為替レポート

11月21日~11月25日週

【為替の動向】
ドル/円(24時間)
11/21(月)11/22(火)11/23(水)11/24(木)11/25(金)
OPEN140.007142.134141.240139.589138.613
HIGH142.252142.245141.613139.630139.595
LOW140.007141.080139.158138.035138.369
CLOSE142.135141.213139.587138.587139.120

先週のドル円レンジ:138.04円~142.25円

11月08・15日 IMM通貨(円)先物動向(更新なし)
円:75258枚の売り越し 前週比2362枚の売越減(11月08日)
円:65842枚の売り越し 前週比9416枚の売越減(11月15日)

 先週は、新型コロナ(オミクロン変異種)の感染拡大は継続している。新種「BA.5」の変異種(派生型の「BF.7」・「BQ.1」と「BQ1.1」他)の感染拡大が始まった。パンデミックは終わっていない。日本では、第8波の警戒が報道されている。やっと、シオノギの治療薬が承認され、その普及が期待される。今後、重傷者・中等傷患者が減少し医療機関の逼迫リスクの軽減効果もある。しかし、コロナによる後遺症で感染後、就業に問題が生じているとの報告もある。
 さらに、ウクライナ戦争の長期化に起因するインフレ加速(エネルギー・食料・肥料・・・)そして、日本を除く欧米各国の利上げによる対応で世界経済の景気減速が数値に表れておりソフトランディングのシナリオに警鐘がなっている。米国ではアマゾン・ツイッター社等のIT企業中心に人員整理が始まっている。大型の企業倒産がないことが幸いしているが・・・。
 ウクライナ戦争の休戦・停戦の動きがない。トルコ、インドネシア等の調停役が出ても本来の当事者がテーブルに乗ってこない。トルコ経由の穀物輸出および肥料となるアンモニアの輸出に進展があった。ロシア・ウクライナ産の穀物および肥料の世界に及ぼすインフレの原因になっている。欧米の武器供与がさらに追加され・ウクライナへの追加経済援助もあり泥沼化している。一方、11月6日、ポーランド国境で誤射か意図的なものかは調査中であるが、ロケット弾による2人の犠牲者が出た。ポーランドの犠牲者が出たことについて、ウクライナ軍によるロケット誤射であったことが明らかになりつつあり(明確な発表がない?)、欧米の軍事援助に対する牽制の声が出始めている。
 また、ロシアのウクライナへの電気・水のインフラ攻撃が激化している。11月21日、世界保健機関(WHO)はロシア軍の攻撃でウクライナの電力インフラが破壊され、越冬で数百万人が「命の危機にさらされる恐れがある」と警告した。ウクライナのゼレンスキー大統領も「大量破壊兵器に等しい犯罪行為だ」とインフラを狙い撃ちするロシアを非難するとともに、国民に節電を呼びかけた。(日経)
 兵法上、戦争であれば当たり前の戦略であるが西欧諸国は国際法違反として非難している。欧米諸国は、自国民の戦争による犠牲者が出ていないこともあり机上の空論的な『民主主義』・『人権侵害・養護』を標榜、政治的要素により、結果的に自国民にこれまでと異なる生活の窮乏を余儀なくさせている。政治的要因によるインフレの影響で、日本も電気・ガス・水道料金の高騰、各種食料品の値上げが始まっている。
 さらに、欧米諸国がロシアのみを標的にし、ウクライナを援助する背景が何であるか報道されている。
 11月16日『焦点:暗転する北極圏 軍事的優位に立つロシア、追うNATO』(11月16ロイター)
 『ロシアにとっては、ヤマル半島の液化天然ガスプラントも含め、北極圏地域には膨大な石油・天然ガス資源が眠っている。ロシアの北方を拠点とする船舶が大西洋に到達するには、「GIUKギャップ」と呼ばれるグリーンランド、アイスランド、英国のあいだの水域を抜けるしかない。ロシアのミサイルや爆撃機が北米に到達する最短の空路は、北極点の上を通過する。NATO加盟国にとって、北大西洋をまたぐ連携を保つ上でGIUKギャップは非常に重要だ。また、油田・ガス田も存在する。ノルウェーは今や欧州最大のガス輸出国だ。スウェーデンとフィンランドが加盟すれば、北極圏諸国8カ国のうち7カ国がNATO加盟国ということになる。米バージニア州ノーフォークに本拠を置くNATO統合軍司令部の司令官を務めたアンドリュー・ルイス氏は、ロイターの取材に対し、現在では軍民双方の利用者をつなぐ通信ケーブル及び全地球測位システム(GPS)を含む衛星システムもリスクにさらされている、と語った。』(ロイター)
 北極圏の地下資源および軍事的な脅威、超高速ミサイル・潜水艦・核兵器搭載可能なロケットシステムの配備態勢と到達距離の短さ等ロシアに対する防衛の意識が高まっている。米国によるNATOの結束および欧米各国の防衛費に関する記事が多くなった背景がここにある。さらに北極圏での中国が参加した共同軍事演習もありその脅威は、ロシア・中国に対する経済制裁および各種の規制強化に結び付く。そして、中国対応の軍事的対応・先端技術の囲い込み競争が表面化してきた。『終わりなき新冷戦』の始まりといえる。ウクライナは別の見方をすれば、政治的覇権争いの『代理戦争』の犠牲者かもしれない。そのあおりは、エネルギー・食料等のインフレ問題となり、食糧危機として世界各国の国民〈80億人〉に及んでいる。
 一方、ECB・英国・米国等の欧米諸国の中央銀行の追加利上げ実施があり、さらなる追加利上げに対する発言が報道されている。一方、インフレ対策としての利上げによる実体経済の影響が指数に表れ始め、各国国民の生活が脅かされている。企業への影響はこれからで、収益確保の価格転嫁による値上げが続いている。現状、9月期までの企業収益は今の段階ではよいようだ。さらに11月4日の米国失業率の発表でさほど影響が数字に出ていない。『米経済が向こう1年間にリセッション(景気後退)に陥るのは事実上確実(100%)となったことが、ブルームバーグ・エコノミクスの予測モデルで示された。』(ブルームバーグ)との報道があり、これに対して、バイデン大統領は『リセッションが起きても浅い』との認識を示している。政治問題を経済問題にすり替えようとしている。サプライチェーンの亀裂、コロナ対応・ウクライナ戦争を起因とするエネルギー・食料品等の生活基盤のインフレは放置されたままで収まりそうにない。譬えウクライナ戦争が休戦・停戦となっても、エネルギー・食料問題がすぐに解消することは考えられず、インフレおよび食糧危機は長期化する。米国・欧州の世界のリーダーシップを発揮するという意味合いがピント外れとなっている。
 インフレ対策として利上げしかないとの幻想が見られる。中央銀行の物価対応という使命・役割はそこにある。しかし、金利にのみ頼ることで、経済に悪影響を及ぼすことは周知の事実である。日本ではバブル崩壊後、銀行・証券の倒産と再編成並びにデフレ発生の経験がある。通常利上げによる影響が表れるにはタイムラグがあり、今後3~6か月の結果を見なければわからない。さらに利上げという特効薬は即効性がない。この点が財政と異なっている。大型倒産がないことの安心感が広がっており、現状賃金上昇と価格転嫁による収益確保がかろうじて機能している。その恩恵で欧米各国の失業率が低い。金融・財政担当者は、経済が失速して不況にならない程度(多少の企業倒産・失業者の増加はやむなしの発言が散見される。)の利上げ水準とスピードを探っている状況と思われる。欧米各国の国家財政の担当者は原資の制約があり、プライマリーバランスの呪縛(欧米式財政論)があり、財政・貿易等のバランス上、財政投資という手法が容易に使えず、すべての対応が遅れている。不況という現実に接していないこともある。こうした中、自国第一主義を標榜する政権が英国・イタリアで誕生した。残念ながら、英国トラス首相の法人減税等の政策案は、英国債の波乱要因となりクワーテング財務相の解任劇となり。トラス首相の辞任劇となった。その後、スナク元財務相が次期首相就任することになった。財源の確保問題が棚上げされたが今後の政権運用が不明となっている。現状、不景気でないこともあり、インフレで苦しむ国民生活保全の方法が模索されている。10月21日、格付け会社ムーディーズは、高インフレと軟調な成長見通しの中で政策の不確実性が高いとして、英国のソブリン債格付けに対する見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。(ロイター)英国財政に余力がないことの証左であろう。さらに、英国シティの金融機能の凋落・空洞化が報道されている。
 また、時の政権で選出された中央銀行の責任者は、政治に口出しできない現実がある。独立性が担保されているとはいっても、議会における説明責任であって形式的なものとなっている。トランプ政権以降、米中・米ロの政治的な対立と経済制裁に頼ったがため、物価上昇を引き起こし、その根本問題の解消に対する発言もなく、インフレの問題と景気悪化をさらに拡大させている。これらの問題を修正するには、政府および金融担当者の判断を待つのではなく、各国国民の貧富格差・生活苦による反発が必要なのかもしれない。11月8日、米国は上院・下院の中間選挙を迎えた。最終的な結果は出ていないが、民主党の下院は過半数割れとなり、今後の政権運用が難しくなった。さらに2021年以降、ドル高を標榜した結果、インフレ問題と歩調を合わせるように発展途上国の債務問題が懸念され始めている。11月16日、インドネシアバリ島でのG20 で議題に上ったものの深く審議されなかった。欧米中心の枠組みを壊すまでには至らなかった。トランプ政権時の政策をさらに推し進めた、自国第一主義を推し進めた結果のようだ。軍事面・経済面で圧倒的優位さが無くなったことが確認され、ドルインデックスの修正が入り始めた。IMM 通貨先物でドルが売り越しに転じたとの報道(19日ロイター)もある。
 米国の場合、最近の現象は過去と違い、賃金アップが伴ったコストアップ・インフレとなっているが、食料品・家屋等の消費財の価格が、中間層以下の一般大衆の手の届く水準を超えている。収入の少ない大衆は、食費の切りつめ、医療費の削減等の対応をしているとの報道がある。結果的に、貧富の格差が広がっている。
 物価上昇の原因が、モノ不足から生じたのではなく、あらゆる商品の原材料半導体等の高騰が、これまでサプライチェーンに組み込まれていた、対象国(中国・ロシア・イラン等)への経済制裁・規制から生じたものである。政治的な要素が大きい。今後、シンギュラーポイントを超え、高価格商品の供給品(在庫)があふれ、需要サイドの消費の落ち込みから企業倒産・失業者増となり、連鎖的なスタグフレーションとなる可能性が高い。あらゆるインフレの原因が解消されず、長期化が予想される。企業倒産・失業問題が現実味を帯びるのはこれからだ。日本では中小企業の倒産が報道されている。
 また、為替操作目的の利上げ発言が散見される。米国一人勝ちによるドル高の影響で日本・欧州・英国・新興国では、通貨安となっている。インフレ対策として利上げが報じられており、米国との利上げ競争となってきた。通貨安の防衛策の意味合いが強い。通貨防衛はインフレ圧力削減に必要であるが、米国による為替操作国に指名されることを避けている。9月以降何度か為替介入を行ったようだが機能せず円安が進んだ。10月21日、政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入に踏み切った。151円台から145円台に押し下げたが147円台で取引は終了。エコノミストは外貨準備高を材料にその効果を否定的に評価している。
 しかし過去の為替介入水準での介入は最終的に成功しており、その後為替利益を出している。しかし、目先の問題として、通貨安はインフレの原因となり、最終的に国民が犠牲者となる。各国政府の国民に対する対応が問われている。新たな産業創出でない限り、国民の税金の負担を増やすことになる。米国を除く日本・欧州・英国・中国の通貨安の影響が出ており、インフレ対策の一つとして協調介入の可能性が高まりつつある。中国は通貨防衛を始めたようだ。一方、欧州英国は利上げを材料としているが、経済の悪化が現実のものとなり始め、インフレ対策とした利上げによる通貨防衛に限界が見えている。ポンド・ユーロ安が続いている。米国の4度の0.75%利上げがあり、その幅およびスピードが早急となっている。発展途上国に対するドル建て債務への配慮もない。資金を米国に集める基本政策の限界が始まっている。
 政治問題として、大義名分の『民主主義対権威主義』の議論が活発となっている。いつの間にか歴史背景(政治史・哲学・宗教)を基本とした『自由・平等・博愛』の国家・国民として相互不干渉・権利・義務・および制約の基本理念を忘れ、『人権侵害』を標榜する『民主主義』を唱え、国民目線・生活を無視・犠牲とした政治・国家体制の『イデオロギー』の対立となってしまった。一方、背景となる欧米諸国を基準とした『資本主義』の問題点・欠陥が露見している。基本的に『共産主義』対『資本主義』の『イデオロギー』の対立で始まったことであり、共産主義国であったソ連は崩壊、その後ペレストロイカと称して資本主義の導入でプーチン政権となった。中国は共産党を主軸としながらも鄧小平以降資本主義の導入で今に至っている。選挙を通じて議会が成り立っており、すべて『民主主義の一形態』にすぎない。この歴史的な背景を忘れ民主主義という言葉の遊びとなっている。『表現の自由』があるか制限されるかの違いにすぎない。法哲学的には『自由という権利』の裏返しの『他人に迷惑をかけてはいけないという義務』がある。何をやってもいいということはありえず、これを制限するための『法律』がある。その上で政治は、一般国民の生活が裕福かどうかの判断で決まる。
 欧米諸国の選挙もありリップサービス並びに自国第一主義の傾向となっている。インフレを含めた本質的な原因が何であるかの視点が見過ごされている。
 一方で、バイデン政権が見過ごしてきた極東地区の北朝鮮の核兵器を含めロケット・ミサイル発射が9月25日以降活発となり、ミサイル技術の高度化が確認され、既存の防衛能力(レーダー・衛星による追視監視体制・迎撃態勢)での対応に疑問符がついている。11月月18日米国本土を射程に攻撃できるICBM(大陸間弾道弾)の実験に成功した模様、地政学上の円安材料となっている。
 現状、資源大国ロシアの反乱(オイルショックに類似)が起きており、国際規律の再構築への挑戦が始まっているとみることができる。米国主導による政治・経済体制は、米国および先進国(G7)対中国・ロシア諸国の対立構造となり、2極構造となりつつある。インド・中東諸国・パラオ島の南西諸島は中立の立場をとっている。西側諸国(欧米先進国)軍事力並びにサプライチェーンの世界覇権問題に絡めて、『防衛』と称してこれを防ぐための経済制裁の嵐(応酬)が吹いている。バランスある落としどころを考慮して、政治と経済を複合的に考える議論が必要である。
 欧米の軍事援助を受けたウクライナ軍の反撃が始まりロシア軍の撤退が報道されている。ウクライナ東部・南部へウクライナ軍の兵力集中を目論んだ作戦のようだ。兵法の一手段であろう。兵力分断作戦といえるか。一方、ロシア軍のウクライナ主要都市の電気・水道のインフラ攻撃が始まっている。また、ロシアは11月の米国中間選挙の結果をにらみ、長期戦へ方針転換し、欧州諸国の経済減速を待ち、冬場を迎え寒さ対策として必要な暖房資源・を武器として使用、西欧諸国の国民の不平不満爆発を我慢強く待っているように思われる。さらに全人代後の中国の出方を待っているようである。ドイツの首相が中国州主席を訪問した。
 プーチン大統領は、ソ連崩壊前後の状況を起草しているのだろう。さらに、北極圏の資源・軍事力の覇権争いの優位性もあって、2月のウクライナ侵攻を決めた可能性が高い。しかし、世界世論を背景に欧米の政治家によって持ち上げられたウクライナ大統領の世界世論を動かす行動力、そして欧米諸国の政治家の協力・援助、さらに世界のマスコミ操作・国連の共鳴は考慮していなかったようだ。
 9月30日、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ東・南部のルガンスク、ドネツク、へルソン、ザポロジエ4州の併合を宣言し、4州の親ロシア派代表と併合条約に署名した。これに対して、ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)に対し迅速な加盟を可能にする手続きを正式に申請すると表明。米英などが追加制裁を発表したほか、主要7カ国(G7)外相はロシアを非難する共同声明を発表した。停戦休止のきっかけが無くなり、ウクライナ戦争の長期化が決定的となり、ウクライナ軍による反撃が始まった。一方でウクライナ復興資金が7500億ドルと表明しその援助を西欧諸国に要望している。
 また、米国・ロシアとも、旧式の軍備品の在庫一掃セールが進み、最新兵器の販売で米国一人勝ちとなっている。朝鮮戦争・ベトナム戦争・アフガニスタン介入のような米国軍の犠牲者を出すこともなく、石油を含め資源を持つ米国有利の構図となっている。NATO 諸国も同様である。ウクライナ戦争は、結局ロシア対米国および西欧諸国の対立構造となっており、中東戦争と同様のウクライナ国民を使った『代理戦争』となってしまった。一方、台湾問題で、バイデン大統領政権は、武器販売を進めながらも、『1つの中国』を表明している。2枚舌外交である。一方で口先介入を進め中国と対立、台湾の半導体技術の取り合いとなっている。米中の軍事的直接衝突を避ける目的もあり、台湾企業の米国・日本を含めた同盟国への技術移転を待つ時間稼ぎのようである。IT /AI を含めた主導権争いとなっている。
 現状、米国の経済問題となる企業倒産・失業者が表面上出ていないことが幸いしている。しかし、米国内では銃刀法規制が進まず治安問題が報道されており、人種差別・宗教問題・人工妊娠中絶問題・南米諸国からの移民問題等、根本的な米国内の分断状況に変わりはない。英国からの独立戦争・南北戦争(英国・仏の軍事介入)等、植民地時代を経て、アメリカンドリームを求めて世界中から集まった移民で成り立った国であることもあり、第二次世界大戦時のように一つのアイデンティ(USA)でまとまることができるかが試されている。さらにほぼ200年で築き上げた英国・米国を基準とした株式資本主義のあり方が問われている、また、11月8日に行われた米国中間選挙は、民主党が上院は過半数を維持、下院は共和党過半数となり、ねじれ現象の結果となった。今後の政権運営が困難となる可能性が高い。市場予想とは違い民主党の善戦結果となった。一方で、米国の2大政党の意義が問われ始めたようだ。世代交代の流れが始まっている。
 地球・人類生存に関わる、気候変動による自然災害及び地震災害の報道が続く。COP27では答えが出せなかった。食糧危機はこれからである。米国・中国・ロシア等の『覇権』問題に関連して世界のリーダーシップの中身が問われている。政治体制の如何にかかわらず世界のバランス感覚が問われている。国民目線の政治ではなくなっている。為替・株式・債券・各種商品を含め金融市場・金融制度・国際会計基準・金融財政理論の行方に関連する。
 さて、先週の相場展開は、
 為替・債券の先物取引で積みあがったポジションの解消がさらに進む。
 21日付けのFTの報道にあるようにドイツ・チェコで反戦運動が始まっている。電気ガス等の高騰に対する不満が「米国によるロシア介入のツケはドイツの庶民に」「ロシアと和解を」と書かれたプラカード等、『ドイツでは極左がこうしたデモの主催者になる場合があれば、ポピュリズム(大衆迎合主義)の右派が主催することもある。これは経済危機が深まり、歴史遺産に対する葛藤が生じ、ロシアとの関係が複雑化するなかで、旧来の政治的な対立構造が崩れ、対抗勢力が現状に反対する新たな運動として融合しつつある兆しだ。ベルリンに次ぐドイツ東部第2の都市ライプチヒでは、極左と極右がアウグストゥス広場で路面電車の線路を隔てて、横並びでデモをしている光景が頻繁にみられる。この集会に参加していた年金生活者のザビーネ・クンツェさんは「NATOが戦争をあおっている。ドイツとロシア、ウクライナとロシアの間に紛争を引き起こさないで欲しい」と訴える。その手には、「ロシアと和解を」と書かれたプラカードを握りしめていた。』(FT)現政権への批判とまではなっていないが、『ドイツ治安当局が最近議会に開示した資料によると、新興の極右政党「ザクセン自由党」が開いた23回の集会で提示されたスローガンは「(ロシアから天然ガスをドイツに送る新たなパイプライン)『ノルドストリーム2』をすぐに開通せよ」という主張から、「分断のないコミュニティーを」「インフレ、戦争、コロナの狂気を阻止せよ」といったものまで多岐にわたっていた。』『ベルリン自由大学のハーヨ・フンケ教授(政治学)は「特にドイツ東部の抗議デモでは様々な不満が融合しつつある。民主主義にとって非常に危険な融合といえる」と懸念を示した。さらに、ドイツ連邦政府が消費者と企業向けに打ち出した戦争の影響を緩和する大規模な対策が反戦感情の拡大ペースを抑えているとも指摘した。』の記事にあるように国民の我慢が表面化しつつある。ユーロ売りのきっかけとなった。円ドルは142円台となった。一方で22日『世界経済は来年景気後退回避、エネ危機で欧州が最打撃=OECD』の記事で盛り返した。また、22日以降、米金融当局が利上げサイクルのピークに近づきつつあるとの観測が広がりドル売りが進む。一時円ドルは138円台となった。『ファンド運用者のドルショートに拍車-米利上げピーク近いとの観測でブルームバーグ』の記事もあった。ポーランドの事故もあり、ウクライナに対する冷めた見方が広がる。一方でウクライナ大統領の主張する『ロシアをテロ国家』に指定はECで通過した。停戦の許諾権は大統領にある。並びに本質的なウクライナ国民(ロシア側についたウクライナ人を含め)の犠牲が出るのはこれからだろう。その責任はウクライナ大統領が引き受けることになる。さらに北極圏の覇権記事の影響で米国の国際戦略の妥当性に疑問符が付き始めている。ドル安要因として今後注意が必要である。これまでの利上げによる米国経済の減速へ影響がどの程度なのか、一方で今後、エネルギー・食料等のインフレの状況に変化はなく長期化する。スタグフレーションの可能性が高くなっている。景気減速については大手金融機関の報告が散見される。一方で、経済指標(物価指数が2%になると主張する等)について前月比較・前年比較をベースにみるエコノミストの欠点が表面化してくる。一度上がった物品の価格が簡単に下がることは想定できない。大型企業倒産があれば別だが。その道筋が見えない。円ドルは139.120円で取引を終えた。
 世界最大の新型コロナウイルス感染国米国(22年11月26日時点で感染者数9856万2304人、死亡者数107万9196人)となっている。WTI原油先物は76.560ドル台となり、ドルインデックスは106.0602、円ドルは139.120円で取引を終えた。

今週の予想

今週のドル円予想レンジ:136.00円~142.00円
ピボット分析(日足ベース):137.10円~140.29円

≪統括≫

世界経済は、各国中央銀行の金融緩和・政府の補助金等の政策で企業倒産を食い止め、完全失業者をそれほど出さず、自殺者の急増を防いできた。その中で、コロナによる犠牲者(死亡者)を乗り越え、製造業中心に経済活動が回復してきた。
アメリカの対中国戦略により中国・アジア地区中心のサプライチェーンに亀裂が生じ、物流の根本が揺らいでいる。コロナ対策が起因で生じたインフレ対策処理が終わらない状況で、2022年2月ロシアによるウクライナ侵攻が始まった。さらに、11月16日、欧米諸国がロシアの脅威に共鳴しウクライナを援助する背景が何であるかが報道されている。
焦点:暗転する北極圏 軍事的優位に立つロシア、追うNATO』(11月16ロイター)
『ロシアにとっては、ヤマル半島の液化天然ガスプラントも含め、北極圏地域には膨大な石油・天然ガス資源が眠っている。ロシアの北方を拠点とする船舶が大西洋に到達するには、「GIUKギャップ」と呼ばれるグリーンランド、アイスランド、英国のあいだの水域を抜けるしかない。ロシアのミサイルや爆撃機が北米に到達する最短の空路は、北極点の上を通過する。NATO加盟国にとって、北大西洋をまたぐ連携を保つ上でGIUKギャップは非常に重要だ。また、油田・ガス田も存在する。ノルウェーは今や欧州最大のガス輸出国だ。スウェーデンとフィンランドが加盟すれば、北極圏諸国8カ国のうち7カ国がNATO加盟国ということになる。米バージニア州ノーフォークに本拠を置くNATO統合軍司令部の司令官を務めたアンドリュー・ルイス氏は、ロイターの取材に対し、現在では軍民双方の利用者をつなぐ通信ケーブル及び全地球測位システム(GPS)を含む衛星システムもリスクにさらされている、と語った。』(ロイター)
北極圏の地下資源および軍事的な脅威、超高速ミサイル・潜水艦・核兵器搭載可能な等の配備態勢と到達距離の短さ等ロシアに対する防衛の意識が高まっている。欧米各国の防衛費に関する記事が多くなった背景がここにある。さらに北極圏での中国が参加した共同軍事演習もありその脅威は、ロシア・中国に対する経済制裁および各種の規制強化に結び付く。『終わりなき新冷戦』の始まりといえる。ウクライナはある意味、政治的覇権争いの『代理戦争』の犠牲者かもしれない。そのあおりは、インフレとして世界各国の国民に及んでいる。欧米各国さらに発展途上国の国民の生活を無視した政策が行われている。
ウクライナ侵攻の対応策としてロシアへの金融を含めた経済制裁がはじまった。『民主主義・人権擁護』を大義名分として、EC・NATOを巻き込む形でウクライナへの武器供与を進め戦争の長期化が現実のものとなった。米国政権は、アフガニスタン撤退による失策非難を避ける意図もあり、ウクライナ戦争介入に際して、米国・NATO 連合は、同盟国ではないとして、直接関与は避けている。
しかし、11月16日初めてNATO加盟国ポーランドで2人の犠牲者が出た。ウクライナ戦争NATO参戦かと、一時騒然となったが、ウクライナ側との報道もあり原因究明が先決として冷静に対応している。ウクライナ側の誤射と判明すれば、欧米による武器供与はかなり削減されるだろう。さらにウクライナ側に休戦の譲歩を迫ることになろう。ロシアの首都圏への砲撃で生活インフラが機能不全となっており、自国民の犠牲を少なくする必要もある。
北極圏のロシアの脅威に始まる欧米のウクライナに対する武器供与を中心とする援助ではあったが、結果として資源関連のインフレを招き、さらに食糧危機にまで及んでいる。さらに、中国・ロシアを接近させることになり、米国対ロシア・中国の対立構造となってしまった。米国の覇権に対する挑戦そしてその対応としての意味合いが強い。
これまで、経済の問題と政治的な軍事問題を切り離して考えればよかったがそうはいかないのが現実である。第二次大戦後の政治・経済の国際ルールに亀裂が生じている。政治学でいう、核・軍事の『バランス・オブ・パワー』で云う米ソの2極構造が壊れ、米国一極の構造との幻想があった。今では経済力をつけた中国・インド・中東諸国を含める多極構造の世界となっている。
米国に集中するコンテナの問題はやや終息しつつあるが、燃料費高騰で海運賃は高止まりのまま。さらに人件費も高止まりしている。当初、金融制裁を基軸に、エネルギー資源(石炭・石油・天然ガス)・食料資源・鉄鋼資源に限定した貿易制裁を起草、ロシア経済の疲弊による政権維持が困難になるとの構想・戦略で進めてきた。
しかし、ロシアが世界に供給する資源がエネルギー資源・食料・半導体生産資源・肥料・希少金属等多義に渡っていることが後になって理解された。そもそも、中国を含め世界の物資のサプライチェーンの枠組みは先進国の欧米中心に組み立てられてきたものであった。中国への関税政策、ロシアへの制裁開始以降エネルギー以外に各種商品価格の高騰を呼びインフレが世界に広がってしまった。さらに食糧危機問題が発生し、最貧国の政治状況に変化がみられる。また経済救済の枠組みも再考を余儀なくされているが進展はない。コロナ対策・インフレ対策で財政的な余力は限られている。他国の面倒を見る余裕はなくなっている。
各国の金利引き上げ競争が始まり、国内の経済維持に警鐘がなり始めており、世界経済のスタグフレーションの状況となりつつある。
世界世論はロシアへの非難に終始している。ロシア・ウクライナとの休戦・停戦交渉は暗礁に乗り上げている。ウクライナのゼレンスキー大統領は、民主主義の基礎となる自国民の安全・安心を確保するという本筋(米国南北戦争後のリンカーン)を忘れて、為政者としてはやってはいけない、自国民の犠牲者が増えていることを無視する形で、西側諸国のマスコミへのお涙頂戴なのか情報提供としてSNS等の手段を駆使、さらに休戦に向けた努力もなく、欧米各国政府への武器供与を呼び掛けているのが現状である。ウクライナをどうしても勝たせたい理由が米国の覇権維持にあるようだ。
さらに、戦争拡大を煽るように、4月12日以降、バイデン米政権はウクライナへの約7億5000万ドル(約940億円)を始めとして追加支援を繰り返し、相当の軍事支援を進め、武器や装備品を供与している。ウクライナへの支援をさらに強化する姿勢を強調している。しかし、中間選挙で下院の過半数を共和党に握られ、これまでの政策が維持できるか注意が必要だ。イラン・イラク戦争時、米国がイラクへの大量の武器援助を行ったことに酷似している。その後イラクでは残された武器を利用したフセイン政権が樹立され中東戦争へとつながる。ウクライナの現状に酷似している。欧米諸国が最新兵器であっても、人殺しの道具を供与していることに変わりはない。
さらに、NATOとの結束を進め、G7を巻き込むことで世界のリーダーシップを強調している。しかし、戦後処理に係る費用(7500憶ドル)はどこから調達するかは不明である。ウクライナにその能力はない。戦後処理費用をロシアに押し付けようとしている。
戦争当事者のウクライナ指導者の先導的なパフォーマンスに迎合し、他人事のように、本当の犠牲者であるウクライナ国民の安全・安心の議論はない。今回、ロシアによる首都圏攻撃でインフラである、水道電気の施設が機能不全となったようだ。冬を迎え国民の生活に苦悩を強いることになる。さらに主要の穀倉地帯がロケット・ドローンによる攻撃によるその破片処理が必要で今後の穀物生産に支障が出る可能性がある。戦後処理に10年かかるとの報道が現実のものとなっている。穀物ができなければウクライナの主要収入がなくなる。さらにこの影響で食糧危機・および半導体生産の原料にも問題が生じ、小麦の依存度の高い東南アジア他の地域で起きる可能性が高くなる。
一般国民は、健康で安心・安全で生活できれば良く、映画・音楽・演劇・文化に触れあう環境を望んでいる。そもそも、現ウクライナ大統領が、戦争前にウクライナの65歳以下の男子の国外脱出を禁止、その家族が国内に残る仕組みを作った事実を忘れている。戦争(殺し合い)は望んでいない。報道のようなアイデンティティの問題ではない。食料・仕事・教育を含め衣食住の環境を整えるのが『為政者』の基本的な仕事なのだが・・・。専門評論家の言う政治体制は関係ない。儒教(陽明学)に基づく『帝王学』を含め孔子の『中庸』の精神で国民目線からの積み上げのバランスある『政治学』が必要である。中国の『三国志』時代の対応が必要である。インドにみられる東洋哲学的な行動が参考となる。この点をテスラ社のイーロンマスク氏が代弁している。
各国でインフレが高進しているが、各種の商品値上げで困窮(迷惑)するのはそれぞれの自国民であることを忘れている。政治の基本は国民であって、世界秩序ではない。同じことがコロナ対応でもいえる。
ウクライナの戦後復興費用および負担がどうなるか、G7等の先進国の負担となるようであるが、その原資が各国民の税金であることに変わりはない。さらに、中国・ロシアを排除した米国主導のサプライチェーンの再構築に5年で官民合わせて6000億ドルと報じられている。しかし、発展途上国を巻き込むことができるか疑問符がついている。
エネルギー供給についても備蓄原油放出で何とか凌ぐつもりでも、第二次オイルショック以降の備蓄戦略であったことが忘れられている。その補充するにはOPEC等の石油産出国の協力が必要であるが、補充コストは1バレル100ドルを超えることが予想(一説では130ドル)されており、今後に対する筋書きもない。しかし、ロシア崩壊を狙って、ロシアの豊富な資源の獲得を米国・西欧諸国が画策しているのであれば別である。オイルショック以降、冷戦状況下、イスラエルを使って米ソ対立を煽り、代理戦争と化した中東戦争を起こしオイルマネーの消費・欧米に資金を集め循環する仕組みを作ったように・・・。
いずれにせよ、ウクライナ戦争が終結しても、インフレの長期化からは逃れられない。これまで、欧米諸国の企業は、コストについては価格転嫁することでごまかしができたが、各国国民の所得が順調に増えるとは考えられない。
さらに利上げをきっかけに、スリランカのような発展途上国の借り入れ問題から食糧危機・メキシコ危機・アジア危機の再来が予想される。IMFの対応は数か月先のようだ。事実、国際通貨基金(IMF)アジア太平洋局長代理のアンマリー・グルデウルフ氏は26日、債務危機に陥っているスリランカについて、金融引き締め、増税、変動為替相場制への移行といった方策を取るよう促した。さらに、スリランカの支援要請に対して「債務の持続可能性に向けた進展が融資の条件になる」と述べた。他人事のように形式的な対応で終わっている。一方、インドの協力が表明されている。日本も参加表明している。
小麦・パラジューム・アルミ・ニッケル・天然ガス等世界の供給に占める割合の多い資源・食料価格が上昇。コロナによるサプライチェーンの麻痺が解消されない状況でインフレの種を増やす結果となっている。今回の欧米の対応は経済運営上、自分で首を絞める状況となっており、金融政策の足かせとなってきた。ここにきて、ロシア・ウクライナの石油・天然ガス・石炭・小麦・トウモロコシ・飼料・肥料さらに半導体関連の主要原料の供給に関して警鐘がなり始め、欧米諸国のインフレ(物価上昇)の追加要因となった。市場は、サプライチェーンが国家体制(政治要素)とは別に、複雑に絡み合っている現実を認識し米国主導のロシア中国を除いた全く別の仕組みを作ろうと始めている。物価が上昇し、国民生活に影響が出ており、さらにコロナによるパンデミックも沈静化しているわけではない。
一方で、欧州では懸念の声が上がり始めたが、米国は大丈夫との安心感が前提となって今の相場が形成されている。米国が不況ないしスタグフレーションに陥る可能性を全く考慮していない。世界恐慌に近い状況になる可能性が高い。
米国の人口は3億人、英国・フランス・ドイツ等の西欧諸国の人口はそれぞれ4~6千万人、そのほとんどが移民で構成されている。過去、植民地時代その後の資本主義で潤ってきた国なのだろうか。ロシアでさえ1億数千万人。これに対して人口規模で異なっており、さらに植民地政策で苦汁をなめたインド(英国の植民地)・中国(アヘン戦争・日中戦争)のように14億人台を超える国民の生命・食料・生活を維持するする政治に対する姿勢(国家体制)・主義主張の違いがあってもおかしくはない。第1次・第2次大戦後独立した中東諸国・南米・アフリカ諸国にとっても同じである。既存のグローバルスタンダードの意義が問われている。インフレの一つの原因であるロシア産資源(原油・天然ガス)に対する制裁が完全に尻抜けとなった。ルーブル決済は企業の問題として制裁対象から外すとの判断が、5月16日EUの行政執行機関、欧州委員会から発表された。
さらに、5月17日米財務省当局者がロシア産原油の全面的な輸入禁止措置に代わる措置として、欧州各国に対し関税を課すよう提案すると表明。原油供給量の逼迫を低減する方向に舵を切った。しかし、制裁対象のロシア産原油は、インド・中国が引き受けており総量の調整は不可能となっている。石油価格の相場形成における米国の地位は低下、OPECプラス等のロシアを含む中東産油国が中心となっている。米国の指導力の低下が今回も見られた。
資金力・技術力に劣る資源を持つ国(ロシア)の主張が始まったと思われ、オイルショック(石油危機)時と同じ背景がそこにある。ただし、相手がロシアという軍事力のある大国であることは厄介である。
インフレの解決策である中央銀行による利上げが本当に特効薬となるか試されている。世界各国の実体経済の悪影響が出始めており、統計数値を待っている市場参加者が気づいた時、すでに遅いというデフレ・スタグフレーションの可能性は否定できない。欧米でインフレが進み実体経済への影響が統計数値に表れ始めた。アナキスト(無政府主義)である企業の収益確保が優先となっている。企業による価格転嫁による収益確保に対して原材料費・人件費高騰が減益要因となり、最終需要者である消費者にとって不利になり貧富格差の拡大がさらに進む結果となりつつある。そこでマルクス(共産主義を唱えた)が生まれたドイツを始めとした欧州各国がエネルギー関連企業から利益を還元するように要請を始めている。共産主義(社会主義)的発想(平等)の導入に変わりない。自由資本主義の欠陥の補完の動きとみるべきか。さらに、利上げによる副作用である企業倒産・失業対策が必要となる、スタグフレーションの状況となりつつある。ある意味でシンギュラーポイントがどこなのかが試されている。
さらに、ウクライナの戦後処理・再生費用が7500億ドル規模になりウクライナ大統領は支援を呼び掛けているが、欧米諸国・IMFを含めその余力はない。ロシアにその費用を持たせるには、ロシア本土に攻撃を仕掛けプーチン大統領を敗北に導く以外に方法はない。今一生懸命ロシアの戦争犯罪の証拠を探しているが、第2次大戦時の東京大空襲・沖縄戦の犠牲者に比べれば、さらに広島・長崎への原爆投下の行為と被害者の戦後の対応(実験の資料集めは継続されている事実)はどうなのだろう。
一方、仮想通貨の普及の動きに合わせ、ドル基軸通貨の脆弱性・米国軍事力の圧倒的な優位性が失われていること・世界政治経済の指導力に対する警鐘等が露見する結果となりそうである。金本位制を放棄したニクソンショックが何であったかが問われている。
モルガン一族のように、第一世界大戦時と同様に、第2次大戦前に欧州にあった金を米国に集中逃避させた。その資本家が、第2次大戦後、欧州の復興に合わせ、米国から金の還元・流出が始まり、その流出量が多く、ドルの価値が大幅に低下した。金の産出量に限界があり、通貨の力(国力)を図る基準としての機能に限界(弊害)があったことも一つの原因である。その影響で米国経済が悪化。第一次大戦後の世界恐慌と同様の危機を避けるために、そして米国経済を維持するために、金本位制を放棄、米国ドルを基準とした通貨機能を創出し、一方で株式・債券・商品の取引市場を拡充、さらに資本市場を米国に集中させ、ドルを基準とした市場を形成した。さらに当時の圧倒的な軍事力を背景に、固定相場制であった通貨に変わり、変動相場制導入を主要国に従わせ、ドル規格を標準のものにし、ドルを金に変わる基準通貨に作り上げ、株式資本主義を盤石なものにして今に至っている。
ウクライナ国民の犠牲者が急増するも徹底抗戦としてロシアへの攻撃を中断することもなく、停戦交渉のテーブルに載っていない。欧米からの武器供与で反転攻勢との報道があるが、ロシアの人口と資源・軍事力さらに総動員法に向かっている現実との比較から、そろそろ落としどころを米国が進める時期にあるが、それができない。まるで第二次世界大戦時の(沖縄戦・東京大空襲)にも拘わらず、本土防衛・決戦とした日本軍の連合国軍への対応と同じ現象となっている。終戦のための方法について、生物兵器・化学兵器・核爆弾の使用が報道されている。第2次大戦時、最終的に核爆弾を実施したのは米国であった歴史を忘れてはならない。唯一の被爆国であり、日本の航空域制限等、今も戦後の体制は継続している。戦略的に、今回はロシアに核のボタンを押すように追い詰めているようだ。第二次大戦終戦(1945年)前後に生まれた、バイデン大統領・ウクライナのゼレンスキー大統領。プーチン大統領等『戦争を知らない子供たち』(北山修作詞)の世代のリーダーが世界を動かしている。
マスク着用問題等において『人間の自由の権利』主張が標榜され、コロナによる感染は個人の自己責任として片づけられてきた。今でも世界最大のコロナによる感染者数・死亡者数を誇っているのは米国である。自己責任としている。
自分を守り隣人(他人)に移さないようにする最善の方法がマスク着用であった。第一次大戦時『スペイン風邪流行』対応はワクチン・治療薬がなかったこともあり、戦争による死亡者よりスペイン風邪による戦意喪失とその犠牲者の方が多く戦争継続が困難となりドイツ軍敗退による戦争終決となった。
各国政府は自由主義・個人主義の名目で経済再生優先としてきた。一方、コロナ対応で中国主要都市でのロックダウン措置導入の動きが報道され、中国経済の弱体化を専門家・マスコミは報道している。また、中国を含めコロナ感染拡大によるパンデミックは終わっていない。
サプライチェーン・物流問題の長期化が懸念され始めた。トランプ政権時『自国第一主義』として中国経済制裁の一環で始められた関税はバイデン政権でも継続され米国インフレの一原因となっている。半導体・各種工業製品等の中国サプライチェーンの複雑さが認識され始めたところで、ウクライナ・ロシアにおける食料・資源の重要供給先であったことがウクライナ戦争で浮き彫りになった。5月11日、バイデン米大統領は、ロシアによるウクライナ侵攻が世界的な食料価格の高騰を引き起こしていると非難、対して5月12日、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ紛争を受けて西側諸国がロシアに科した厳格な制裁措置が世界的な経済危機と破滅的なインフレを引き起こしたとして双方責任転嫁している。
しかし、株式市場の下落、プライベートバンク等にみられるファンドの毀損、市場参加者機関の市場撤退による現金化が報じられている。市場が縮小方向にあることに変わりはない。インフレが現実のものとなり、中国関税・NATOを巻き込みウクライナへの武器供与による戦争拡大のきっかけを作った米国バイデン政権の失策であったことが明確になりつつある。覇権の競争と見過ごすことはできるのであろうか
世界経済の枠組みに亀裂が生じ、各国のインフレが国内問題となり、ロシア・中国等の結束を固める形となって政治経済ブロックの鮮明化が問題視され始めた。自由民主主義を守ると称して主導権を発揮した結果であろうか。
パンデミックが収まらず、サプライチェーン問題も解消されず、ウクライナ戦争が、ロシア対米国(NATO)の対立構造となってきた。さらに仮想敵国として中国もその対象としている。
小麦・食用油(トウモロコシ・パーム油)を含めて食糧危機の報道が始まった。異常気象の影響で世界的な穀物の不作が予想されており、綺麗ごとでは済まない古米・古古米の取り合いとなっている。ウクライナの昨年収穫の穀物輸送に注目しているが農地が荒れており、戦争で男手がなく今年の収穫は半分以下となろう。食糧危機が現実のものとなり、先進国もインフレに絡めて、後進国を補助・救済するとしても資金調達に問題が生じ始めている。欧米の大半が赤字国である。国力に限界がある。さらに、異常気象の影響により耕作物の減少が予想されており、インドのように輸出規制をする国が増えている。本格的な食糧危機は、これからである。



2022年11月28日更新


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