為替レポート

06月20日~06月24日週

【為替の動向】
ドル/円(24時間)
06/20(月)06/21(火)06/22(水)06/23(木)06/24(金)
OPEN134.810135.066136.659136.151134.930
HIGH135.442136.706136.714136.198135.399
LOW134.530134.921135.680134.260134.340
CLOSE135.088136.657136.152134.936135.161

先週のドル円レンジ:134.28円~136.71円

06月21日 IMM通貨(円)先物動向
円:58454枚の売り越し 前週比11301枚の売越減

 先週は、新型コロナ(オミクロン変異種)の感染拡大が欧米で再燃している。パンデミックは終わっていない。米国株価の下げ止まり、修正から買い戻しが入った。世界経済の景気減速懸念が収まったわけではない。
 クライナ情勢は、米国の武器供与が本格化、19日『ウクライナ戦争、何年も続く可能性=NATO事務総長』の表明のように長期化の様相となった。
 株価の下落に対して、20日、『イエレン財務長官、高インフレは年内継続と予想-リセッションは回避』のように火消しに入った。市場の信頼は厚いようだ。その後、21日『バイデン氏、米景気後退は「不可避」でない-サマーズ氏と会談後発言』、もあり『ヘッジファンド、米株買い戻しか-金融危機以来の空売りペース加速後』買い戻しとなった。
 
為替については、21日『ECB総裁、利上げ方針をあらためて表明-新ツールの開発も進行』の発言もあり、ユーロ買いの展開となった。また一方、23日『「リバース通貨戦争」の号砲鳴る-物価抑制へ各国中銀が通貨高目指す』の記事にあるようにドル高修正の動きとなった。
 一方、政治的な要素として、『中国主席、景気回復へ世界の結束呼びかけ 制裁を非難』の記事にあるように中国の習近平国家主席は、BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)の会合で、「新型コロナウイルスのパンデミックと安全保障上の問題に脅かされている経済回復を支えるために国際的な結束と協力を呼びかける一方で制裁は「諸刃の剣」と非難」した。西側諸国との対立軸を鮮明にした。18日の『OPEC事務局長、「市場の安定維持」が非加盟国との共通目標』として原油価格と景気減速のバランスを主張、22日『サウジとトルコが首脳会談、記者殺害巡り悪化の関係正常化へ』等、サウジアラビアのヨルダン・エジプトの歴訪もあり中東諸国の結束が進んでいる。米国主導ではない世界が垣間見える。23日以降のドル安の要因となった
 22日『ロシア外相、イラン訪問 核合意やエネルギー協力など協議へ』米国のイラン核合意交渉の牽制となっている。
 24日の『IMF、米成長見通し下方修正 積極利上げ背景 景気後退は回避」のように米国は大丈夫との判断がある。
 
欧米対ロシア・中国の対立構造が鮮明となって、現状のサプライチェーン問題の悪化が懸念される。『そもそも論』であるウクライナ停戦交渉が全く進展がなく、政治的要素が先行してインフレという各国国民生活が犠牲となる状況が続く・・・。
 世界最大の新型コロナウイルス感染国米国(22年月23日時点で感染者数8677万5206人、死亡者数101万4273人)となっている。WTI原油先物は、107.095ドル台となり、ドルインデックスは104.1059、円ドルは135.16円で取引を終えた。

今週の予想

今週のドル円予想レンジ:131.00円~137.00円
ピボット分析(日足ベース):133.97円~136.09円

以下参考記事を掲載する。

OPEC事務局長、「市場の安定維持」が非加盟国との共通目標
[バグダッド 18日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)のバーキンド事務局長は18日、加盟国と非加盟国パートナーの共通目標は常に原油市場の安定を維持することで、価格を上げることでも下げることでもないと述べた。
加盟国とロシアなど非加盟主要産油国で構成する「OPECプラス」の最新の決定に基づいて日量970万ドルの供給を市場に戻すことが価格押し下げに寄与するかとの質問に対し、「市場の動きをコントロールすることはできない」と答えた。その上で、需給の均衡を継続的に保つことが全ての産油国の責任だと指摘した。

米・マーシャル諸島、自由連合盟約の年内合意目指す 中国に対抗
[ワシントン 17日 ロイター] - 米国とマーシャル諸島は、経済、安全保障に関する協定である自由連合盟約(COFA)で年内の取りまとめを目指すことで合意した。17日にロイターが閲覧した声明で明らかになった。南太平洋で中国が影響力拡大を図る中、2023年の失効を前に米国が交渉を加速させる兆しが見られる。
米国はマーシャル諸島、パラオ、ミクロネシア連邦とCOFAを締結し、経済援助をする代わりに軍事面のアクセスを有している。
しかし、諸島国側には米国が義務に見合った援助をしていないとの不満がある。ミクロネシア連邦とのCOFAの期限は23年、パラオの期限は24年。

ウクライナ戦争、何年も続く可能性=NATO事務総長
 [フランクフルト 6月19日 ロイター] - 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は、ウクライナでの戦争は何年も続く可能性があるとの見解を示した。またウクライナ軍に最先端兵器を供与すれば、東部ドンバス地方をロシア軍の支配から解放できる可能性が高まると指摘した。
ドイツ紙のビルト日曜版に対し「われわれは戦争が何年も続く可能性に備える必要がある。ウクライナへの支援を弱めてはならない」と語った。(ロイター)

中国、弾道ミサイル迎撃システムの実験に成功-国防省
2022年6月20日 10:17 JST
中国国防省は19日、地上配備型の中距離弾道ミサイル迎撃システムの実験を同日遅くに行い、「所期の目的を達成した」と発表した。
中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報によると、中国は2021年2月にも同様の実験を実施しており、公表された地上配備型の弾道ミサイル迎撃システムの技術試験は合計6回に上る。(ブルームバーグ)

イエレン財務長官、高インフレは年内継続と予想-リセッションは回避
2022年6月20日 1:26 JST
・ガソリン税の一定期間免除「検討する価値はある」-イエレン長官
・高インフレもたらしているのは世界的要因、直ちに弱まることない。
イエレン米財務長官は、物価は「容認し難いほど高い」とした上で、この状態は今年いっぱい続くと予想した。ただ家計の力強さにより、リセッション(景気後退)は回避するとの見解を示した。
ただ新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)を背景に国民の貯蓄が積み上がっているほか、労働市場は「極めて力強い」として、リセッションは「全く不可避というわけではない」と言明。また消費者がインフレを乗り切る上で助けとなり得るのであれば、ガソリン税の一定期間免除も「検討する価値はある」と述べた。根強いインフレの要因については、米国内の問題ではなく世界的な状況が影響していると説明。ウクライナでの戦争を発端としたエネルギー供給の混乱や、新型コロナに伴うロックダウン(都市封鎖)で中国からの物流に影響が出ていることを挙げた。「そうした要因が直ちに弱まる可能性は低い」とし、「世界情勢に関しては極めて多くの不確実要素が存在する」と述べた。(ブルームバーグ)

ECB総裁、利上げ方針をあらためて表明-新ツールの開発も進行
2022年6月21日 1:52 JST
・「7月の会合でECBの政策金利を25bp引き上げる意向」
・断片化のリスクが生じれば、適切な手段と十分な柔軟性で対処へ
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は20日、7月と9月に利上げする意向をあらためて示し、金融市場での緊張に対し懸念が広がっても当局がインフレ抑制に動く姿勢は変わらないことを示した。(ブルームバーグ)

バイデン氏、米景気後退は「不可避」でない-サマーズ氏と会談後発言
2022年6月21日 6:54 JST
・「メディケア見直しとインスリンのコスト引き下げは可能だろう」
・米政権と議会民主党、インフレ対策など目指す法案を協議中
バイデン米大統領は20日、米国のリセッション(景気後退)が不可避ではないとあらためて指摘した。米国はスタグフレーションに陥る確率がかなりあるとみているサマーズ元米財務長官と電話で会談した後に語った。(ブルームバーグ)

ヘッジファンド、米株買い戻しか-金融危機以来の空売りペース加速後
2022年6月22日 14:12 JST
・空売り集中銘柄で構成するバスケットはS&P500種より大きく上昇
・相場急回復は保有銘柄でなく貸借銘柄の動きを反映の可能性と指摘も
米国株が物色され、21日に株価が上昇した理由は誰にも分からないが、先週までの空売りペース加速は考察すべき事実の一つだ。
ゴールドマン・サックス・グループが追跡調査するヘッジファンドは、弱気方向への投資を拡大し、空売りの額(ドルベース)は2008年の金融危機以降で最も大きくなった。モルガン・スタンレーとJPモルガン・チェースのプライムブローカー部門でも、顧客の弱気ポジションが増え、同様のトレンドが示された。(ブルームバーグ)
中国主席、景気回復へ世界の結束呼びかけ 制裁を非難
[北京 6月22日 ロイター]
中国の習近平国家主席は22日、BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)の会合でオンラインで演説し、新型コロナウイルスのパンデミックと安全保障上の問題に脅かされている経済回復を支えるために国際的な結束と協力を呼びかける一方で制裁は「諸刃の剣」と非難した。
習氏は「ウクライナ危機は世界に警鐘を鳴らしている」とし「制裁は諸刃の剣であることが再び証明された」と述べた。
習氏は、脆弱な回復が中断するのを防ぐため経済政策の協調強化を主張。中国はマクロ政策の調整を強化し、新型コロナ流行の影響を可能な限り抑えながら経済と社会の年間目標を達成するために、より効果的な措置を講じていくと述べた。詳細には踏み込まなかった。(ロイター)

ロシア外相、イラン訪問 核合意やエネルギー協力など協議へ
[ドバイ 22日 ロイター]
ロシアのラブロフ外相は22日、イランに到着した。イラン国営テレビが報じた。イラン核合意の復活交渉は難航している。
ロシア外務省によると、ラブロフ氏はイランのライシ大統領との会談冒頭、ロシアは欧米諸国の攻撃的政策に対応していると述べた。
イラン国営メディアによると、ラブロフ氏の訪問中、イラン核合意やエネルギー分野などにおける2国間協力の強化、国際問題や地域問題についての協議が予定されている。(ロイター)

サウジとトルコが首脳会談、記者殺害巡り悪化の関係正常化へ
[アンカラ 22日 ロイター]
サウジアラビアの実力者であるムハンマド皇太子は22日、トルコを訪問しエルドアン大統領と会談した。2018年にイスタンブールで起きたサウジ人記者ジャマル・カショギ氏殺害事件を巡り悪化していた両国関係の正常化が期待されている。
会談後の共同声明で両国は新たな協力の時代を切り開く決意を強調した。
トルコ当局者によると、両国は貿易、航空便、テレビ番組放送に関する制限を解除。両国メディアのネガティブな報道も停止するという。
ただ、トルコの減少した外貨準備の回復につながる通貨スワップ協定を巡る交渉は「期待ほど」進んでおらず、エルドアン氏とムハンマド氏が協議を行う予定という。
共同声明によると、両国は貿易、防衛、エネルギー、観光分野などでの協力関係改善について協議した。トルコはサウジの投資ファンドにトルコ新興企業への投資も呼びかけた。

「リバース通貨戦争」の号砲鳴る-物価抑制へ各国中銀が通貨高目指す
2022年6月23日 17:09 JST
・先進各国中銀がこれほど積極的に通貨高望む事例ない-エコノミスト
・野放しのままなら主要通貨の大幅な為替相場変動など危険な状況も
口火を切ったのは欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル理事だった。同理事は2月、米ドル高・ユーロ安の進行度合いを示すチャートを掲げて見せた。カナダ銀行のマックレム総裁はその2カ月後、カナダ・ドル安に不満を表明。スイス国立銀行のジョルダン総裁はスイス・フラン高を望む考えを示唆した。
  米連邦準備制度がインフレ抑制に積極的に取り組む態勢を受けて、米ドルは年初来で7%上昇。各国・地域の中銀当局者は、持続的な物価高騰に歯止めを掛けようと必死なあまり、輸入物価の押し下げにつながる自国・地域の通貨高を現時点では歓迎すると、あからさまとも言えるシグナルを発し始めた。
 こうした形の介入はこれまで極めて異例であり、口先だけであっても相場を動かすことになった。今月16日には、スイス中銀が2007年以来の利上げに踏み切ってトレーダーの度肝を抜き、スイス・フランは7年ぶりの高水準を付けた。その数時間後には、イングランド銀行が0.25ポイント利上げを発表し、必要なら一段と大幅な利上げの用意があることを示唆した。
 各国・地域のインフレ対策において、為替相場がかつてないほど重要な要素となっている。ゴールドマン・サックス・グループのエコノミスト、マイケル・ケーヒル氏は先進各国・地域の中銀がこれほどまでに積極的に強い通貨を目指した事例は記憶にないと話す。
 外国為替市場ではこうした現象を「リバース(逆の)通貨戦争」と呼んでいる。各国・地域は10年余りにわたり、企業の輸出競争力の強化と経済成長促進を狙い、自国・地域の為替相場の下落を望んできたが、現状はその逆になっているためだ。燃料や食料品、電化製品など広範な品目が値上がりする状況では、購買力強化が急激に重要度を増している。
 ただ、これは危険なゲームでもある。野放しのままなら、主要通貨の大幅な為替相場変動を引き起こし、輸出に依存する製造業の競争力が低下するほか、多国籍企業の収益に打撃となって、インフレの重荷を世界中で押し付け合う事態になりかねない。通貨戦争は勝者がいれば敗者もいる悪名高きゼロサムゲームだ。ドイツ銀行のチーフ国際ストラテジストを務めるアラン・ラスキン氏は、どの国も「同じものを得ようとする」ものの、「通貨の世界ではそれは不可能だ」と指摘した。通貨高がインフレ抑制にどれほど効果があるかは正確には不明なままだ。為替相場が消費者物価指数(CPI)に反映されるパススルー効果について、米連邦準備制度理事会(FRB)や米財務省の元高官で、現在はシティグループ・グローバル・マーケッツのグローバル・チーフエコノミスト、ネイサン・シーツ氏はごくわずかだと語る。
 しかし、物価高騰の局面ではこうした効果が高まる可能性もある。シーツ氏は、米ドル相場の10%上昇が以前であればインフレ率を0.5ポイント程度鈍化させるのに過ぎなかったのに対し、現時点ではそれが「1ポイント」になっているかもしれないとの推計を示した。一方で、当局による介入には失敗の大きなリスクが伴うと複数の専門家は警告する。元米財務省当局者で、公的通貨・金融機関フォーラム(OMFIF)の米国議長を務めるマーク・ソーベル氏は、「為替相場をターゲットとするのは極めて気まぐれで成果に乏しい取り組みとなりかねない」とし、「特定の政策選択に外為市場がどう反応しそうか予測するのはしばしば無駄足となる公算が大きい」とコメントした。(ブルームバーグ)

習氏「制裁の乱用」に反対表明、プーチン氏も西側批判 BRICS会議
[ロンドン 6月23日 ロイター]
中国の習近平国家主席は23日、同国やロシアなどが参加する新興5カ国(BRICS)首脳会議で、「一方的な制裁や制裁の乱用に反対する」と表明した。ウクライナ侵攻を受けた西側諸国による対ロシア制裁を念頭に置いた発言とみられる。
習氏は、国連の体制に基づく真の多国籍国際システムを支持する必要があると強調。「冷戦思考を放棄し、対立を阻止する必要がある」とした上で、「主要新興国および途上国として、BRICSは自らの責任を果たしていかなければならない」と述べた。
ロシアのプーチン大統領も、世界的な危機を助長しているとして西側諸国を非難。「誠実かつ相互に有益な協力によってのみ、一部の国々の軽率で利己的な行動によって世界経済に生じた危機的状況から脱却する方法を模索することができる」とし、BRICSの連携強化を呼びかけた。
プーチン大統領はさらに、西側諸国が「金融メカニズムを利用」し、「自国でのマクロ経済政策における過ちを全世界に転嫁している」と批判した。(ロイター)

ユーロ圏経済、6月は大幅減速-インフレや供給目詰まりが打撃
2022年6月23日 19:50 JST
・PMI総合指数は1年4カ月ぶり低水準、製造業生産は2年ぶり縮小
・「経済成長は失速の兆しを示している」-S&Pグローバル
6月のユーロ圏経済活動は大幅に減速した。新型コロナウイルス禍からの回復を物価上昇が抑制しているほか、製造業は今も供給の目詰まりに苦しんでいる。
 S&Pグローバルが発表したユーロ圏の購買担当者指数(PMI)速報値によれば、6月の総合指数は51.9と、1年4カ月ぶりの低い水準だった。急激なインフレやエネルギーを巡る懸念、借り入れコストの上昇が背景にある。総合指数は依然として拡大を示す水準だったが、製造業の生産指数は2年ぶりに縮小となった。

米経常赤字、第1四半期は29.6%増の2914億ドル 過去最高を更新
[ワシントン 23日 ロイター]
米商務省が23日に発表した第1・四半期の経常収支は、赤字額が前期比29.6%増加し、過去最高の2914億ドルに達した。旺盛な内需に対応するため企業が在庫積み増しに動き、輸入が急増した。赤字額のエコノミスト予想は2735億ドルだった。
経常収支の赤字幅は国内総生産(GDP)の4.8%に相当する。これは2008年第3・四半期以来の高水準で、昨年第4・四半期の3.7%から上昇した。赤字の対GDP比のピークは05年第4・四半期の6.3%。

米企業活動が失速、総合PMI低下-インフレ高進の影響浮き彫りに
2022年6月24日 0:10 JST
・活動拡大を示す水準にはあるものの、20年7月より後で2番目の低さ
・サービス業PMIはオミクロン変異株が影響した1月以来の低水準
S&Pグローバルが23日発表した米国の製造業・サービス業合わせた6月の総合購買担当者指数(PMI)速報値は前月から2.4ポイント低下の51.2となり、米企業活動の失速が明らかになった。インフレ高進がサービス需要を低下させ、製造業の受注および生産の縮小につながった。
 同指数は依然として50を上回っているため活動拡大を示す水準にはあるものの、2020年7月より後で2番目に低い数字。高インフレや金利上昇、需要鈍化、長引くサプライチェーン懸念を背景に、米企業は今後1年の経済見通しも引き下げた。

米新築住宅販売、5月は10.7%増の69.6万戸 予想外の増加
[ワシントン 24日 ロイター]
米商務省が24日発表した5月の新築一戸建て住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比10.7%増の69万6000戸と、予想外に増加した。しかし、住宅価格が上昇し、住宅ローン金利が6%に迫る中、増加は一時的となる公算が大きい。市場予想は58万8000戸だった。
4月の販売件数は当初発表の59万1000戸から62万9000戸に上方改定された。

米6月ミシガン大消費者信頼感確報値、過去最低 物価見通しは改善
[6月24日 ロイター]
米ミシガン大学が24日発表した6月の消費者信頼感指数(確報値)は50.0と、速報値の50.2から下方修正され、過去最低を更新した。インフレ高進と景気後退(リセッション)に対する懸念が重しになり、予想の50.2も下回った。
現況指数は53.8と、速報値の55.4から下方修正。一方、期待指数は47.5と、46.8から上方修正された。
インフレ見通しはやや改善。1年先の期待インフレ率は5.3%と、5月からは横ばいだったものの、速報段階の5.4%から低下した。5年先の期待インフレ率は3.1%と、5月の3.0%からやや上昇したものの、速報段階の3.3%からは低下した。

IMF、米成長見通し下方修正 積極利上げ背景 景気後退は回避
[ワシントン 6月24日 ロイター]
国際通貨基金(IMF)は24日に公表した米経済政策の年次審査で、連邦準備理事会(FRB)の一段と積極的な利上げを背景に米成長率見通しを下方修正した。ただ米経済は「辛うじて」リセッション(景気後退)入りは免れるとの見方を示した。
IMFは2022年の米経済成長率見通しを2.9%とし、4月時点の3.7%から下方修正。23年は1.7%とし、2.3%から引き下げた。24年は0.8%に鈍化するとした。
新型コロナウイルスのオミクロン変異株拡散と、ロシアによるウクライナ侵攻前の昨年10月時点では、22年の米経済成長率は5.2%との見方を示していた。
IMFのゲオルギエワ専務理事は声明で「経済はパンデミック(世界的大流行)から回復し続けているが、ロシアによるウクライナ侵攻や中国のロックダウン(都市封鎖)などの大きな衝撃を受けている」とし、「一段のマイナスの衝撃で、状況がさらに困難になる可能性がある」と指摘。「米国が景気後退入りを回避する道は狭まっている」とし、不確実性が高まっているとの認識を示した。

≪統括≫
世界経済は、各国中央銀行の金融緩和・政府の補助金等の政策で企業倒産を食い止めており、完全失業者をそれほど出さず、自殺者の急増を防いできた。その中で、コロナによる犠牲者(死亡者)を乗り越え、製造業中心に経済活動が回復している。一方で人件費の高騰が報道されている。アメリカの対中国戦略により中国・アジア地区中心のサプライチェーンに亀裂が生じ、物流の根本が揺らぎ始めた。コロナ対策が起因で生じたインフレの高進処理が終わらない状況で、米国に集中するコンテナの問題、エネルギー資源・食料資源に由来するロシア制裁、ウクライナの内戦処理の失敗、さらに食糧危機問題が発生し、各国の金利引き上げによる国内の経済維持に警鐘がなり、世界経済のスタグフレーションの状況となりつつある。
世界世論はロシアへの非難に終始している。ロシア・ウクライナとの休戦・停戦交渉は暗礁に乗り上げている。ウクライナのゼレンスキー大統領は、民主主義の基礎となる自国民の安全・安心を確保するという本筋(米国南北戦争後のリンカーン)を忘れて、為政者としてはやってはいけない、自国民の犠牲者が増えていることを無視する形で、西側諸国のマスコミへのお涙頂戴なのか情報提供としてSNS等の手段を駆使、さらに休戦に向けた努力もなく、欧米各国政府への武器供与を呼び掛けているのが現状である。
さらに、戦争拡大を煽るように、4月12日、バイデン米政権はウクライナへの約7億5000万ドル(約940億円)相当の軍事支援パッケージを準備している。武器や装備品は、緊急時に議会承認なしで迅速に備蓄から提供することが可能な大統領権限に基づいて供与される見込み。(ロイター)さらに、4月21日、バイデン米大統領は、ウクライナに対する8億ドル規模の追加軍事支援を発表し、ウクライナへの支援をさらに強化する姿勢を示した。大統領はホワイトハウスで演説し、榴弾砲や弾薬、軍用ドローンの提供を確約。米国と同盟国はウクライナに必要な装備と武器を提供するため「可能な限り迅速に動いている」とした。(ロイター)さらに6月15日『米、ウクライナに10億ドルの追加武器支援 対艦ミサイルなど』を表明した。さらに、NATOとの結束を進め、G7を巻き込むことで世界のリーダーシップを強調している。
戦争当事者のウクライナ指導者の先導的なパフォーマンスに迎合し、他人事のように、本当の犠牲者であるウクライナ国民の安全・安心の議論はない。一般国民は、健康で安心・安全で生活できれば良く、映画・音楽・演劇・文化に触れあう環境を望んでいる。戦争(殺し合い)は望んでいない。報道のようなアイデンティティの問題ではない。食料・仕事・教育を含め衣食住の環境を整えるのが『為政者』の基本的な仕事なのだが・・・。専門評論家の言う政治体制は関係ない。『帝王学』を含め『中庸』の精神で国民目線からの積み上げのバランスある『政治学』が必要である。
各国でインフレが高進しているが、各種の商品値上げで困窮(迷惑)するのはそれぞれの自国民であることを忘れている。政治の基本は国民であって、世界秩序ではない。同じことがコロナ対応でもいえる。
ウクライナの戦後復興費用および負担がどうなるか、G7等の先進国の負担となるようであるが、その原資が税金であることに変わりはない。中国・ロシアを排除したサプライチェーンの再構築に5年で官民合わせて6000億ドルと報じられている。しかし、発展途上国を巻き込むことができるか今後注意が必要である。
エネルギー供給についても備蓄原油放出で何とか凌ぐつもりでも、第二次オイルショック以降の備蓄戦略であったことが忘れられている。その補充するにはOPEC等の石油産出国の協力が必要であるが、補充コストは1バレル100ドルを超えることが予想(一説では130ドル)されており、今後に対する筋書きもない。しかし、ロシア崩壊を狙って、ロシアの豊富な資源の獲得を米国・西欧諸国が画策しているのであれば別である。オイルショック以降、イスラエルを使って中東戦争を起こしたように・・・。
いずれにせよ、インフレの長期化からは逃れられない。これまで、コストについては価格転嫁することでごまかしができたが、各国国民の所得が順調に増えるとは考えられない。
さらに利上げをきっかけに、スリランカのような発展途上国の借り入れ問題から食糧危機・メキシコ危機・アジア危機の再来が予想される。IMFの対応は数か月先のようだ。事実、国際通貨基金(IMF)アジア太平洋局長代理のアンマリー・グルデウルフ氏は26日、債務危機に陥っているスリランカについて、金融引き締め、増税、変動為替相場制への移行といった方策を取るよう促した。さらに、スリランカの支援要請に対して「債務の持続可能性に向けた進展が融資の条件になる」と述べた。他人事のように形式的な対応で終わっている。一方、インドの協力が表明されている。
小麦・パラジューム・アルミ・ニッケル・天然ガス等世界の供給に占める割合の多い資源・食料価格が上昇。コロナによるサプライチェーンの麻痺が解消されない状況でインフレの種を増やす結果となっている。今回の欧米の対応は経済運営上、自分で首を絞める状況となっており、金融政策の足かせとなってきた。ここにきて、ロシア・ウクライナの石油・天然ガス・石炭・小麦・トウモロコシ・飼料・肥料さらに半導体関連の主要原料の供給に関して警鐘がなり始め、欧米諸国のインフレ(物価上昇)の追加要因となった。市場は、サプライチェーンが国家体制(政治要素)とは別に、複雑に絡み合っている現実を認識し始めた。物価が上昇し、国民生活に影響が出ており、コロナも沈静化しているわけではない。
一方で、欧州では懸念の声が上がり始めたが、米国は大丈夫との安心感が前提となって今の相場が形成されている。
米国の人口は3億人、英国・フランス・ドイツ等の西欧諸国の人口はそれぞれ4~5千万人、そのほとんどが移民で構成されている。過去、植民地時代その後の資本主義で潤ってきた国なのだろうか。ロシアでさえ1億数千万人。これに対して人口規模で異なっており、さらに植民地政策で苦汁をなめたインド(英国の植民地)・中国(アヘン戦争・日中戦争)のように10億人台を超える国民の生命・食料・生活を維持するする政治に対する姿勢(国家体制)・主義主張の違いがあってもおかしくはない。第1次・第2次大戦後独立した中東諸国・南米・アフリカ諸国にとっても同じである。既存のグローバルスタンダードの意義が問われている。インフレの一つの原因であるロシア産資源(原油・天然ガス)に対する制裁が完全に尻抜けとなった。ルーブル決済は企業の問題として制裁対象から外すとの判断が、5月16日EUの行政執行機関、欧州委員会から発表された。
さらに、5月17日米財務省当局者がロシア産原油の全面的な輸入禁止措置に代わる措置として、欧州各国に対し関税を課すよう提案すると表明。原油供給量の逼迫を低減する方向に舵を切った。しかし、制裁対象のロシア産原油は、インド・中国が引き受けており総量の調整は不可能となっている。
資金力・技術力に劣る資源を持つ国(ロシア)の主張が始まったと思われ、オイルショック(石油危機)時と同じ背景がそこにある。ただし、相手がロシアという軍事力のある国であることは厄介である。インフレの解決策である中央銀行による利上げが本当に特効薬となるか試されている。世界各国の実体経済の悪影響が出始めており、統計数値を待っている市場参加者が気づいた時、すでに遅いというデフレ・スタグフレーションの可能性は否定できない。欧米でインフレが進み実体経済への影響が統計数値に表れ始めた。企業による価格転嫁による収益確保に対して原材料費・人件費高騰が減益要因となり、最終需要者である消費者にとって不利になり貧富格差の拡大がさらに進む結果となりつつある。さらに、利上げによる副作用である企業倒産・失業対策が必要となる、スタグフレーションの状況となりつつある。ある意味でシンギュラーポイントがどこなのかが試されている。
さらに、ウクライナの戦後処理・再生費用が77兆円規模になりウクライナ大統領は支援を呼び掛けているが、欧米諸国・IMFを含めその余力はない。ロシアにその費用を持たせるには、ロシア本土に攻撃を仕掛けプーチン大統領を敗北に導く以外に方法はない。
一方、ドル基軸通貨の脆弱性・米国軍事力の圧倒的な優位性が失われていること・世界政治経済の指導力に対する警鐘等が露見する結果となりそうである。ニクソンショックが何であったかが問われている。
ウクライナ国民の犠牲者が急増するも徹底抗戦としてロシアへの攻撃を中断することもなく、停戦交渉のテーブルに載っていない。まるで第二次世界大戦時の(沖縄戦・東京大空襲)にも拘わらず、本土防衛・決戦とした日本軍の連合国軍への対応と同じ現象となっている。終戦のための方法について、生物兵器・化学兵器・核爆弾の使用が報道されている。最終的に核爆弾を実施したのは米国であった歴史を忘れてはならない。唯一の被爆国であり、日本の航空域制限等戦後の体制は継続している。第二次大戦後に生まれた、バイデン大統領・ウクライナのゼレンスキー大統領。プーチン大統領等『戦争を知らない子供たち』(北山修作詞)の世代のリーダーが世界を動かしている。
マスク着用問題等において『人間の自由の権利』主張が標榜され、コロナによる感染は個人の自己責任として片づけられてきた。自分を守り隣人(他人)に移さないようにする最善の方法がマスク着用であった。第一次大戦時『スペイン風邪流行』対応はワクチン・治療薬がなかったこともあり、戦争による死亡者よりスペイン風邪による戦意喪失とその犠牲者の方が多く戦争継続が困難となりドイツ軍敗退による戦争終決となった。
各国政府は自由主義・個人主義の名目で経済再生優先としてきた。一方、コロナ対応で中国主要都市でのロックダウン措置導入の動きが報道され、中国経済の弱体化を専門家・マスコミは報道している。コロナ感染拡大によるパンデミックは終わっていない。
サプライチェーン・物流問題の長期化が懸念され始めた。トランプ政権時『自国第一主義』として中国経済制裁の一環で始められた関税はバイデン政権でも継続され米国インフレの一原因となっている。半導体・各種工業製品等の中国サプライチェーンの複雑さが認識され始めたところで、ウクライナ・ロシアにおける食料・資源の重要供給先であったことがウクライナ戦争で浮き彫りになった。5月11日、バイデン米大統領は、ロシアによるウクライナ侵攻が世界的な食料価格の高騰を引き起こしていると非難、対して5月12日、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ紛争を受けて西側諸国がロシアに科した厳格な制裁措置が世界的な経済危機と破滅的なインフレを引き起こしたとして双方責任転嫁している。
しかし、株式市場の下落、プライベートバンク等にみられるファンドの毀損、市場参加者機関の市場撤退による現金化が報じられている。市場が縮小方向にあることに変わりはない。インフレが現実のものとなり、中国関税・NATOを巻き込みウクライナへの武器供与による戦争拡大のきっかけを作った米国バイデン政権の失策であったことが明確になりつつある。
世界経済の枠組みに亀裂が生じ、各国のインフレが国内問題となり、ロシア・中国等の結束を固める形となって政治経済ブロックの鮮明化が問題視され始めた。自由民主主義を守ると称して主導権を発揮した結果であろうか。
さらに主要中央銀行のインフレ対策の利上げが報じられている。
パンデミックが収まらず、サプライチェーン問題も解消されず、ウクライナ戦争が、ロシア対米国(NATO)の対立構造となってきた。欧米の武器供与をきっかけに、ロシア・ウクライナ戦争の長期化が現実のものとなってきた。
小麦・食用油(トウモロコシ・パーム油)を含めて食糧危機の報道が始まった。5月11日、国連のグテレス事務総長は、ウクライナでの戦争が世界各地の食糧安全保障を脅かし、飢饉が広がることを深く懸念していると述べた。(ロイター)
異常気象の影響で世界的な穀物の不作が予想されており、綺麗ごとでは済まない古米・古古米の取り合いとなっている。ウクライナの昨年収穫の穀物輸送に注目しているが農地が荒れており、戦争で男手がなく今年の収穫は半分以下となろう。食糧危機が現実のものとなり、先進国もインフレに絡めて、後進国を補助・救済するとしても資金調達に問題が生じ始めている。欧米の大半が赤字国である。国力に限界がある。

視点・論点・注目点
≪経済制裁の意義≫

 経済制裁という大量破壊兵器 
ラグラム・ラジャン氏 米シカゴ大学教授
2022年5月4日 18:00 (日経)
戦争はどんなやり方でも恐ろしいものだ。各国はウクライナに戦闘用の兵器供与だけでなく、ロシアに経済兵器を動員した。ロシアは軍事力に比べて経済力は小さいものの、兵器の種類や対象地域を拡大して攻撃を仕掛けてくる可能性がある。それは世界が受け入れなければならないリスクだった。
ロシアの中央銀行への厳しい制約でルーブルは暴落し、国境を越えた決済や融資の新たな制限は即座に影響を及ぼし、ロシアの銀行に対する信頼は低下した。貿易制裁や多国籍企業の撤退は、即効性はなくても、いずれ経済成長率は低下し、失業率は大幅に上昇するだろう。やがてロシアの生活水準は低下し、健康状態は悪化し、死者が増えると予想される。
経済兵器は侵略や野蛮な行為に対して有効でありながら、文明的な対応を可能にする。だが、これらの兵器がもたらすリスクを軽視すべきではない。ビルを倒したり、橋を壊したりはしないが、企業や金融機関、生活、そして生命さえも破壊する。罪のある者だけでなく無実の人にも打撃となる。現代世界の繁栄を可能にしたグローバル化のプロセスを逆行させることになりかねない。
この点について、いくつか関連する懸念がある。まず、経済兵器は一見流血を伴わず、統治する規範がないため、乱用される可能性がある。これは単なる臆測ではない。米国は、世界にはもっと悪しき体制があるにもかかわらず、キューバに対する厳しい制裁を続けている。また中国は最近、オーストラリアの輸出に制裁を科したが、同国が新型コロナウイルスの起源に独立した調査を求めたことへの報復だったのは明らかだ。
同じくらい心配なのは、企業に特定の国での事業活動の停止を求める世論の高まりだ。こうした要求は、政策立案者が意図した以上の制裁拡大になる可能性がある。例えば、人工妊娠中絶や気候変動への政府の立場を理由に経済戦争を仕掛けられることはありえる。
無差別な制裁への不安が広がれば、各国が自衛の行動をとるかもしれない。ドルやユーロの外貨準備ほど流動性の高い資産が他にほとんどないため、各国は国境を越えた企業の借り入れなど、外貨準備を保有する必要がある活動を制限し始めるだろう。
また、国際決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)に代わる代替手段を模索する国が増え、世界の決済システムが細分化する可能性がある。民間企業は、政治・社会的価値観を共有しない国同士の投資や貿易の仲介により慎重になっていくかもしれない。
各国が経済兵器への新たな対抗手段を開発するなど、ゼロサムゲーム的な戦略的行動が増える可能性もある。例えば、ある国が外国の銀行を自国市場に誘致し、いずれその資産や資本を人質にとろうとするかもしれない。逆に政府が、そうした脅威への脆弱性を減らすために、自国の銀行が活動できる地域を制限することもあるだろう。国と国との経済的な交流は必然的に縮小する。
経済兵器は一国の手に委ねるにはあまりにも強力で、その使用にはコンセンサスが義務付けられるべきだ。侵略国のエリートの資産に対する制裁は最も優先順位を高くし、コンセンサスの要件は最低限にすべきだ。反対に、侵略国の通貨の価値を下げたり、金融システムを弱体化させたりすることは、より慎重かつ最大限のコンセンサスを得るべきだ。
先進国は自国の力を制約することに消極的だろう。だが世界経済が分裂すれば、すべての人に痛手だ。「経済的軍備管理」に関する協議は、壊れた世界秩序を修復する一歩になるかもしれない。平和的共存は、どのような形態の戦争よりも常に優れている。
実行の規範確立を
ロシアのウクライナ侵攻に対し、米欧が経済制裁という対抗手段を迅速に打ち出したのは最善の選択だった。真正面からの武力衝突は、世界大戦の引き金になりかねないからだ。だが経済活動を人為的に遮断する手法は、グローバル化とIT(情報技術)化で飛躍的な発展を遂げてきた市場経済を逆回転させかねない負の側面も併せ持つ。今回の問題を機に、国際合意の下で武力衝突を未然に阻む効果的な経済制裁の手法や規範を確立する努力が必要になる。
米欧がロシアに行った国際決済網からの締め出しや貿易制限は、世界規模の経済制裁としては初の試みに等しい。それだけに世界的なインフレをどこまで助長するか、国際決済網の分断によるブロック経済化を招かないかといった未知の不安要素を内包している。
流血を伴わない経済制裁は、悲惨な戦争の歴史を経た人類の英知。だが同時に、強力な現代兵器にもなり得る。いま世界に求められているのは、世界恐慌や経済危機を招かない経済制裁の手法を確立することではないか。(日経)

≪スタグフレーションの議論≫

金融当局、度重なるインフレショック想定すべき=IMF専務理事
国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は19日、世界の金融当局者は度重なるインフレショックを想定する必要があるかもしれないとの見方を示した。国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は19日、世界の金融当局者は度重なるインフレショックを想定する必要があるかもしれないとの見方を示した。ロイターに対し、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格や食料価格への圧力増大、新型コロナウイルス封じ込めに向けた中国の「ゼロコロナ」政策による製造業への影響、サプライチェーン(供給網)の再構築の必要性などにより中銀がリセッション(景気後退)を引き起こすことなくインフレを抑制するのは難しくなっていると指摘。
昨年末にオミクロン変異株による感染が拡大した際にインフレを「一過性」とみなすことを止めたとし、足元のインフレが最後のショックではないかもしれないことを想定しておく必要があるとした。
また米国の堅調な需要やサプライチェーンの混乱、ウクライナでの戦争の影響など全てがインフレ長期化につながると言及。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)はまだ終わっておらず、新たな危機が起こり得るとした。
中国のゼロコロナ政策は感染力の強い変異株により機能していないが、中国政府当局者はこの政策に「固執している」とし、その影響が主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で協議されるとした。
一方で中国経済については、中国政府には成長支援に向けた財政・金融政策の余地があるため「さほど心配していない」とした。
このほか、世界経済が米国など市場主導型の民主主義国家と中国、ロシアなど国家主導型経済とで分裂しかねないという懸念について協議されることを望むとした。

世銀、22年の世界成長率予測を下方修正 スタグフレーション警告
6月7日  世界銀行は7日、最新の世界経済見通しを公表し、2022年の世界実質GDP(国内総生産)成長率予測を2.9%に下方修正した。1月時点の予測は4.1%だった。
ロシアによるウクライナ侵攻が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による打撃に追い打ちをかけ、多くの国が不況に直面する可能性があると警告。低成長とインフレの高止まりが長期間続く局面に入る可能性があるとした。マルパス総裁は序文で「現時点では、スタグフレーションに陥る危険性はかなり高い」と記した。23年と24年の成長率は22年の水準付近で推移すると予想。23年には世界のインフレ率は緩やかになるとみられるが、多くの国で目標値を上回る可能性が高いとした。21年に5.1%に達した先進国の成長率は、22年には2.6%、23年には2.2%と急減速する見通し。22年の新興国・途上国の成長率は3.4%と、11-19年の年平均4.8%を大きく下回る水準にとどまるとした。21年は6.6%成長を達成していた。ウクライナ経済は45.1%、ロシア経済は8.9%のマイナス成長になるとした。(ロイター)

OECD世界成長予測下げ、スタグフレーションリスクは限定的
6月8日 - 経済協力開発機構(OECD)は8日、最新の経済見通しを発表した。今年の世界経済成長率を3%と予測し、12月時点の4.5%から大幅に下方修正した。ウクライナ戦争の影響が響く。経済協力開発機構(OECD)は8日、最新の経済見通しを発表した。
来年は2.8%へと減速する見通し。こちらも前回予測の3.2%から引き下げられた。
OECDのコーマン事務総長は会見で「ロシアの戦争は世界経済に大きな犠牲を強いている」とし「世界経済の成長率は大幅に低下する見通しだ。インフレ率は上昇し、高止まりするだろう」と述べた。
一方、OECD加盟国のインフレ率は今年8.5%でピークを迎え、2023年には6.0%に低下する見通し。従来は5%でピークを迎え、23年には3%になると予想していた。
ただ、成長率の低下とインフレ率の上昇という見通しにもかかわらず、OECDは1970年代半ばのようなスタグフレーションのリスクは限定的と見ている。 
特に、70年代と比べてはるかにサービス部門主導となっている先進国経済は、当時ほどエネルギー集約型ではなく、失業を懸念する政府から独立した中央銀行もインフレ対策に一段と自由に取り組むことができる。OECDのチーフエコノミスト、ローレンス・ボーン氏は「インフレの負担を和らげるには、利益と賃金の間で負担を分ける必要がある。この負担を公正な形で分担し、賃金価格スパイラルを避けるため、雇用者と非雇用者が交渉するということだ」と述べた。
OECDは、米国や東欧など高インフレ国では金融緩和を着実に解除する強い理由があると指摘した。
新型コロナウイルス流行に関連した財政支援が切れる中、米国経済は今年2.5%成長し、23年には1.2%成長に鈍化する見込み。従来の予測(今年3.7%、来年2.4%)から下方修正された。
コロナに伴うロックダウン(都市封鎖)で打撃を受けている中国経済についても、今年の成長率は4.4%、来年は4.9%と見込まれ、従来予想(両年ともに5.1%)から引き下げられた。
ロシアからのエネルギー輸入への依存度が大きく、ウクライナ戦争の影響にさらされているユーロ圏の経済は、今年が2.6%、23年が1.6%の成長率になると見込まれる。それぞれ4.3%、2.5%という従来予測から下方修正された。(ロイター)

世界商品ショック、1970年代石油危機に匹敵する衝撃も-シティ予測
2022年6月13日 22:02 JST
・今年の世界の商品購入、19年比で5.2兆ドル増える見通し
・増額分は世界GDPの5%に相当、石油危機時の水準に匹敵
商品価格の上昇で、世界の商品購入者が生産者に今年支払う金額は2019年と比べて5兆2000億ドル(約700兆円)増える見通しだ。米シティグループのアナリストが新たな基本シナリオで示した。
13日付のリポートによれば、増額分は世界の国内総生産(GDP)の5%に相当する。今年下期のフォワード(先渡し)価格が現実のものとなる場合、商品購入者は19年比で6兆3000億ドルと、GDPの6.2%相当を多く支払うことになる。(ブルームバーグ)
「リーマンより悪い」、暴落が引き起こした恐怖の記憶-債券も株も
2022年6月14日 12:40 JST
・米国債利回り急上昇、株と仮想通貨は急落-ドルは20年ぶり高値
・「市場の流動性はリーマンショックに至るまでの時期より悪い」
LPLファイナンシャルのチーフ株式ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は13日の取引が早く終わってほしいと思った。「画面から目が離せなかった」と同氏はインタビューで語った。(ブルームバーグ)

≪米国≫
4月24日、米民主党のウォーレン上院議員は40年ぶりの高水準にあるインフレ率を巡る米家計支援で追加措置が講じられなければ、今年の中間選挙で民主党は「真の苦境」に陥る恐れがあるとの認識を示した。「選挙まで200日を切っており、米家計は痛手を受けている」とし、「われわれは立ち上がり措置を実行しなければ、真の苦境に陥ると私は考えている。そうなれば民主党は敗北するだろう」と語った。バイデン政権の対外戦略、ウクライナ軍事支援等は国内のインフレ問題・サプライチェーン問題の解決もなく進められており、中間選挙対策としても失敗に終わる可能性が高くなっている。
4月10日、ラマポーザ大統領は出席した政治集会においてバイデン氏との電話が「穏やかな雰囲気だった」と述べたものの、政策は変更していない。国際的な影響力を巡る争いが終幕を迎えるのはずっと先の話だ。そして米政府は到底、強気の姿勢で振る舞える立場にはない。(ロイター)
5月9日米連邦準備制度理事会(FRB)は、半期に一度の金融安定報告を発表し、主要な金融市場全般での流動性を巡る状況悪化を警告した。「一部の指標によれば、発行間もない現物の米財務省証券と株価指数先物の市場では、流動性が2021年終盤以降に低下してきた」と指摘。「それに加え、ロシアによるウクライナ侵攻以来、原油先物市場では時々、流動性に幾分逼迫(ひっぱく)が見られる。一方、その他の影響を受けた一部の商品市場は顕著な機能不全に陥っている」とも論評した。ウクライナでの戦争や金融引き締め、物価高騰などに伴うリスクの高まりが背景にある。(ロイター)

米財政収支、5月は660億ドルの赤字 前年同月の半分に
6月10日、米財務省が発表した5月の財政収支は660億ドルの赤字と、赤字額は予想の1200億ドルより小幅にとどまった。経済が新型コロナウイルス感染の影響から回復し歳入が堅調となる一方、医療関連の支出が一段と減少した。
財務省によると、5月の赤字額としては2016年以来最小で、前年同月の1320億ドルの赤字に比べ半額となった。4月は3080億ドルと過去最高の黒字を計上していた。
5月の歳入は前年同月比16%減の3890億ドル。昨年の個人所得税の申告期限が1カ月延長され、5月中旬までとなったことが影響したという。
歳出は24%減の4550億ドル。コロナ関連の歳出が減少した。
2022会計年度(21年10月1日から)の累計では4260億ドルの赤字。前年同期の赤字額2兆0640億ドルから79%減少した。
累計の歳入は29%増の3兆3750億ドルで、この期間としては過去最高。歳出は19%減の3兆8010億ドルだった。

米貿易赤字、4月は19.1%減の871億ドル 輸出が過去最高
6月7日- 米商務省が7日発表した4月の貿易赤字は前月比19.1%減の871億ドルだった。減少率は2012年12月以来の大きさ。モノ(財)とサービスの輸出は3.5%増の2526億ドルで、過去最高となった。貿易が22年第2・四半期の経済成長に貢献する可能性を示唆した。
貿易は7四半期連続で国内総生産(GDP)を押し下げてきたが、第2・四半期は年率換算4.8%増が見込まれている。(ロイター)

≪米国内予算・議会運営≫
≪経済政策≫
4月13日、イエレン米財務長官はロシアのウクライナ侵攻を非難せずに利益を追求する国は近視眼的だと批判、西側諸国の制裁を損なう国は重大な帰結に直面すると述べた。国際通貨基金(IMF)など既存の機関を21世紀にふさわしい形に現代化する必要があるとも主張。米政府は第2次世界大戦中の1941年にIMF、世界銀行など戦後の国際金融制度の設計を開始したと指摘。新たな制度が今必要とされていると述べた。(ロイター)
これを受けて、4月13日、国際通貨基金(IMF)の理事会は13日、低・中所得国が気候変動や新型コロナウイルス流行などの長期的課題に対処するのを支援する新たな基金「レジリエンス・サステナビリティー・トラスト(RST)」の創設を承認した。RSTは5月1日に発足し、少なくとも450億ドルの調達を目指す。190の加盟国の4分の3近くがRSTを利用可能。(ロイター)
4月22日、S&Pグローバルのチーフ事業エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「多くの企業は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による需要の積み上げという追い風を引き続き受けている。同時に、物価上昇率の上昇と生活費の圧迫、根強いサプライチェーン(供給網)の遅延、労働力の制約という課題にも直面している」と指摘した。
5月31日、イエレン米財務長官は、過去にインフレ見通しで自身が間違っていたとの認識を示した。物価上昇を抑制することはバイデン大統領の最優先事項で、バイデン氏はそれを達成するための連邦準備理事会(FRB)の行動を支持しているとも述べた。「エネルギーや食料の価格を押し上げる予期せぬ大きなショックがあり、供給のボトルネックが米経済に大きな影響を与えているが、当時は十分に理解していなかった」と述べた。ロシアによるウクライナ侵攻や中国の新型コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)などショックはさまざまだと指摘した。その上で「経済へのショックは続いているものの、インフレがバイデン大統領の最大の懸念事項だ」と語った。「(バイデン氏は)インフレ抑制に必要な措置を取るFRBの独立性を強く信じ、支持している」とも述べた。
イエレン氏はFRBの取り組みを補完するため、政権は処方薬の価格抑制や医療費削減、再生可能エネルギーの利用拡大に向けた法案の推進などを行っていると説明した。コアインフレ指標が最近低下を示したことは心強いとしながらも、原油価格は高止まりしており、欧州はロシア産石油の禁輸を計画していると指摘。「さらなるショックを排除できない」と述べた。(ロイター)

米物価対策、対中関税「一点集中」より複雑=USTR代表
6月6日- 米通商代表部(USTR)のタイ代表は6日、インフレ対策は対中関税措置に「一点集中」して取り組めば解決するような単純な問題ではないとし、米国は中国との通商に計画的かつ戦略的に対応する必要があるとの考えを示した。(ロイター)

≪原油価格≫
5月5日石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」は5日に開いた閣僚級会合で、現行の緩やかな増産ペースを6月も維持することで合意した。西側諸国は一段の増産を呼びかけていたが、ロシア産原油の供給阻害の責任はOPECプラスにないとし、呼びかけに応じなかった。インベステックのカラム・マクファーソン氏は、OPECプラスはロシアを巡る問題は「欧米が自ら作り出したもの」と見なしており、OPECプラスが対応すべき根本的な供給問題ではないと考えていると指摘。大きな増産余力を持っているのはサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)のみで、「両国が増産すれば、ロシアとの対立でOPECプラスは崩壊する」と述べた。5月26日「OPECプラス」は6月2日の閣僚級会合で、昨年の合意に基づき今年7月の原油生産目標を日量43万2000バレル引き上げることを決める方針。高騰している原油価格を下げるため、より迅速な生産量引き上げを求める西側諸国に反抗する形となる。6月2日、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」は2日の閣僚級会合で、増産ペースを拡大することで合意した。西側諸国の制裁によるロシアの石油生産量落ち込みをサウジアラビアや他の加盟国が補填することになる。OPECプラスによると、7月の増産枠を日量64万8000バレルに引き上げ、8月も7月と同水準の増産ペースを維持する計画。従来は、9月までの3カ月間、月間で日量43万2000バレル引き上げる
計画だった。(ロイター)

OPEC、22年世界石油需要予想据え置き コロナ禍前上回る見通し
[ロンドン14日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は14日に発表した月報で、2022年の世界石油需要の増加を日量336万バレルとする予測を据え置いた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準を上回るとの見通しを維持した。
OPECは報告書で「現在の地政学的な動きと、今年下半期の終盤に向けたパンデミックの不透明な展開が、(石油需要が)パンデミック前の水準に回復する予測に依然かなりのリスクを与えている」と指摘。「インフレ圧力は持続する可能性が高く、地政学的な問題がいつ解決されるかは依然極めて不透明だ。とはいえ、今年後半の石油需要は健全な水準になると予想される」との見方を示した。(ロイター)

≪物流問題≫
米大統領、海運業の監督強化へ法案に署名
[ワシントン 16日 ロイター] - バイデン米大統領は16日、海運業界の監督強化に向けた法案に署名した。議員らは輸出用貨物の滞留緩和につながり、インフレ抑制にも資するとしている
具体的には、海上輸送を監督する連邦海事委員会(FMC)の調査権限を拡大し、海運業界の事業慣行の透明性を向上させる内容。
バイデン氏は海上運賃の低下につながると述べた。
FMCは海運会社の事業慣行について調査を行えるようになるほか、法執行措置を講じたり、船舶に各四半期の輸出・輸入量の報告を義務付けられるようになる。FMCが新たに決定する規制の下で、海運業者は不当に輸出機会を閉ざすことが禁じられる。
世界海運評議会は法案実施に向け「供給網の混乱を最小限に抑える方法」でFMCと協力すると表明。ただ、「海運業者は過去最大量の貨物を動かし続けており、輸送能力の拡大に多額の投資を行ってきた。米国は同様に陸上物流インフラに投資する必要がある」と強調した。

バイデン米大統領、海運運賃引き下げ法案に署名-インフレ対策の一環
2022年6月17日 16:23 JST
・新法の施行により、インフレが「少なくとも若干」和らぐと大統領
・外洋貨物船を悪者扱いする試みは的確さを欠き危険と世界海運評議会
バイデン米大統領は16日、外国航路の海運運賃引き下げを目的とする超党派法案に署名、成立した。インフレ抑制に向け政権の新たな取り組みと位置付ける。
バイデン大統領は、海運各社は「大きな利益を得る一方、コストを消費者に直接転嫁している」と批判し、「米国の家庭や農家、牧場経営者、企業に付け込む海運会社」に新法が歯止めをかけると説明した。米国の消費者物価指数(CPI)上昇率は、約40年ぶりのペースに加速している。
同大統領は、サプライチェーンの海上輸送の目詰まり緩和を狙う新法の施行により、インフレが「少なくとも若干」和らぐと主張した。
世界海運評議会(WSC)は16日、「外洋貨物船を悪者扱いする」試みは的確さを欠くだけでなく、危険だと声明で反論した。(ブルームバーグ)

焦点:貨物船不足で老朽船賃料まで高騰、世界的インフレ助長も
[シンガポール 6月21日 ロイター]
新型コロナウイルス対策の厳しい規制措置に起因する世界貿易の混乱に新造貨物船不足が重なり、本来なら解体されるはずの老朽船の用船料(賃料)が記録的水準に達している。海上輸送コストの高止まりは、この先何年も世界的なインフレを助長する恐れがある。こうした老朽貨物船の引き合いの強さにつけ込む形で、船主側は3-4年の長期用船契約を相次いで確保している。建造中の新造船が数百隻単位で就役する時期まで、消費者が高騰する海上輸送費用のツケを背負わされる結果になるかも知れない。例えばキプロス船籍の中型貨物船「シナジー・オークランド」(積載可能量は20フィートコンテナで4200個強)の場合、所有者のギリシャ企業ユーロシーズは2019年、当時で既に船齢が10年に達していた同船を1000万ドル(13億6000万円)で購入した。ところが世界の貿易活動が一挙に不安定化した昨年、この船はわずか100日間の契約で2100万ドルを稼ぎ出したのだ。この規模の船としては1日当たりの用船料は過去最高となった。シナジー・オークランドはさらに短期契約で約1000万ドルを得た後、5月に6100万ドルで4年間の定期用船契約が結ばれた。つまり3年前のユーロシーズの購入価格の6倍以上のリターンだ。ユーロシーズのパリアロス最高総務責任者はロイターに「市況が上向く中でほぼ完璧な運用ができた。コンテナ市場の歴史でこうした事例は今まで見たことがなかった」と語った。海運調査会社クラークソンズ・リサーチによると、世界のコンテナ輸送量は18年に5.6%、19年に4%伸びた後、パンデミックが起きた20年も2.9%増加した。しかしロックダウン(都市封鎖)期間中に消費財の需要が急拡大した上に、港湾で貨物処理が滞って想定より長く船舶が足止めされ、さらに新環境基準順守問題を巡る不透明感との兼ね合いなどから新造船の供給が鈍化した影響で、貨物船需給が引き締まり、用船料が高騰した。コンテナ輸送量は昨年も4.5%増加。これは主に老朽船を解体せず使用し続けたためだったが、用船料押し下げには至らなかった。ロイターが過去半年で締結された定期用船契約30件を調べたところ、船主側は数十年に1度の強気市場を背景に期間を長く、しかも用船料を極めて高水準に設定していることが分かった。海上運賃情報プラットフォーム企業ゼネタの指数に基づくと、5月のコンテナ輸送コストの上昇率は30.1%と、長期輸送運賃の月間ベースで過去最高になった。
<世界の物価を押し上げ>
専門家に話を聞くと、海上輸送コストの高騰は既に中古車からダイニングテーブル、自転車まであらゆるモノの値上がりをもたらしており、今後も消費者に痛みを与えそうだ。国際通貨基金(IMF)は、昨年のコンテナ輸送コスト上昇は世界の物価を1.5%ポイント押し上げ、米国の物価上昇率に占めるウエートはおよそ25%だったと見積もっている。IMFのアジア太平洋部門シニアエコノミスト、ヤン・キャリエールスワロー氏は「海上輸送コストが物価動向に及ぼす影響は大きく幅広い。世界中の国に波及しつつある」と指摘。ロシアのウクライナ侵攻に伴う食料や原油の値上がりを消費者が実感するのは2カ月以内だが、海上輸送コスト上昇の影響が全面的に感じられるようになるのは最長で1年もかかると付け加えた。さらに中国では新型コロナウイルス感染症の再拡大で港湾施設がまだうまく機能しておらず、造船会社は過去最高の新造貨物船を発注されているものの、大半は来年か2024年以降まで就役しない。国連貿易開発会議(UNCTAD)の物流問題責任者ヤン・ホフマン氏は「高止まりしている海上輸送料は来年のかなりの時期まで消費者物価に上昇圧力を加え続けるだろう。輸送料はまだこの先何年も、コロナ禍前より高い状態になるのではないか」と述べた。2人の船舶ブローカーが提供したデータによると、現在カリフォルニア州と中国の間を航行している貨物船「ナビオス・スプリング」は1月に3年の定期用船契約が結ばれ、用船料は1日当たり6万ドルと2年前の同8250ドルのおよそ7倍になっている。船籍がマーシャル諸島の本船は07年の建造で、最初の船主の取得価格は4200万ドル。一方、今の3年契約で得られる収入は6570万ドルだ。
<海運業界は大もうけ>
海運業界は今年第1・四半期の利益が593億ドルと、前年同期の191億ドルを大きく上回った、と専門家のジョン・マッカウン氏は話す。同氏はロイターに「海運会社は勝ち組で、彼らの大幅な増益はコンテナで運んだ全ての商品の価格上昇によって生み出されている」と説明した。世界第2位の海運会社マースクは第1・四半期が過去最高益となり、売上高も55%増えて193億ドルに達した。今年の利払い・税・償却前の利益見通しは300億ドルに上方修正されている。専門家によると、大手海運会社の一部がこうした利益をつぎ込んでいるため貨物船の価格が高値で推移し続け、運賃高騰と将来のインフレを助長することになるという。
<いつ潮目が変わるか>
クラークソンズのデータを見ると、昨年売却された中古コンテナ船は過去最高の503隻で、世界の総数の7%相当だった。今年1-5月でも108隻が売却された。世界の海運最大手メディタラニアン・シッピング・カンパニー(MSC)は20年8月以降で200隻の中古コンテナ船を購入している。クラークソンズは、今年解体されているコンテナ船はゼロのため、17年の時点で11年だった世界のコンテナ船の平均船齢は13.9年に延びたと明らかにした。
それでも、主要企業が発注した巨大新造船の多くが就役する来年ないし2年後には、貨物船需給ひっ迫局面は終わりを迎える可能性がある。世界海運協議会(WSC)のデータでは、昨年発注されたコンテナ船は計555隻、総額425億ドルと過去最高を更新。今年これまでにも208隻、総額184億ドルの注文が出ている。これら新造船の幾つかは過去最大クラスで、全長は400メートルと昨年スエズ運河で座礁事故を起こした「エバー・ギブン」に匹敵する。マースクはロイターに、昨年同社が発注した12隻は、この記事の冒頭で紹介した「シナジー・オークランド」の4倍近い大きさだと説明した。
ゼネタのチーフアナリスト、ピーター・サンド氏は、港湾施設やサプライチェーンがパンデミック以前のように機能すれば、次々に就役する新造船が海上運送コストを押し下げてもおかしくないとの見方を示した。

≪サプライチェーン≫
5月19日世界のサプライチェーン、4月に今年初めて圧力高まる-NY連銀指数
世界のサプライチェーンに対する圧力が4月に今年初めて高まったことが、米ニューヨーク連銀の指数で示された。地政学的緊張の高まりが短期的な物流の目詰まりをさらに悪化させる可能性もある。同連銀が18日に発表した4月のグローバル・サプライチェーン・プレッシャー指数は3.29となった。同指数は昨年12月の4.45をピークに、今年1月は3.74、2月と3月はいずれも2.8と低下傾向にあったが、再び上向いた。

米大統領、世界的インフラ投資のイニシアチブ表明へ-中国に対抗
2022年6月17日 10:28 JST
・26-28日にドイツで開催するG7首脳会議で発表-大統領補佐官
・米国とG7の間で数千億ドル規模の取り組みになる見通し
バイデン米大統領は中国のインド太平洋地域を中心とした国際的野心に対抗するため、世界的なインフラ投資イニシアチブを打ち出す方針だ。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が16日に明らかにした。
イニシアチブは今月26-28日にドイツで開催される主要7カ国(G7)首脳会議で発表する予定。
米国主導のパートナーシップの形態となるこのイニシアチブは、世界的インフラや身体的健康、デジタルインフラを対象とし、「中国が提供するものの代替」となる。最終的には米国とG7諸国の間で数千億ドル規模になる見通し。サリバン氏はシンクタンクの新アメリカ安全保障センター主催のイベントで明らかにした。
サリバン氏は「バイデン大統領の残りの任期における政権の外交政策の目玉の1つにする意向だ」と説明。民間セクターの資金拠出と米政府からの「比較的控えめな直接予算配分」に依存する取り組みになると語った。(ブルームバーグ)

≪環境問題≫

≪中国≫
中国外相、米主導のインド太平洋戦略は最終的に失敗する運命
王外相はパキスタンのブット外相と5月22日に広州で会談した後の声明で、「いわゆる『インド太平洋戦略』は本質的に分裂を生み出す戦略、対立を扇動する戦略、平和を破壊する戦略であることが事実によって証明されるだろう」と述べた。

中国国防相、核兵器開発で「目覚ましい進展」 先制使用を否定
[12日 ロイター] - 中国の魏鳳和国防相は12日、新たな核兵器の開発で「目覚しい進展」が見られたとした上で、使用は自衛目的のみに限定し、決して先制使用しないと主張した。シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で述べた。
中国の核兵器を巡っては昨年、新疆ウイグル自治区東部に100カ所以上の格納施設が建設されたと米紙が報道。米国務省は中国の核武装が想定以上に進んでいると懸念を示していた。
報道に関する質問に魏氏は「(中国は)自国防衛のために核戦力を開発する適切な道を常に追求してきた」と述べ、2019年の建国70周年軍事パレードで披露した大陸間弾道ミサイル「DF-41」の発射装置などは運用可能な状態で配備していると説明した。
「中国は50年以上にわたり開発を続けてきた。目覚ましい進歩があったと言ってよい」とし「中国の方針は一貫している。自衛のために使用する。核(兵器)を最初に使うことはない」と述べた。
中国にとって核兵器の究極の目標は核戦争の抑止と説明。「核戦争の惨劇から国民を守るために核戦力を開発した」と述べた。(ロイター)

対米関係は重要な岐路と中国国防相、台湾統一「必ず実現」
[12日 ロイター] - 中国の魏鳳和国防相は12日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で講演し、中米関係は重要な岐路にあり、両国関係の改善は米国の対応次第だと述べた。台湾問題にも言及し、必ず統一を実現すると語った。
 魏氏は、中国は平和と安定のみを追求しており侵略者でないとの主張を数回繰り返し、米国に「結束を強め、対立と分裂に反対」するよう呼びかけた。
11日の同会議ではオースティン米国防長官が登壇し、中国が領有権の主張で威圧的かつ攻撃的になっていると指摘していた。
人民解放軍の将官服姿で講演した魏氏は「米国の中傷、非難、脅迫」を断固拒否するとし「米は中国の内政に干渉するのをやめることだ。そうしない限り、二国間関係は改善されない」と主張した。
今回の会議で主要テーマとなったロシアによるウクライナ侵攻について、中国は和平交渉を支持し「武器の供与や最大限の圧力をかける」ことには反対だと強調した。
「この危機の根本的な原因は何なのか。黒幕は誰か。誰が一番損をするのか、誰が最も得をするのか。誰が平和を推進し、誰が火に油を注いでいるのか。これらの質問の答えは誰もが知っていると思う」と述べた。自らの問いに答えず、中国の立場も明らかにしなかった。
台湾問題については、「台湾は(中国の)省(日本の県に相当)の一つであり、中国の立場に変わりはない」と表明。台湾との「平和的統一」を目指しているが「他の選択肢」も温存していると述べた。
「中国は必ず統一を実現する。中国を分裂させようとして台湾の独立を追求する者は良くない結末を迎える」と述べた。
新型コロナウイルスへの世界的な取り組みに中国は貢献したと主張し、南シナ海の島や礁での開発は平和的なものと説明した。
大国も小国も、弱者も強者も、みな平等である。われわれは互いを尊重し対等に接するべきだ」と述べた。(ロイター)

中国国防相、米国のインド太平洋戦略を批判-対立あおると主張
2022年6月12日 11:45 JST
中国の魏鳳和国防相は12日、米国のインド太平洋戦略が両国を対立に向かわせていると警告し、中国の「威圧的行動」に抵抗するアジア諸国を支援すると表明したオースティン米国防長官を極めて強い言葉で非難した。
魏国防相はシンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ会合)で演説し、オースティン長官が同会合で前日示した戦略を中国の発展を封じ込めるための取り組みだと指摘。「われわれにとって、この戦略は自由で開かれたインド太平洋という名の下に排他的な小集団を組み、われわれ地域の国々をハイジャックし、特定の国を標的にする試み」だと述べた上で、「他国を封じ込めて包囲するため、衝突と対立を生み出す戦略だ」と主張した。(ブルームバーグ)

中国海軍3隻目の空母「福建」が進水 中国 国営メディア
2022年6月17日 15時18分
中国の国営メディアは、海軍が建造を進めていた3隻目の空母が17日、進水したと伝えました。最新鋭の空母をアピールすることで、習近平国家主席の求心力を高めるねらいがあるとみられますが、アメリカや周辺国の警戒感がさらに強まることは避けられない見通しです。
中国国営の新華社通信によりますと、海軍が建造を進めていた中国としては3隻目となる空母の進水式と命名式が現地時間の17日午前、上海の造船所で行われました。
 空母は「福建」と名付けられ、排水量は8万トン余りとすでに就役している2隻の空母と比べて大型化しています。
 さらに、艦載機を加速して発進させることができる電磁式の「カタパルト」という装置が初めて装備されたとしています。
 中国は「今世紀半ばまでに世界一流の軍隊をつくる」という目標を掲げて軍事力の増強を進めていて、これまでに初の空母「遼寧」と、初の国産空母「山東」の2隻を就役させるなど、とりわけ海軍力の強化に力を入れています。
 このうち、2017年に進水した「山東」は、装備の取り付けや航行試験などを経て就役までに2年余りかかっていることから、今回の「福建」も就役には数年かかるとみられます。
 中国としては、習近平国家主席の共産党トップとして異例の3期目入りがかかることし後半の党大会を前に、最新鋭の空母をアピールすることで、習主席の求心力を高めるねらいがあるとみられますが、急速な軍備の増強にアメリカや周辺国の警戒感がさらに強まることは避けられない見通しです。 

国家主席とプーチン大統領が電話会談
2022年6月15日 21時22分 中国
中国の習近平国家主席はロシアのプーチン大統領と電話で会談し、ウクライナ情勢をめぐって、中国は欧米とは一線を画す対応をとってきたとしたうえで、「各国は責任ある方法で、ウクライナ危機の適切な解決を推し進めるべきだ」と強調しました。
中国外務省によりますと、習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は15日午後、電話で会談を行いました。
 この中で、習主席は、「世界的な激動に直面しながらも中ロ関係は良好な発展の勢いを維持してきた」と指摘したうえで、中国としてロシア側と実務的な協力を安定的に推進させたいという考えを示しました。
 これに対し、プーチン大統領は、「習主席の強力なリーダーシップのもとで、中国は際立った発展を遂げている」と述べたうえで、中国とともに、より公正で合理的な国際秩序を築くため、建設的な努力を行いたいという考えを示したということです。
 そして、ウクライナ情勢をめぐって、習主席は、「中国は常に、ウクライナの問題の歴史的経緯を踏まえ、独立した判断を下し、世界の平和や経済秩序の安定を積極的に推進してきた」と述べ、ロシアへの制裁を強める欧米とは一線を画す対応をとってきたことを強調しました。
 そのうえで、習主席は、「各国は責任ある方法で、ウクライナ危機の適切な解決を推し進めるべきで、中国は、引き続き、しかるべき役割を果たしていきたい」と述べたということです。

≪ロシア≫
4月28日、バイデン米大統領は議会に対し、ウクライナへの軍事、経済、人道支援として総額330億ドル(約4兆3000億円)の緊急資金を議会に要求。「ウクライナと、自由を求める同国の戦いを支援するためこの法案が必要だ」とし、「兵器と資金、弾薬を提供し、こうした支援でウクライナの人々の勇気と犠牲を意義あるものにしなければならない」と述べた。(ロイター)
28日、米国のオースティン国防長官はウクライナ戦争に触れ、米国とロシアの代理戦争の様相を深めているとの見方を否定した。記者団の代表取材の会見で「これまでも、また現在も明らかにウクライナの戦いである」と指摘。(CNN)
4月20日、トルコのメブリュト・チャブシオール外相は北大西洋条約機構の一部加盟国が、ロシアを弱体化させることを狙って同国とウクライナとの間の紛争の長期化を望んでいると非難した。(AFP)
米政府が13日に発表した8億ドル(約1000億円)相当の追加支援には、155ミリりゅう弾砲18門、砲弾4万発、装甲兵員輸送車「M113」200台、ヘリコプター「Mi17」11機、多目的装甲車100台が含まれている。米国防総省のジョン・カービー報道官は、ロシアの侵攻を受けて北大西洋条約機構域内の東部に配備されている米部隊が、最新鋭のりゅう弾砲の運用について、ウクライナ兵に対する訓練を「今後数日以内に」開始すると述べた。
一方で、米国はウクライナに大量の武器を供与しているが、国境を越えて送り込んだ対戦車ミサイルや地対空ミサイルなどの兵器がどうなったかを確認する方法はほとんどないと、関係者がCNNに証言した。バイデン政権はそのリスクを認識した上で、武器を供与している。短期的な観点から米国は、ロシア軍の侵攻に対してウクライナが持ちこたえるためには大量の兵器の供与が不可欠とみている。(CNN)
また、 現地に米軍がいないことから、米国や北大西洋条約機構(NATO)はウクライナ政府が提供する情報に大きく依存する情況にある。ウクライナには、自分たちへの援助を増やし、武器の供与を増やし、外交支援を増やす根拠となる情報しか提供しない動機があることは、米当局者も認識している。
「これは戦争だ。彼らが公にする行動や発言は全て、自分たちが戦争に勝つことを目的としている。公式発言は全て情報作戦であり、全てのインタビューも、ゼレンスキー(ウクライナ大統領)の放送出演も全て情報作戦だ」。西側の情報に詳しい別の関係者はそう語り、「彼らがそうすることが間違っているという意味ではない」と言い添えた。(CNN)
この報道に対して、4月13日、ロシアのリャプコフ外務次官はロシアはウクライナ領内で武器を運搬する米国と北大西洋条約機構(NATO)の車両を合法的な軍事標的と見なすと述べた。ウクライナのゼレンスキー大統領の狙った、米国・西欧諸国対ロシア(中国・インド)の対立構図が明確となった。
経済・政治のブロック化が鮮明となり、第一次・第二次大戦当時の戦争拡大のきっかけ状況と似てきた。
ロシア、ウクライナに次世代レーザー兵器投入=ボリソフ副首相
5月18日、ロシアのボリソフ副首相(軍事開発担当)は、ロシア軍がウクライナでの戦闘に次世代レーザー兵器を投入していると明らかにした。西側諸国がウクライナに大量の防衛兵器を提供する中、ロシアが実態のほとんど知られていない最新兵器を攻撃に利用していることが分かった。
ロシアのボリソフ副首相(軍事開発担当)は18日、ロシア軍はウクライナでの戦闘に次世代レーザー兵器を投入していると明らかにした。西側諸国がウクライナに大量の防衛兵器を提供する中、ロシアは実態がほとんど知られていない最新兵器を攻撃に利用していることが分かった。
ロシアのプーチン大統領は2018年に新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)のほか、水中原子力ドローン、極超音速兵器、新型レーザー兵器などの最新兵器を発表。新型レーザー兵器の詳細はほとんど知られていないが、プーチン氏は中世の僧侶で兵士だった「アレクサンダー・ペレスベット」にちなんで「ペレスベット」と名付けられたレーザー兵器について言及していた。
ボリソフ副首相はこの日、モスクワで開かれた会議で、ロシア軍はペレスベットをすでに広範に配備していると表明。ペレスベットは地表から1500キロ上空にある衛星の機能を停止させることができると明らかにした。
その上で、ロシア軍はペレスベットよりも強力にドローン(小型無人機)などを破壊できる兵器を保有しているとし、17日に実施された試験で5キロ先にあるドローンが5秒以内に燃焼したと表明。「ペレスベットで機能停止が可能だが、次世代のレーザー兵器では標的を燃焼させ、物理的に破壊できる」と述べた。兵器の名称は「ザディラ」であると明らかにした。
次世代レーザー兵器』に関する記事は『核兵器』以上の戦争のあり方、宇宙における世界制覇の先駆けとなり、衛星破壊等により混乱が生じ、コンピューター等の基本インフラの安全性への警鐘となる。GPSによるロケット誘導による攻撃が有効でなくなる。

ロシア、希ガス輸出を制限 半導体市場で供給不足悪化も
ロシア貿易省は2日、半導体生産に必要なネオンなど希ガスの輸出を今年末まで制限したことを明らかにした。ロシアはネオンを含む希ガス3種類(訂正)の世界供給で3割を占める。
世界の半導体市場で供給不足を悪化させる可能性がある。希ガスはウクライナが世界有数の供給国だったが、同国は3月にマリウポリやオデーサ(オデッサ)の工場を停止した。
ロシアは日本などに希ガスを輸出してきたが、政府が5月30日、今年末まで特別許可の取得を義務付ける方針を示した。
貿易省のシュパク次官は2日、輸出制限について「壊れた(サプライ)チェーンを再編成して新たに構築する」機会になるとロイターに述べた。
またロシアは近い将来に希ガス生産能力を拡張する計画だとし、「世界の(サプライ)チェーンの中でわれわれの主張を聞いてもらう機会になり、互恵的な交渉を行う必要があれば優位性を得られる」と述べた。(ロイター)

ロシア、BRICSに協調要請 経済安定化に向け
6月6日、ロシアのシルアノフ財務相は、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)に対して、経済情勢の安定化に向け協調して措置を取るよう呼びかけた。シルアノフ氏はBRICSの閣僚・中央銀行総裁会議で、世界的な金融引き締めや西側による制裁が世界的なスタグフレーションや食糧危機のリスクを生じさせているとの認識を示した。また、世界の為替・金融システムへの信頼感が損なわれる中、世界的な経済危機のリスクを指摘した

プーチン氏、特別作戦の継続再確認 「対西側」鮮明に
[17日 ロイター]
ロシアのプーチン大統領は17日、「ロシア版ダボス会議」と呼ばれるサンクトペテルブルク国際経済フォーラムで演説し、米国などが植民地主義的傲慢さで「愚かな」制裁を発動しロシアを崩壊させようとしていると非難し、西側への対抗姿勢をあらわにした。
ロシアのプーチン大統領は17日、米国が他国を「植民地」として扱っていると非難した。モスクワで7日撮影。大統領府提供(2022年 ロイター)
<「特別軍事作戦」を継続>
演説は1時間以上に及んだ。
「われわれは強く、どんな困難も対処できる。祖先と同様、どんな問題も解決する。わが国の1000年の歴史が示している」と訴えた。
欧米から「前例のない」経済制裁の集中砲火を引き起こしたウクライナでの「特別軍事作戦」を継続する決意を再確認すると、欧米の参加者がほとんどいない会場から喝さいを浴びた。
ウクライナ侵攻の主目的は、ロシア語話者が多い東部ドンバス地域の「我々の」国民を守ることと説明。ドンバスでロシア兵はロシア自身の「発展を確保する権利」を守るために戦っているとした。
「西側は以前の義務を果たすことを根本的に拒否しており、西側と新たな協定を結ぶことは不可能なことが判明した」とし「われわれにとってリスクと脅威が増大している現在の状況を踏まえ、特別軍事作戦の実施という決断をせざるを得なかった」と述べた。
<制裁を非難>
プーチン氏は、侵攻を「自国の安全保障を守る権利を持つ主権国家」の行動と称し、西側諸国は反ロシア感情をあおるだけでなく「ウクライナの領土を積極的に軍事利用」していると非難した。
米国については、自らを「地上における神の使者」と考えていると指摘し、西側の制裁はロシアに経済的主権がないという誤った前提の上に成り立っていると述べた。
米国とその同盟国が「歴史の流れを変えようとしている」とも述べた。
<制裁の代償>
プーチン氏は、制裁を科した西側が払う代償にも言及。EUは今年4000億ドル以上の損失を被る可能性があると指摘した。
世界的な食料価格高騰はロシアが引き起こしたとの指摘については、5-6トンのウクライナ産小麦や6-7トンのトウモロコシが輸出できないからといって「状況が変わるわけでない」と一蹴した。
ロシアはウクライナ産穀物を積載した船舶の黒海通過を保証する用意があるとする一方で、ウクライナにはベラルーシ、ポーランド、ルーマニアを経由する5-6通りの輸出経路があると述べた。(ロイター)

プーチン氏、欧米を痛烈批判 「一極世界の時代」の終焉を宣言
2022.06.18 Sat posted at 10:30 JST
ロシアのプーチン大統領は17日、「サンクトペテルブルク国際経済フォーラム」で欧米諸国を痛烈に批判する演説を行い、「一極世界の時代」の終わりを宣言した。
プーチン氏は演説で「米国は冷戦に勝利したとき、自分たちは地上における神の代理人であり、何の責任も負わず国益のみを有する国民だと宣言した。そして、こうした国益は神聖なものだと宣言した」と指摘。いまや国際関係は一方通行となり、世界の不安定化を招いているとの認識を示した。
演説は「大規模な」サイバー攻撃のため予定から1時間半あまり遅れた。ロシア大統領府のペスコフ報道官は急きょ開いた記者会見で遅延の理由を説明し、会議のシステムに対し分散型サービス妨害攻撃があったと説明した。
誰が攻撃に関与したのかは不明。ハッカー集団の「ウクライナIT軍」は今週、SNSのテレグラムで、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムを標的として名指ししていた。
毎年恒例のフォーラムでの演説は、プーチン氏が約4カ月前にウクライナ侵攻を命じて以降で最も中身のあるものの一つであり、世界が同氏の思考を垣間見る機会になるとみられていた。
プーチン氏は登壇するなり、前置きなしに米国やその同盟国への批判を展開。「彼らは妄想にとらわれ、過去の中に自分たちだけで生きている。自分たちが勝ったのだから、あとは全て植民地、裏庭だと考えているのだ。そこに暮らす人々は二級市民だと」と指摘した。
ロシア政府がウクライナに対する戦争を指して使う「特別作戦」にも触れ、「欧米がすべての問題をロシアのせいにする好機になった」と指摘した。食料価格の高騰についても、「米政権と欧州の官僚」に責任を転嫁しようとする姿勢を示した。
プーチン氏はこれまで、ウクライナ侵攻の決定について、ウクライナが欧米と外交・安全保障上のつながりを強めていることへの対抗措置と位置づけてきた。先週には、ウクライナでの戦争の目的はロシアを帝国として復活させることにあると示唆していた。(CNN)

≪民主主義サミット≫
22年5月10日、メキシコのロペスオブラドール大統領は、米国が来月開催する米州首脳会議について、域内の全ての国が招待されなければ出席を見合わせる意向を示した。また、米国が中米諸国に十分な投資を行っていないと批判している。会議では、移民、環境、民主主義について協議する予定。中南米の2大国であるメキシコとブラジルの首脳が欠席すれば打撃となる。(ロイター)

米州首脳会議、メキシコ大統領が欠席 キューバ・ベネズエラは除外
6月6日、メキシコのロペス・オブラドール大統領は、バイデン米大統領が今週カリフォルニア州ロサンゼルスで開催する北米と中南米カリブ諸国による米州首脳会議への出席を見送ると発表した。全ての国が招待されているわけではないためとした。米国は今回の会議を通じて、トランプ前大統領の下で傷ついた中南米との関係を改善し、米国の影響力を改めて高め中国に対抗することを目指していたが、招待国を巡る対立で目標達成は不透明になっている。(ロイター)

米州は供給網強化へ投資必要、首脳会議でバイデン大統領
6月8日 バイデン米大統領は8日に開幕した米州首脳会議の冒頭で、同地域はサプライチェーン(供給網)をより確実かつ強固にするために投資する必要があると述べた。

米州首脳会議、移民問題対応で共同宣言採択 実効性に疑問符
 6月10日
米カリフォルニア州ロサンゼルスで開催されていた米州首脳会議は移民問題に取り組む共同宣言を発表して閉幕した。共同宣言は20カ国が採択。米国とカナダがゲストワーカーと呼ばれる短期労働者の受け入れ拡大を約束し、その他の国は移民保護を強化することに同意した。
首脳会議は、米国が左派国家のキューバ、ベネズエラ、ニカラグアを排除したことに反発し、メキシコ、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルの首脳が出席を見送り参加国は21カ国に減った。
共同宣言には中南米最大の国ブラジルの方針も入っていない。また米国のメキシコ人への就労ビザ発給拡大にも言及していない。(ロイター)

≪デジタル通貨≫
デジタルドル、ドルの国際地位維持に貢献する可能性=FRB議長
[17日 ロイター]
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は17日、米ドルの公式デジタル通貨を開発すれば、他国がデジタル通貨を発行する中で世界におけるドルの支配的地位を維持することに寄与するとの認識を示した。
パウエル氏はFRBが開催したドルの国際的役割に関する研究会合の冒頭で「米国の中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)はドルの国際的地位を維持するのに役立つ可能性がある」と述べた。
FRBはデジタルドル構想に関する4カ月間の意見公募を締め切ったところだ。この構想について、ブレイナード副議長が推進派の筆頭に立つ一方、ウォラー理事は難色を示している、
パウエル氏は「寄せられた意見を検討する際には、世界の現状とともに、今後5年から10年で世界の金融システムがどのように進化していくかも考慮することになる」と述べた。現在10カ国がすでにCBDCを発行し、さらに105カ国が検討中とされ、ドルの支配的地位が揺らぐのではないかと懸念されている。
パウエル氏は、ドルはなお透明性、法の支配、FRBの完全な独立性へのコミットメントなど、主要なファンダメンタルズに支えられていると説明。
FRBが物価安定の責務を果たしていることが、価値の貯蔵としてのドルへの幅広い信頼に寄与しているとし「そのために、われわれは、インフレ率を目標の2%に戻すことに注力している」と述べた。(ロイター)

≪北朝鮮≫
5月4日、5月8日、北朝鮮が弾道ミサイル1発発射。5月12日弾道ミサイル3発発射。5月23日大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含め3発発射。6月5日、短距離弾道ミサイル8発を発射。6月12日午前に複数の放射砲(多連装ロケット砲)を発射。今年18回目。

≪中東≫
イスラエル外相、サウジとの国交正常化で早期妥結期待せず
5月30日、イスラエルのラピド外相は、サウジアラビアとの国交正常化について、合意がまとまるまで「長く慎重な過程」になると予想した。イスラエルは2020年に米政府の仲介でアラブ首長国連邦(UAE)やバーレーンなどイスラム圏の4カ国と国交正常化で合意しており、この流れでサウジとも正常化を実現したい考え。サウジはパレスチナ問題の解決が国交正常化の条件としている。ラピド氏は軍のラジオ放送でサウジと合意がまとまっても20年のようなサプライズにはならず、「双方にとって長くて慎重な過程になるだろう。両国ともに安全保障上の国益がある」と語った。この問題で米国や湾岸諸国の一部と連携しており、エジプトが重要な役割を果たしているとも述べた。



2022年06月28日更新


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