為替レポート

09月06日~09月10日週

【為替の動向】
ドル/円(24時間)
09/06(月)09/07(火)09/08(水)09/09(木)09/10(金)
OPEN109.681109.820110.267110.285109.735
HIGH109.945110.318110.447110.285109.990
LOW109.657109.683110.140109.614109.691
CLOSE109.841110.272110.283109.732109.890

先週のドル円レンジ:109.61円~110.45円

09月07日 IMM通貨(円)先物動向
円:62325枚の売り越し 前週比805枚の売り超減

 先週も、先進主要国のワクチンの接種が思うように進まず、接種しない人々のインド型変異種(デルタ株)(L452R+E484Q)等変異種の感染が、日本を含め世界中に拡大。さらに、新型コロナの変異ウイルス「ミュー株」(WHO=世界保健機関が8月30日、コロンビアで初めて確認された「注目すべき変異ウイルス」に分類認定)が日本で確認された。世界で普及しているロボットによる自動分析システム(日本製)は充実せず、一般的なPCR検査が不十分で、やっと抗原検査が普及、ゲノム検査レベルの検査体制の不備が露呈している。
 日本では、ワクチン供給不足が現実となり接種スピードが減速、一方、コロナ感染者が全国に広がり、先週に比べ減少しているものの、一日の感染者数1万人越えが続き、東京で自宅待機者が急増、待機中の感染者の死亡が報道されている。抗体カクテル療法がやっと普及し始めているが、現実には本体の薬品が不足、その接種場所が少ない。一貫性・統一性のない医療行政の失態か、感染者の急増に伴い医療崩壊の可能性が報道される一方、マスコミは自民党総裁選挙報道に集中している。しかし、市場関係者は、誰がなっても世界に通じるリーダーとは見ていない。これまで、日本のすべての行政が官僚中心に構築された政策運営に乗っかった構図(官僚主義)で行われており、今後も変化ないことを見抜いている。今回のコロナ問題で医療行政の失策で自宅待機者の死亡者が出ており、その予備軍が数万人に及んでいる。その責任を取る者もいないのが現実である。(官僚主義の弊害)さらに経済対策を含めこれらの処方箋を具体的に描くことができていない。本当の意味のリーダーシップとは何かが問われている。
 アフガン撤退問題が危惧される中、世界の警察と標榜した米国のその地位の放棄と衰退が現実のものとなり、本来ドル安局面が進行する局面でも相対的に円安となっている。9月9日バイゼン大統領と中国習近平主席との電話会談があったがこれといった成果がなかった。
 ワクチンの普及が進んだ欧米でデルタ株の感染者が急増。ファイザー社・モデルナ社等のワクチンの効能に対し疑問符が付き、3回目の接種を米国では表明された。感染予防効果は薄れているが重症化が防止できるとの報道がある。ワクチンが治療薬でなく感染者の重症化を防ぎ、死亡者を少なくし医療体制のひっ迫を防ぐ効果があることが実証されている。『自由』を標榜する欧米ではワクチン接種が思うように進んでいない。米国ではデルタ株による感染者が急増、死亡者が一週間で1万人を超え、マスク着用の義務化、さらにワクチン接種の義務化が報道されている。
 市場では、デルタ株による感染再拡大で景気回復への不安があるものの、封鎖措置のような極端な経済減速を引き起こす政策は講じられず、ある程度、堅調な消費は維持されるとの楽観論が優位となっていたが、これに警鐘を鳴らす動きが見られた。サービス業の産業構造の構成比率が高く、経済復活のシナリオに疑問符が付き始めた。
 世界経済は、各国中央銀行の金融緩和・政府の補助金等の政策で企業倒産を食い止めており、完全失業者をそれほど出さず、自殺者の急増を防いでいる。その中で、製造業中心に経済活動が回復している。中国・アジア地区中心のサプライチェーンに亀裂が生じ、物流の根本が揺らぎ始めている。気候変動の影響か、ドイツ・中国の河川反乱の後遺症もあり、運輸コスト(海運・陸運トラック運転手不足)・原油価格高止まりもあり先進国の物価上昇の原因となっている。事実、10日の米労働省発表した8月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年同月比8.3%上昇した。比較可能な2010年11月以降で最大の伸びを記録し、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が引き続きサプライチェーン(供給網)を圧迫する中、高インフレが当面続く公算が大きいことを示唆した。(ロイター)
 順調に回復しているとされる米国経済も過去2番目の貿易赤字の拡大、さらに財政赤字(3兆ドル)双子の赤字問題がある。米国予算議会審議は、米上院が5500億ドル規模のインフラ包括法案を可決し、3兆5000億ドル規模の予算決議を承認した。一歩先に進んだが、連邦債務上限に関しては、米共和党の上院議員46人が民主党に対して、連邦債務上限の引き上げに関する投票を棄権すると警告しており、連邦政府が早ければ9月にもデフォルト(債務不履行)に陥るリスクが報道されている。この前提状況をよそに、欧米各国のテーパリングに話題が移っているようだ。
 イラン・イスラエル等の中東情勢で、大きな動きはなかったが、アフガニスタンでは、8月15日ガニ大統領が国外(トルコ)逃亡し タリバン勢力は首都カブールを制圧、事実上米国主導の政権転覆となった。米国バイゼン大統領は8月31日米軍撤退終了を表明。タリバンは、米軍の残した最新兵器を取得、これを使ってISの主要基地を攻撃、成功したと報道されている。国境沿いには数万人の難民が押し寄せている。難民放置の現状に対し、米国政権に非難が集中している。タリバン政権の実態がまだ見えていない。
 一方、国境線近くで中国とロシアとの共同軍事演習が行われ、地政学上のリスクが浮上している。米国の発言力の弱体化の表れであろうか。イラクの国内情勢にも不安定要素があり、米軍イラク撤退の報道もある。
 先進国を巻き込んだ米国主導の国際協調のバランスの在り方に疑問符が付いており、本来国際紛争解決の基軸である『国連』機能が麻痺しており、ドル高が容易に進まない理由がここにある。
 さらに従来の株式資本主義に対する議論が始まっている。米国による中国企業の制裁が始まり、一方、中国政府による自国企業の引き締めが始まり、これまで海外で調達した資金の流出を防ぐ動きが加速している。
 世界最大の新型コロナウイルス感染国米国(9月09日時点で感染者数4079万3719人、死亡者数65万5973人)となっている。WTI原油先物は、69.670ドル台となり、ドルインデックスは92.6451、円ドルは109.89円で取引を終えた。

今週の予想

今週のドル円予想レンジ:108.00円~110.70円
ピボット分析(日足ベース):109.57円~110.17円


今週の主な予定

13日(月)
  日本景況判断BSI大企業全産業(第3四半期)

14日(火)
  米消費者物価指数(8月)
  第76回国連総会開幕

15日(水)
  中国小売売上高(8月)
  中国鉱工業生産(8月)
  英消費者物価指数(8月)
  英生産者物価指数(8月)
  米NY連銀製造業景気指数(9月)

16日(木)
  日本貿易収支(8月)
  月例経済報告(9月)
  米小売売上高(8月)
  米新規失業保険申請件数(11日終了週)
  米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(9月)

17日(金)
  自民党総裁選告示
  米ミシガン大学消費者信頼感指数(9月)
  ロシア下院選挙(19日まで)


2021年09月13日更新


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