為替レポート

09月13日~09月17日週

【為替の動向】
ドル/円(24時間)
09/13(月)09/14(火)09/15(水)09/16(木)09/17(金)
OPEN109.896110.000109.700109.356109.727
HIGH110.160110.162109.743109.829110.081
LOW109.804109.521109.110109.200109.660
CLOSE109.999109.700109.356109.714109.980

先週のドル円レンジ:109.11円~110.18円

09月14日 IMM通貨(円)先物動向
円:60295枚の売り越し 前週比2030枚の売り超減

 先週も、先進主要国のワクチンの接種が思うように進まず、接種しない人々のインド型変異種(デルタ株)(L452R+E484Q)等変異種の感染が、日本を含め世界中に拡大。ついに米国では、コロナによる感染者・死亡者が急増しており、ワクチン接種の義務化、接種証明・陰性証明の提示等コロナ対策の推進に舵を切った。民主党による企業と富裕層を対象とする2兆1000億ドル(約230兆円)の増税措置報道・アフガン撤退問題の不評もあり、バイデン大統領の支持率が急低下。米軍対中国軍の武器装備(米国既存空母の老朽化に対して、中国軍の最新装備の空母・戦闘機・ミサイル…の拡充)に関する報道もあり、相対的に株安・ドル安要因となっている。
 日本では、自民党総裁選挙をきっかけに、コロナ対策、経済対策の議論が始まった。今回のコロナ問題で医療行政の失策で自宅待機者の死亡者が出ている。政治家主導の対策が機能せず、その責任を取る者もいない官僚主導主義の弊害が現実である。さらに経済対策を含めこれらの処方箋を具体的に描くことができていない。幸いコロナによる、感染者が減少しており、これを材料に円安の修正が進んでいた。(一時109.11円まで売られる)
 しかし、13日、北朝鮮の新型長距離巡航ミサイルの発射実験成功報道、15日、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを2発発射報道があり、今回のミサイルの軌道がレーザーでは捉え難く、現状のミサイル防衛構想(イージス艦・イージスアショア・PAC3)では防御できないことが軍事専門家から指摘されている。地政学の問題として円安修正の修正となり110円台をつけることになった。背景に敗戦国日本主体の防衛軍備開発がいまだに米国から許可されていないことがある。今後議論されるであろう。
 一貫性・統一性のない医療行政の失態か、感染者の急増に伴い医療崩壊の可能性が報道される一方、マスコミは自民党総裁選挙報道に集中している。しかし、市場関係者は、誰がなっても世界に通じるリーダーとは見ていない。
 ワクチンの普及が進んだ欧米でデルタ株の感染者が急増。ファイザー社・モデルナ社等のワクチンの効能に対し疑問符が付き、3回目の接種を米国では表明された。感染予防効果は薄れているが重症化が防止できるとの報道がある。ワクチンが治療薬でなく感染者の重症化を防ぎ、死亡者を少なくし医療体制のひっ迫を防ぐ効果があることが実証されている。『自由』を標榜する欧米ではワクチン接種が思うように進んでいない。米国ではデルタ株による感染者が急増、死亡者が一週間で1万人を超え、マスク着用の義務化、さらにワクチン接種の義務化が報道されている。
 市場では、デルタ株による感染再拡大で景気回復への不安があるものの、封鎖措置のような極端な経済減速を引き起こす政策は講じられず、ある程度、堅調な消費は維持されるとの楽観論が優位となっていたが、これに警鐘を鳴らす動きが見られた。サービス業の産業構造の構成比率が高く、経済復活のシナリオに疑問符が付き始めた。
 世界経済は、各国中央銀行の金融緩和・政府の補助金等の政策で企業倒産を食い止めており、完全失業者をそれほど出さず、自殺者の急増を防いでいる。その中で、製造業中心に経済活動が回復している。中国・アジア地区中心のサプライチェーンに亀裂が生じ、物流の根本が揺らぎ始めている。気候変動の影響か、ドイツ・中国の河川反乱の後遺症もあり、運輸コスト(海運・陸運トラック運転手不足)・原油価格高止まりもあり先進国の物価上昇の原因となっている。
 順調に回復しているとされる米国経済も過去2番目の貿易赤字の拡大、さらに財政赤字(3兆ドル)双子の赤字問題がある。米国予算議会審議は、米上院が5500億ドル規模のインフラ包括法案を可決し、3兆5000億ドル規模の予算決議を承認した。一歩先に進んだが、連邦債務上限に関しては、米共和党の上院議員46人が民主党に対して、連邦債務上限の引き上げに関する投票を棄権すると警告しており、連邦政府が早ければ9月にもデフォルト(債務不履行)に陥るリスクが報道されている。さらに、9月15日、米下院歳入委員会は、主に企業と富裕層を対象とする2兆1000億ドル(約230兆円)の増税措置を賛成多数で可決した。国際輸送(コンテナ)の混迷もありインフレの種が山積している。コロナの影響もあり特に物流の麻痺がサプライチェーンの問題として報道されている。この前提状況・実態をよそに、欧米各国のテーパリングに話題が移っているようだ。
 イラン・イスラエル等の中東情勢で、大きな動きはなかったが、アフガニスタンでは、やっと、国連の資金援助の方向性が示唆され、タリバン政権のメンバーが報道されているが、アフガにスタン独特の民族問題・イスラム原理主義の実態が他のイスラム教を主軸とする他国(イラン・サウジアラビア等)と異なっており、政権公認とはなっていない。一方で難民・女性差別もあり今後も注意が必要である。タリバンは、米軍の残した最新兵器を取得、これを使ってISの主要基地を攻撃、軍事的な制圧となっているが生活物資の不足・物価上昇等国家としての体をなしていない。一方、地下資源の宝庫(金・銅・リチウム)と言われており、ロシア・中国・ドイツ等の諸国が虎視眈々と狙っている。
 一方、国境線近くで中国とロシアとの共同軍事演習が行われ、地政学上のリスクが浮上している。米国の発言力の弱体化の表れであろうか。イラクの国内情勢にも不安定要素があり、米軍イラク撤退の報道もある。国境沿いには数万人の難民が押し寄せている。難民放置の現状に対し、米国政権に非難が集中している。
 先進国を巻き込んだ米国主導の国際協調のバランスの在り方に疑問符が付いており、本来国際紛争解決の基軸である『国連』機能が麻痺しており、ドル高が容易に進まない理由がここにある。
 さらに従来の株式資本主義に対する議論が始まっている。米国による中国企業の制裁が始まり、一方、中国政府による自国企業の引き締めが始まり、これまで海外で調達した資金の流出を防ぐ動きが加速している。
 世界最大の新型コロナウイルス感染国米国(9月16日時点で感染者数4187万0664人、死亡者数67万0424人)となっている。WTI原油先物は、71.815ドル台となり、ドルインデックスは93.2467、円ドルは109.98円で取引を終えた。

今週の予想

今週のドル円予想レンジ:108.00円~110.70円
ピボット分析(日足ベース):109.42円~110.26円


今週の主な予定

20日(月)
  カナダ総選挙

21日(火)
  国連総会一般討論(27日まで)
  OECD経済見通し

22日(水)
  日銀金融政策決定会合
  米FOMC発表

23日(木)
  ドイツ製造業PMI速報値(9月)
  ユーロ圏製造業PMI速報値(9月)
  英中銀政策金利
  米製造業PMI速報値(9月)

24日(金)
  日本消費者物価指数(8月)
  ドイツIFO企業景況感指数(9月)

25日(土)
  アイスランド議会選挙
  英労働党大会(29日まで)

26日(日)
  ドイツ連邦議会(下院)選挙


2021年09月21日更新


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