっている。ウクライナの昨年収穫の穀物輸送に注目しているが農地が荒れており、戦争で男手がなく今年の収穫は半分以下となろう。食糧危機が現実のものとなり、先進国もインフレに絡めて、後進国を補助・救済するとしても資金調達に問題が生じ始めている。欧米の大半が赤字国である。国力に限界がある。



2022年08月01日更新


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