為替レポート

08月09日~08月13日週

【為替の動向】
ドル/円(24時間)
08/09(月)08/10(火)08/11(水)08/12(木)08/13(金)
OPEN110.146110.295110.562110.427110.426
HIGH110.352110.598110.803110.546110.458
LOW110.019110.260110.306110.307109.499
CLOSE110.310110.540110.422110.406109.570

先週のドル円レンジ:109.50円~110.80円

08月10日 IMM通貨(円)先物動向
円:60657枚の売り越し 前週比5467枚の売り超増

 先週も、先進主要国のワクチンの接種が思うように進まず、接種しない人々のインド型変異種(デルタ株)(L452R+E484Q)等変異種の感染が、日本を含め世界中に拡大。日本では、東京オリンピックが無事終了。一方、ワクチン供給不足が現実となり接種スピードが減速、コロナ感染者が全国に広がり、一日の感染者数が2万人となった。一貫性・統一性のない医療行政の失態か、感染者の急増に伴い医療崩壊の可能性が報道され円安に向かった。
 ワクチンの普及が進んだ欧米でデルタ株の感染者が急増。ファイザー社・モデルナ社等のワクチンの効能に対し疑問符が付き始め、米国・英国で接種終了者のデルタ株による感染が報道されている。感染予防効果は薄れているが重症化が防止できるとの報道がある。ワクチンが治療薬でなく感染者の重症化を防ぎ、死亡者を少なくし医療体制のひっ迫を防ぐ効果があることが実証されている。『自由』を標榜する欧米ではワクチン接種が思うように進んでいない。米国ではデルタ株による感染者が急増、マスク着用の重要性が報道されている。
 市場では、デルタ株による感染再拡大で景気回復への不安があるものの、封鎖措置のような極端な経済減速を引き起こす政策は講じられず、ある程度、堅調な消費は維持されるとの楽観論が優位となっていたが、これに警鐘を鳴らす動きが見られた。
 世界経済は、各国中央銀行の金融緩和・政府の補助金等の政策で企業倒産を食い止めており、完全失業者をそれほど出さず、自殺者の急増を防いでいる。その中で、製造業中心に経済活動が回復している。中国・アジア地区中心のサプライチェーンに亀裂が生じ、物流の根本が揺らぎ始めている。ドイツ・中国の河川反乱の後遺症もあり、運輸コスト(海運・陸運トラック運転手不足)・原油価格上昇もあり先進国の物価上昇の原因となっている。原油価格上昇を抑える目的で、8月11日、バイデン米政権は石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国でつくる枠組みの「OPECプラス」に対し、原油の増産を求める声明を出した。
 順調に回復しているとされる米国経済も過去2番目の貿易赤字の拡大、さらに財政赤字(3兆ドル)双子の赤字問題がある。米国予算議会審議は、米上院が5500億ドル規模のインフラ包括法案を可決し、3兆5000億ドル規模の予算決議を承認した。一歩先に進んだが、連邦債務上限に関しては、米共和党の上院議員46人が民主党に対して、連邦債務上限の引き上げに関する投票を棄権すると警告しており、連邦政府が早ければ9月にもデフォルト(債務不履行)に陥るリスクが報道されている。また、メキシコ国境の移民難民問題もあり、コロナ感染者急増の影響が大きく順調に回復するとの楽観論に疑問符が付いている。7月消費者物価コア指数(コアCPI)の上昇率は市場予想と一致し、8月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は急低下の報道をきっかけに109円台の半ばまでドル安が進んだ。
 イラン・イスラエル等の中東情勢で、大きな動きはなかったが、アフガニスタンでは、タリバーン勢力の拡大(国土の60%)が進んでいるが、米国軍の今月末の撤退は変更しないとのバイゼン大統領の声明があった。一方、国境線近くで中国とロシアとの共同軍事演習が行われ、地政学上のリスクが浮上している。米国の発言力の弱体化の表れであろうか。イラクの国内情勢にも不安定要素があり、米軍イラク撤退の報道もある。
 先進国を巻き込んだ米国主導の国際協調のバランスの在り方に疑問符が付いており、本来国際紛争解決の基軸である『国連』機能が麻痺しており、ドル高が容易に進まない理由がここにある。
 さらに従来の株式資本主義に対する議論が始まっている。米国による中国企業の制裁が始まり、一方、中国政府による自国企業の引き締めが始まり、これまで海外で調達した資金の流出を防ぐ動きが加速している。
 世界最大の新型コロナウイルス感染国米国(8月12日時点で感染者数3647万9722人、死亡者数61万8816人)となっている。WTI原油先物は、68.030ドル台となり、ドルインデックスは92.5269、円ドルは109.57円で取引を終えた。

今週の予想

今週のドル円予想レンジ:108.00円~111.00円
ピボット分析(日足ベース):108.79円~110.71円


今週の主な予定

16日(月)
  日本GDP速報値(第2四半期)
  中国鉱工業生産(7月)
  中国小売売上高(7月)
  米NY連銀製造業景気指数(8月)

17日(火)
  米小売売上高(7月)
  中国全国人民代表大会常務委員会会議(20日まで)
  パウエルFRB議長、タウンホール会議開催

18日(水)
  日本貿易収支(7月)
  英消費者物価指数(7月)
  英生産者物価指数(7月)
  米FOMC議事録(7月27日-28日開催分)

19日(木)
  米新規失業保険申請件数(14日までの週)

20日(金)
  日本消費者物価指数(7月)


2021年08月16日更新


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